受付嬢が戻ってくるのを待ちながら、エルは考えている。

(この町に、あの冒険者が居るとは限らない。だけど、ここは大きなギルドだ。ここに居ないとしても、なんらかの情報が得られるかも)

 そうこう考えながら、どこか遠くをみていた。

「ラルギエ様。お待たせ致しました」

 その声を聞きエルは、カウンターの方へと向きを変える。
 受付嬢は書類とエルのミラルカードをカウンターの上に置いた。

「この書類に記入してください」

 そう言われエルは、軽く頷き書類に書き込む。

(相変わらず面倒だよなぁ。ギルドごとに書類、書かなきゃならないし……)

 そう思いながら書き込み、最後にサインをする。その後、記入し終えたことを受付嬢に伝えた。
 受付嬢はその書類を確認する。

「記入が漏れている所はありませんね。ただこれは規定ですので、いくつか確認させて頂きます」
「分かりました」

 そう言いエルは書類の方に視線を向けた。

「エル・ラルギエ、十八歳。ランクがブルーストーンですね。ミラルカードとも一致いたしました。カードの方はお返し致します」

 エルは受付嬢からカードを受け取りバッグの中に仕舞う。

 因みにギルドのランクは……。

 ・ホワイトストーン  ↓
 ・グレイストーン
 ・ブラックストーン
 ・ブルーストーン
 ・シルバーストーン
 ・ゴールドストーン
 ・レインボーストーン

 一番、低いランクがホワイトストーン。そして、レインボーストーンが最高位ランクだ。
 ランク付けは、仕事の質と量で判断し決められる。最初のランクは、ホワイトストーンからだ。

 周囲が、ざわつき始める。そう受付嬢が、エルのランクを言ったからだ。
 エルの年齢で、ブルーストーンのランクに上がれる者は殆どいないからである。
 近くに居る者の話し声がエルの耳に入ってきた。

(そんなに珍しいのか? ブルーストーンのランクって……)

 そう思うも聞かないフリをする。

「ラルギエ様。今日は、どうされますか?」
「そうだなぁ。元々ダグル迷宮のことを調べたくて、この町にきた。だから、それに関連した依頼があれば……」
「勿論、ありますよ。ただ殆どの依頼が……パーティーを組んでないと、無理だと思われます」

 それを聞きエルは、どうするか悩む。

「パーティーですか。俺のランクだと、単独で行える依頼がないんですね」
「あるのですが……。かなり退屈かと」
「どんな依頼ですか?」

 そう言いエルは受付嬢をみつめる。すると受付嬢の顔が赤くなった。

「はにゃい……。いえ……はい、依頼書の方を持って参りますので……お待ちくださいませ」

 受付嬢はそう言うと奥の方へと向かう。
 それを聞いたエルは、再びカウンターに背を向け寄りかかる。
 そして受付嬢が戻ってくるまでの間、ギルド内を観察していたのだった。