逃げたい。
でも、これはまたとない千載一遇のチャンスだ。
無駄にするわけにはいかないが、どう対処すればいいのかも俺にはさっぱりわからない。
どういう展開に持ち込めばいいのか。
迷えば迷うほど焦りが滲み出る。
桜ヶ丘さんを好きな気持ちは変わらない。それでも、この気持ちをどう形にすればいいのか、はたまたどうひた隠すか、さり気なく好意を伝えるべきか。
正直迷っている時間はない。
どうする、俺。
「あ、さっきのお兄さん」
「ひっ!」
急に後ろから声をかけられ、俺はビビって裏返った声が出てしまう。
「あっはははは! 何その反応。めっちゃ面白いんだけど」
桜ケ丘さんだ。案の定、豪快に笑われた。
「あ、あの……」
「うん。さっき若葉から聞いたの。お兄さん、あたしに話があるんでしょ?」
「う、うん。まあ……」
「そんな感じってか」
「はい」
「あは、当たった。で、話って何?」
「えっと……とりあえず、店の外出てもいい、かな?」
「了解。じゃあ外で待ってるね」
彼女は颯爽と出入り口まで歩いて行った。俺は返却口にトレー一式を返し、彼女の後を追うように店をあとにする。
すると、彼女がチャラそうな男に絡まれていた。
「おねえちゃん、今暇?」
「暇じゃない」
「暇そうじゃん。俺と遊びに行こうよ」
「人待ってるから無理」
「そんなやついいじゃん。遅刻するようなやつほっといてさあ」
「遅刻?」
「だって来てないじゃん」
「いや、もう来てるから。じゃあね」
彼女が俺の方に向かって歩いてきた。
「ちょ、待てって」
「痛い!」
男が彼女の腕を掴んだ。
「やめて、離してよ!」
「まだ話は終わってないだろ」
「もう、しつこい! あっち行って!」
これは、やばい。
「あ、あの……」
「あ? 何だてめえ」
う、やっぱり柄悪いな。
「彼女、嫌がってるじゃないですか」
「だったらなんだよ。部外者が口出すんじゃねえよ」
「いや、部外者も何も……俺がその、相手なんで」
「は? 嘘つくなし」
真の部外者に嘘つき扱いされるとは。
「あの、部外者はあなたの方なんで」
少々イラッとした俺は、彼女の腕を掴んだ男の手をギリッと抓ってやった。
「痛ってえ! 何しやがんだ!」
パッと男の手が離れた隙に、俺は彼女の手を取り走り出す。
「待ちやがれ!」
男が俺に飛びかかるように追ってきた。
いきなり会って早々喧嘩売られるとは思っていなかったので、とりあえず俺は彼女を安全な場所に連れて行こうと駆け出す。
「な、何なの。あいつ」
「とりあえず、今は逃げよう」
俺は近くにあった大学のキャンパスに駆け込んだ。
「こっちだ」
俺は正門から警備のおじさんがいるゲート前で学生証をかざす。
寸でのところでゲートが締まり、男はバーの前で立ち止まる。
「ち……!」
でも、これはまたとない千載一遇のチャンスだ。
無駄にするわけにはいかないが、どう対処すればいいのかも俺にはさっぱりわからない。
どういう展開に持ち込めばいいのか。
迷えば迷うほど焦りが滲み出る。
桜ヶ丘さんを好きな気持ちは変わらない。それでも、この気持ちをどう形にすればいいのか、はたまたどうひた隠すか、さり気なく好意を伝えるべきか。
正直迷っている時間はない。
どうする、俺。
「あ、さっきのお兄さん」
「ひっ!」
急に後ろから声をかけられ、俺はビビって裏返った声が出てしまう。
「あっはははは! 何その反応。めっちゃ面白いんだけど」
桜ケ丘さんだ。案の定、豪快に笑われた。
「あ、あの……」
「うん。さっき若葉から聞いたの。お兄さん、あたしに話があるんでしょ?」
「う、うん。まあ……」
「そんな感じってか」
「はい」
「あは、当たった。で、話って何?」
「えっと……とりあえず、店の外出てもいい、かな?」
「了解。じゃあ外で待ってるね」
彼女は颯爽と出入り口まで歩いて行った。俺は返却口にトレー一式を返し、彼女の後を追うように店をあとにする。
すると、彼女がチャラそうな男に絡まれていた。
「おねえちゃん、今暇?」
「暇じゃない」
「暇そうじゃん。俺と遊びに行こうよ」
「人待ってるから無理」
「そんなやついいじゃん。遅刻するようなやつほっといてさあ」
「遅刻?」
「だって来てないじゃん」
「いや、もう来てるから。じゃあね」
彼女が俺の方に向かって歩いてきた。
「ちょ、待てって」
「痛い!」
男が彼女の腕を掴んだ。
「やめて、離してよ!」
「まだ話は終わってないだろ」
「もう、しつこい! あっち行って!」
これは、やばい。
「あ、あの……」
「あ? 何だてめえ」
う、やっぱり柄悪いな。
「彼女、嫌がってるじゃないですか」
「だったらなんだよ。部外者が口出すんじゃねえよ」
「いや、部外者も何も……俺がその、相手なんで」
「は? 嘘つくなし」
真の部外者に嘘つき扱いされるとは。
「あの、部外者はあなたの方なんで」
少々イラッとした俺は、彼女の腕を掴んだ男の手をギリッと抓ってやった。
「痛ってえ! 何しやがんだ!」
パッと男の手が離れた隙に、俺は彼女の手を取り走り出す。
「待ちやがれ!」
男が俺に飛びかかるように追ってきた。
いきなり会って早々喧嘩売られるとは思っていなかったので、とりあえず俺は彼女を安全な場所に連れて行こうと駆け出す。
「な、何なの。あいつ」
「とりあえず、今は逃げよう」
俺は近くにあった大学のキャンパスに駆け込んだ。
「こっちだ」
俺は正門から警備のおじさんがいるゲート前で学生証をかざす。
寸でのところでゲートが締まり、男はバーの前で立ち止まる。
「ち……!」



