ピークが過ぎて今は午後9時。
店内は3人しか客がおらず、コーヒーを飲みながら課題をする大学生や嫁に会いたくないから漫画を読んで時間を潰すサラリーマン、柚花の事を気に入って仲良くなろうと毎日のように来るお兄さんだけだ。
「でさ、柚花ちゃん連絡先教えてくんない?」
毎日の様に仕事帰り?に来る、このお兄さん・・・身長180センチくらいのガタイで金髪にピアスをした少し厳つい輩みたいな人は柚花の事を気に入っているのか連絡先を毎日聞いてくる。
「んー。連絡先は知らなくても良いんじゃない?ここに来ればあたしに会えるんだし。」
こんな怖いチンピラにナンパされても柚花は動じず、それとなく連絡先を教えるのを断る。
この店の常連の若い人はだいたい柚花を気に入るし、柚花もよく連絡先を聞かれるから断るのも慣れた。
実はこのお兄さん・・・3年ほど前からこの店の常連となったが、今だに何をしているのか謎なのである。
とてもマトモな仕事が出来る風貌には見えず、お爺ちゃんが言うには近くのパチンコ屋で毎日見かけるとの事である。
じゃあなぜ仕事もしていないのにお金があるのだろうか・・・。
柚花は洗い物をしながらお兄さんに尋ねてみた。
「ねぇ、お兄さんはなんで毎回そんなにお金あるの?仕事してないって聞いたんだけど。毎日近くのパチンコ屋に入り浸っているらしいじゃん?」
柚花にそう聞かれたらお兄さんは笑顔で答えた。
「俺は仕事してるぜ?手っ取り早く大金稼げるバイトをしていてな!こないだなんて2時間程度の仕事で100万稼いだわ!はっはっは!たまんねぇぜ!」
大きな声で笑うお兄さんの声が店内に響く。
お兄さんの言葉に柚花はピクッと反応した。
お兄さんはもしかして今流行っている闇バイトをしているのではないかと少し心配になった。
「お兄さん・・・そのバイトどうやって見つけたの?」
少し興味有りそうなフリをしてお兄さんに近づく柚花。
するとお兄さんは柚花が近付いて来たことに嬉しくなったのか更に声が大きくなる。
「柚花ちゃんも興味あるの?実はさー!この求人サイト『WHITE求人』に載っていてさ!電話で応募するんだ!そんで実際にファミレスでお偉いさんに会って身分証明書と通帳とカードを渡すんだ。んで、しばらくしたら連絡が来て仕事をするわけ。仕事も支持してくれる人が現地に行ったらいるから簡単!」
バカデカい声でお兄さんは得意げに話しているけど・・・それ闇バイト確定してね?このお兄さん頭弱そうとは思っていたけど・・・ここまでとは思わなかった。
「お兄さん、その仕事辞めな?それ今流行りの闇バイトだよ?今まで何をやってきたのか知らないけど犯罪だよ?」
いつもニコニコしている柚花が珍しく真顔になって真剣な顔になってお兄さんを真っ直ぐと見つめる。
しかし、自分より年下の女の子に言われてお兄さんも「分かった」なんて言うわけもなかった。
「うるせーな!悪さしてないから別にいいんだよ!今日もコレから仕事なんだ!夜中の1時に琵琶湖で仕事があるんだよ!今回は20万の仕事!2時間程度の作業だし楽チンなんだよ!」
「2時間で20万も稼げる仕事なんておかしいと思わないの?」
「うるっせ!柚花ちゃんがそんなウザい女とは思わなかった!もう2度と来ないからな!」
そう言ってお兄さんは金も払わず店を出て行った。
お兄さんが店を出て行って柚花はしばらく考えた。
「お兄さんにこれ以上犯罪を犯さないでもらいたい・・・。顔見知りの常連に犯罪者が出るのは嫌だ。決めた!」
柚花はお兄さんの怪しい仕事を阻止することを決意した。本来なら放っておいた方が良いのかも知れない。
しかし、柚花は忍者。忍者の棟梁の家系である望月家の当主だ。
望月は犯罪を見逃すわけには行かない。
そして柚花は知り合いが犯罪に加担するのは見過ごせない。
