保育園での運動会でもよくやっていたものばかりで懐かしさと陽がこれをやるのは似合わないなと思った。
私だったら絶対に選ばない。
すごく恥ずかしい。
陽の番が来ると何だか見ていられなくなる。
でも、せっかく来たのなら最初から最後までちゃんと見ていよう。
目を離さずゴールまで見ていたが、想像通り陽がけんけんぱしたりちょこちょこ歩くのはいつもと違う姿過ぎて笑ってしまった。
あれを全校生徒に、しかも家族のいる中でやるのは相当な羞恥を晒していることになる。
ただ、一位だと伝えられている陽の飄々とした顔を見たら笑いも引っ込んだ。
陽の平然と立っていられる度胸に呆気にとられた。
それからも陽は個人競技の徒競走で一位をとり、学年種目のムカデでも活躍して陽のクラスは一位とはならなくとも五クラス中二位という結果で、競技が終われば毎回誰かに頭をガシガシと撫でられていた。
それを見て、私も……と自分の手を見る。
フワフワした陽の髪、私も撫でてみたい、とか思ってる自分に顔を顰めた。
陽からしたらもの凄く気持ち悪い考えだ。
思っていると午前部の最終競技が終わり、再びアナウンスが鳴った。
「残念ですが午前の部はこれで終わりとなります!僕はあっという間に感じたけど皆さんはどうでしたかー」
「最高!」「放送面白かったぞー」「午後も楽しみ」といった声が飛び交う。
「沢山の声、ありがとうございます!午後も引き続き楽しめるよう、各自昼食はしっかり摂りましょう!担任の先生の指示に従って移動を開始してください」
応援席に座っていた生徒が一斉に立ち上がり、それぞれの担任教師の話を聞いてから動き始めた。
流れとしては校庭、体育館で三十分後までに食事を終えることになっている。
プログラムの紙を入り口でもらった私は昼食をどこで食べるかまでは決定せずに来てしまった。
一度家に帰ろうと思ったけれど、ここから家まで約二十分。
午後部の一番初めの応援合戦は見ておきたいから三十分後までに戻ってこなければいけないし、家に帰るのは諦めるしかない。
幸い何かあったように持ってきたお金がある。
近場のどこかで昼食を済ませてこよう。
頭に入っているここら一体の地図を思い浮かべてどこにするかを考えながら校門に足を向ける。
お店はあってもすぐに食べられそうなお店となると中々ない。
いっそのことコンビニで何か買ってこようか。
悩んでいると後ろから私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
「槭!」
走ってくる陽は波のように動く大勢の人を潜り抜けて私に近づいてくる。
私も陽に近づく。
ようやく話せる距離まできて人の波の当たらない場所まで移動した。
私だったら絶対に選ばない。
すごく恥ずかしい。
陽の番が来ると何だか見ていられなくなる。
でも、せっかく来たのなら最初から最後までちゃんと見ていよう。
目を離さずゴールまで見ていたが、想像通り陽がけんけんぱしたりちょこちょこ歩くのはいつもと違う姿過ぎて笑ってしまった。
あれを全校生徒に、しかも家族のいる中でやるのは相当な羞恥を晒していることになる。
ただ、一位だと伝えられている陽の飄々とした顔を見たら笑いも引っ込んだ。
陽の平然と立っていられる度胸に呆気にとられた。
それからも陽は個人競技の徒競走で一位をとり、学年種目のムカデでも活躍して陽のクラスは一位とはならなくとも五クラス中二位という結果で、競技が終われば毎回誰かに頭をガシガシと撫でられていた。
それを見て、私も……と自分の手を見る。
フワフワした陽の髪、私も撫でてみたい、とか思ってる自分に顔を顰めた。
陽からしたらもの凄く気持ち悪い考えだ。
思っていると午前部の最終競技が終わり、再びアナウンスが鳴った。
「残念ですが午前の部はこれで終わりとなります!僕はあっという間に感じたけど皆さんはどうでしたかー」
「最高!」「放送面白かったぞー」「午後も楽しみ」といった声が飛び交う。
「沢山の声、ありがとうございます!午後も引き続き楽しめるよう、各自昼食はしっかり摂りましょう!担任の先生の指示に従って移動を開始してください」
応援席に座っていた生徒が一斉に立ち上がり、それぞれの担任教師の話を聞いてから動き始めた。
流れとしては校庭、体育館で三十分後までに食事を終えることになっている。
プログラムの紙を入り口でもらった私は昼食をどこで食べるかまでは決定せずに来てしまった。
一度家に帰ろうと思ったけれど、ここから家まで約二十分。
午後部の一番初めの応援合戦は見ておきたいから三十分後までに戻ってこなければいけないし、家に帰るのは諦めるしかない。
幸い何かあったように持ってきたお金がある。
近場のどこかで昼食を済ませてこよう。
頭に入っているここら一体の地図を思い浮かべてどこにするかを考えながら校門に足を向ける。
お店はあってもすぐに食べられそうなお店となると中々ない。
いっそのことコンビニで何か買ってこようか。
悩んでいると後ろから私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
「槭!」
走ってくる陽は波のように動く大勢の人を潜り抜けて私に近づいてくる。
私も陽に近づく。
ようやく話せる距離まできて人の波の当たらない場所まで移動した。