そう間を開けずにもう一文送られてくる。

[一月四日。予定入れないでおいて]

送った画像を見て一月四日に予定が入っていないことを確認する。
確実にこの一日前に冬休みを終えている両親は仕事だ。
家には子どもだけだけど風弥もバイトはないから愛生の面倒を任せておける。

[四日、遊ぶの?]
[そんな感じ。とりあえず何も予定入れないで。日にちが近くなったら連絡する]

こんな風にはぐらかされたのは初めてでなんかモヤッとする。
遊ぶだけなら今言えばいいのに。

今日は元々陽の塾がある日で私も本を返したりする用事はないから図書館に行くつもりはなかった。
でも、もし来てくれるというのなら直接会って問い詰めたい気持ちが渦巻く。

椅子の上で三角座りをして自分の腕に顔をうずくめてしばらく考えてからハッとする。

もしかしたら悪い話だったりするのかも、と。

前でに話していた陽が学校で悪者扱いされるかもという話。
あれ以降、話を聞かないと思っていたが、本当にそうなってしまっていたら。

『……もしものことが、あったらわた、し何でもするから。一人で戦わない、でね』

あの言葉を信じてくれて私に何か頼もうとしてる……?

有りえないわけじゃない。
陽は強くあろうと、折れまいと踏ん張っているところがあるから言えなかった可能性だってないわけじゃない。

日にちを指定した理由はわからないけれど、陽も忙しいし心の準備には時間制限があった方がいいんだろう。
私も悪い話となれば心の準備があった方がいい。

そんな感じでモヤッとした気持ちのまま冬休みに入った。

二日に一回の頻度で図書館に行き、たまに陽と遊んで。
クリスマスは家族と過ごした。
年越しは紅白歌合戦を見て元日は十時頃まで寝て、二日と三日は従弟妹が遊びに来たので祖父母の家で部屋の隅に固まってワイワイしているのを眺めていた。

毎年この時期になると遊びに来る従弟妹と昔は遊んでいたのに、今の私はテンションや性格に追いつけない。
私以外はとにかく楽しそうで、外に遊びに行こうとする従弟妹や風弥、愛生を見てぼーっとしているとお母さんに「槭も行ってきなさい」と言われてそのあとに続いた。
けれど、キャッチボールをしたりバドミントンをしたりする皆の中に私は入れなかった。
外でもぼつんと立っているだけ。

逃げ出したかった。