【“恋”はある日突然に訪れるものだ】

【気がついたら落ちているものだ】

【いつの間にか、その人のことを好きになっているものだ】

俺の周囲の友人は、口々にそう言いながら青春という名の恋愛を謳歌している。

それにひきかえ俺は。

そんなものとは一生無縁だと思いながら日々やり過ごしていた。

万年地味で冴えない俺――柴田涼平という男は、今後も年齢=彼女いない歴を更新し続けながら生きていくのだ。