◆
小学一年生の後期。
毎日、戸惑いながら過ごしていた。
幼稚園だと教わっている漢字や計算を知らない私は周りがスラスラと授業に受け答えする度に焦った。
それが当たり前だという顔で平然としている周りと自分の差に驚かされた。
特に一番焦り、大きな不安の種となっていたのが友人関係。
周りの地域には保育園・幼稚園が多くあり、その中でも私の行っていた保育園は小規模で人も少なかった。
小学校に上がるタイミングで引っ越しをした人もいたので同じ小学校に行く幼馴染はぐっと減る。
それだというのに小学校に入れば他学年よりも圧倒的に人数の多いものだから、幼馴染なんて十分の一にも満たないくらい。
遠くに行ってしまった幼馴染と連絡が取れず寂しくとも始めはそれでもいいやと思っていた。
近くにいる人を大切にできたら、それでいいだろうと。
しかし、現実はそんなうまくいくなんてことはない。
私が求もうと相手がそれをくれるとは限らない。
幼馴染達は気付かぬうちに私の知らない友達をたくさん作っていた。
それも幼馴染はいわゆる陽キャとかそういう類の中心人物になっていて、話しかけようとも話しかけられなかった。
私には幼馴染以外に友達と言えるような人はいない。
いないのなら作ればいいじゃないか。
一年生全員の顔と名前を覚えた。
誰が何を好きなのかも周りの会話の中で知った。
だが、意気込んで声をかけたはいいもののクラスメイトで、見たことのある顔なのに過剰な緊張で上手く話せず、途中で話し方がわかなくなる。
そんなことを繰り返した。
幼馴染とならそんなことにはならない。
ちゃんと話せるし、自分から話題を提供して盛り上げることだってできる。
だけど、幼馴染以外とは、今まで本当にできていたのか疑うほど話せなかった。
私はそれまで気がつかなかった。
自分が緊張しいで口下手で、人間関係を作る上で欠かせない会話ができないことに。
気付いてから、もっと焦った。
兄がいたから将来を考えることがどんなことなのか。
見れていたから中学校がどういうものなのかも既に知っていた。
だからこそ、更に焦った。
このままじゃ本当に自分は駄目な人間になってしまう、って。
誰のためにもならない駄目な人間にだけはなりたくない、って。
ちゃんと一人で生きていける人にならないと、って。
小学一年生の後期。
毎日、戸惑いながら過ごしていた。
幼稚園だと教わっている漢字や計算を知らない私は周りがスラスラと授業に受け答えする度に焦った。
それが当たり前だという顔で平然としている周りと自分の差に驚かされた。
特に一番焦り、大きな不安の種となっていたのが友人関係。
周りの地域には保育園・幼稚園が多くあり、その中でも私の行っていた保育園は小規模で人も少なかった。
小学校に上がるタイミングで引っ越しをした人もいたので同じ小学校に行く幼馴染はぐっと減る。
それだというのに小学校に入れば他学年よりも圧倒的に人数の多いものだから、幼馴染なんて十分の一にも満たないくらい。
遠くに行ってしまった幼馴染と連絡が取れず寂しくとも始めはそれでもいいやと思っていた。
近くにいる人を大切にできたら、それでいいだろうと。
しかし、現実はそんなうまくいくなんてことはない。
私が求もうと相手がそれをくれるとは限らない。
幼馴染達は気付かぬうちに私の知らない友達をたくさん作っていた。
それも幼馴染はいわゆる陽キャとかそういう類の中心人物になっていて、話しかけようとも話しかけられなかった。
私には幼馴染以外に友達と言えるような人はいない。
いないのなら作ればいいじゃないか。
一年生全員の顔と名前を覚えた。
誰が何を好きなのかも周りの会話の中で知った。
だが、意気込んで声をかけたはいいもののクラスメイトで、見たことのある顔なのに過剰な緊張で上手く話せず、途中で話し方がわかなくなる。
そんなことを繰り返した。
幼馴染とならそんなことにはならない。
ちゃんと話せるし、自分から話題を提供して盛り上げることだってできる。
だけど、幼馴染以外とは、今まで本当にできていたのか疑うほど話せなかった。
私はそれまで気がつかなかった。
自分が緊張しいで口下手で、人間関係を作る上で欠かせない会話ができないことに。
気付いてから、もっと焦った。
兄がいたから将来を考えることがどんなことなのか。
見れていたから中学校がどういうものなのかも既に知っていた。
だからこそ、更に焦った。
このままじゃ本当に自分は駄目な人間になってしまう、って。
誰のためにもならない駄目な人間にだけはなりたくない、って。
ちゃんと一人で生きていける人にならないと、って。