エルはどうしようかと悩んでいた。そのため沈黙が続いている。
 だがこの沈黙にシルフィアは堪えらえなくなった。

 「ねぇ、いつまでも……こうしていたって仕方ないと思うんだけど」
 「シルフィア、ごめん。そうだな……話した方がいいか。ただこれを話すには、覚悟してほしい」
 「覚悟……どういう事? もしかして危険なことなの」

 そう聞かれエルは頷く。

 「危険だし、それだけじゃない。俺と契約を結ばないと、シルフィアの命が……」
 「それって……。エルの隠してることが、相当ヤバいんだよね」
 「うん、そうなる。もし仮に契約を結んだとしたら、シルフィアを縛ることになる」

 そう言われシルフィアは、不思議に思い首を傾げる。

 「縛るって……何を?」
 「行動とか……いやストレートに言えば、俺の眷属になるってことになる。そう言えば、だいたい察しがつくだろ」
 「そういう事かぁ。……じゃあエルは、神か悪魔のオーパーツを所持してるってことになるわね」

 シルフィアから出た言葉を聞きエルは驚いた。

 ――因みに神と悪魔のオーパーツは、魔導書だけじゃない。武器だったり防具やアイテムなど、色んな物がある。それらは、古より存在し未知の物とされていた。
 そのうえ噂だけで、本物をみた者がいるのかさえ本当なのか分かっていないのが現状である――

 そしてエルはその後シルフィアを真顔でみた。

 「そのことをどこで? って……なんで知ってるんだ!?」
 「冒険者をしてると、その噂を至るとこで聞くのよ。でも……エルがねぇ。どういう経緯かは分からないけど。そういう事なら、なんとなく理解したわ」

 そう言いシルフィアは、ふぅ~っと一息吐く。

 「そうなると……あの様子をみる限り、悪魔の方かな? そうだとしたら、余り気が進まないけど」
 「そうだな。だけど……」

 そうエルが悩んでいるとシルフィアは、溜息をついた。

 「エル、貴方が持っている物……何か分からない。そうねぇ……だけど、エルがそれを悪い方に使うようにも思えないし。分かったわ……契約を結ぶ。それにエルのことが心配だから」
 「シルフィア……本当にいいのか? 眷属になるってことは……」
 「そういう関係になるってことよね。特に男女の場合は……。だけど、エルならいいかな……」

 そう言いシルフィアは顔を赤らめる。
 それを聞きエルは戸惑った。

 「……俺はどうだろう。そう思ってくれるのは、凄く嬉しいけど。今は……」
 「エル……そうだね。でも、そのぐらいの覚悟がないと……契約は結べないでしょ」

 そう言うもシルフィアは、どことなく悲しそうである。

 「そうだな。じゃあ、本当にいいのか?」

 そう問われシルフィアは頷いた。

 「分かった。少し待って、確認したい」

 そう言いエルは目を閉じる。
 そう言われるもシルフィアは、なんのことか分からなかったが頷いた。

 (エル、確認って……なんだろう。私にじゃないみたいだけど……誰に?)

 そう思いシルフィアは困惑する。
 そしてシルフィアは、そうこう思考を巡らせながら待っていたのだった。