小さく頭を振る。
こうなるとすぐに嫌な方向に思考がいくのだから。
今日だけでもそういうことは考えすに過ごそう。
「さぁ始まりました!向中学校第五十八回体育祭!盛り上がっていきましょう!」
明らかに教師ではない声が機械を通して周辺の民家まで響いた。
それに答える「おお!!」という声がバラバラに聞こえてくる。
休憩時間は完全に終わって、まさに体育祭という非日常的なこの雰囲気が私は好きだ。
「プログラム二番、僕らが体育祭を盛り上げる!勢いのある一年生による徒競走です!」
私の学校もそうだから、放送委員会の生徒だということは予想がついた。
マイクを通して声を届けるのに慣れているというか、機械越しの声は変声されて誰かわからなるせいで違和感がすごいのに、胸の引っ掛かりは少ない。
盛り上げようとする気持ちで大きい声を出してしまえば音割れもするけど、してないところを考えると自分の出す声の強弱もよくわかってる。
普通に楽しい体育祭もちょっとした言葉で笑いも起こって更に楽しくなる。
見る側からしても飽き飽きしなくてすごくいい。
YOASOBIの群青と共に、競技を行う生徒達の入場口と見られる場所から一年生が指定の位置まで小走りで移動していく。
赤、青、黄、緑、白のハチマキをつけた子達は不規則に列を作ってこれから走るトラックを一周した。
こちらからは誰にしているのかわからないが、陽は一年生の集団に向かって手を振っている。
部活か委員会か。
この間、陸上部と環境美化委員会に入っていると言っていたし、陽にだって可愛がっている後輩ぐらいいるだろう。
私は部活無所属の無役職の図書委員だから後輩と関わることなんて滅多にない。
一年生のほとんどは見知っているから顔と名前を一致させるだけなのに、関わることがないとその一致させる作業もしなくなる。
つまり、一年生の誰が誰なのか覚えられていない。
こうなるとすぐに嫌な方向に思考がいくのだから。
今日だけでもそういうことは考えすに過ごそう。
「さぁ始まりました!向中学校第五十八回体育祭!盛り上がっていきましょう!」
明らかに教師ではない声が機械を通して周辺の民家まで響いた。
それに答える「おお!!」という声がバラバラに聞こえてくる。
休憩時間は完全に終わって、まさに体育祭という非日常的なこの雰囲気が私は好きだ。
「プログラム二番、僕らが体育祭を盛り上げる!勢いのある一年生による徒競走です!」
私の学校もそうだから、放送委員会の生徒だということは予想がついた。
マイクを通して声を届けるのに慣れているというか、機械越しの声は変声されて誰かわからなるせいで違和感がすごいのに、胸の引っ掛かりは少ない。
盛り上げようとする気持ちで大きい声を出してしまえば音割れもするけど、してないところを考えると自分の出す声の強弱もよくわかってる。
普通に楽しい体育祭もちょっとした言葉で笑いも起こって更に楽しくなる。
見る側からしても飽き飽きしなくてすごくいい。
YOASOBIの群青と共に、競技を行う生徒達の入場口と見られる場所から一年生が指定の位置まで小走りで移動していく。
赤、青、黄、緑、白のハチマキをつけた子達は不規則に列を作ってこれから走るトラックを一周した。
こちらからは誰にしているのかわからないが、陽は一年生の集団に向かって手を振っている。
部活か委員会か。
この間、陸上部と環境美化委員会に入っていると言っていたし、陽にだって可愛がっている後輩ぐらいいるだろう。
私は部活無所属の無役職の図書委員だから後輩と関わることなんて滅多にない。
一年生のほとんどは見知っているから顔と名前を一致させるだけなのに、関わることがないとその一致させる作業もしなくなる。
つまり、一年生の誰が誰なのか覚えられていない。