特に人間の持つ中で愛情というものは何より素敵だと私は思います。

人間の愛とは一瞬のものではありません。
一夫一妻の今の日本では一生、一人の相手を愛し続ける人の方が多いと思われます。
詳しいことは知りませんが、一夫多妻であってもそれぞれの妻を愛していたでしょう。

世界的に見て約八十年間の人生の大半、ある人を愛し続けるというのは生きるための知識、強さあってのことではないでしょうか。
愛し続けるには大前提、生きていることが必要です。

例えば魚は子育て中、両親または片親が卵が孵化するまで見守り酸素を送り続けたり掃除したりと何も食べずに子どもの世話をします。
そうして孵化したころには親は死んでしまう。
海という過酷な場所で"そう育てる"という本能が短い命を終わらせます。

人間は陸という、これも過酷な場所で隠れながらも知識を蓄えて進化してると思っています。
そして、その知識を使って自分たちにあった武器を作って強者と戦い、生きてきている。
更には子どもの産み方を経験で得て、親も子どもも無事に生きる術を持っている。
知識を持って強者へと登りつめて更なる知識で本能以外に長生きする、子孫繁栄の方法を身につけた。
そうやって子孫繁栄という目的以外で誰かを好きになり、愛す余裕ができた。

どんな関係の相手にこの気持ちが向くのかは人それぞれです。
恋人、友、子、家族、人以外の者など。

どれであろうと愛は美しい。

彼氏彼女と手を繋ぐ恋人は素敵ですし、友達と笑い合う姿はこちらまで笑いたくなります。
親が子を抱いている様子は微笑ましいです。
家族が食卓を囲む様子は温かみを感じます。
これはきっと共感しずらいでしょうけれども、私は生き物を愛でる人に、無性に抱きしめてほしくなるような気分になります。

本能の一部であるから人もそれに逆らいにくい。
ただ、逆らえないからこそめいいっぱい相手に愛を注ぐ。

今ではそれを無自覚で行っていたりしますが、人間の愛は強い気がします。
私が人間の言動に感動する時、それは決まって誰かに対する愛によるものです。

愛に形があるとしたら人それぞれ違うもの。
同じ、愛という分類をされても中を覗けば一つ一つまるで違う。

私の思う自然と同じです。
動物は人間と同じように一匹一匹個性があります。
植物だって生存するための工夫も場所も様々です。
生命を持っていない空や海でも気象によって姿は変わります。

人間は傲慢で醜くて、その強さで他の命を簡単に奪います。
それでもどれだけ進化しようと、生きようとする生物本来の力、本能、愛は変わらず美しいままだと思うのです。
そこは人間も自然も同じです。

そんな人間に生まれたことを私は一生嬉しく思う。
そして、そんな人間をいつまでも憎み、愛するのでしょう。