店内は3人しか客がおらず、コーヒーを飲みながら課題をする大学生や嫁に会いたくないから漫画を読んで時間を潰すサラリーマン、柚花の事を気に入って仲良くなろうと毎日のように来るお兄さんだけだ。
「でさ、柚花ちゃん連絡先教えてくんない?」
毎日の様に仕事帰り?に来る、このお兄さん・・・身長180センチくらいのガタイで金髪にピアスをした少し厳つい輩みたいな人は柚花の事を気に入っているのか連絡先を毎日聞いてくる。
「んー。連絡先は知らなくても良いんじゃない?ここに来ればあたしに会えるんだし。」
こんな怖いチンピラにナンパされても柚花は動じず、それとなく連絡先を教えるのを断る。
この店の常連の若い人はだいたい柚花を気に入るし、柚花もよく連絡先を聞かれるから断るのも慣れた。
実はこのお兄さん・・・3年ほど前からこの店の常連となったが、今だに何をしているのか謎なのである。
とてもマトモな仕事が出来る風貌には見えず、お爺ちゃんが言うには近くのパチンコ屋で毎日見かけるとの事である。
じゃあなぜ仕事もしていないのにお金があるのだろうか・・・。
柚花は洗い物をしながらお兄さんに尋ねてみた。
「ねぇ、お兄さんはなんで毎回そんなにお金あるの?仕事してないって聞いたんだけど。毎日近くのパチンコ屋に入り浸っているらしいじゃん?」
柚花にそう聞かれたらお兄さんは笑顔で答えた。
「俺は仕事してるぜ?手っ取り早く大金稼げるバイトをしていてな!こないだなんて2時間程度の仕事で100万稼いだわ!はっはっは!たまんねぇぜ!」
大きな声で笑うお兄さんの声が店内に響く。
お兄さんの言葉に柚花はピクッと反応した。
お兄さんはもしかして今流行っている闇バイトをしているのではないかと少し心配になった。
「お兄さん・・・そのバイトどうやって見つけたの?」
少し興味有りそうなフリをしてお兄さんに近づく柚花。
するとお兄さんは柚花が近付いて来たことに嬉しくなったのか更に声が大きくなる。
「柚花ちゃんも興味あるの?実はさー!この求人サイト『WHITE求人』に載っていてさ!電話で応募するんだ!そんで実際にファミレスでお偉いさんに会って身分証明書と通帳とカードを渡すんだ。んで、しばらくしたら連絡が来て仕事をするわけ。仕事も支持してくれる人が現地に行ったらいるから簡単!」
バカデカい声でお兄さんは得意げに話しているけど・・・それ闇バイト確定してね?このお兄さん頭弱そうとは思っていたけど・・・ここまでとは思わなかった。
「お兄さん、その仕事辞めな?それ今流行りの闇バイトだよ?今まで何をやってきたのか知らないけど犯罪だよ?」
いつもニコニコしている柚花が珍しく真顔になって真剣な顔になってお兄さんを真っ直ぐと見つめる。
しかし、自分より年下の女の子に言われてお兄さんも「分かった」なんて言うわけもなかった。
「うるせーな!悪さしてないから別にいいんだよ!今日もコレから仕事なんだ!夜中の1時に琵琶湖で仕事があるんだよ!今回は20万の仕事!2時間程度の作業だし楽チンなんだよ!」
「2時間で20万も稼げる仕事なんておかしいと思わないの?」
「うるっせ!柚花ちゃんがそんなウザい女とは思わなかった!もう2度と来ないからな!」
そう言ってお兄さんは金も払わず店を出て行った。
お兄さんが店を出て行って柚花はしばらく考えた。
「お兄さんにこれ以上犯罪を犯さないでもらいたい・・・。顔見知りの常連に犯罪者が出るのは嫌だ。決めた!」
柚花はお兄さんの怪しい仕事を阻止することを決意した。本来なら放っておいた方が良いのかも知れない。
しかし、柚花は忍者。忍者の棟梁の家系である望月家の当主だ。
望月は犯罪を見逃すわけには行かない。
そして柚花は知り合いが犯罪に加担するのは見過ごせない。