物憂げなバイオリンで会場が静まり返った。聴衆の古傷をえぐるようにすすりなく。しかし鼓動を模したベースがぶんちゃっちゃと鳴り始めるとバイオリンも小刻みにリズムをつくりあげていく。それは王太子が孤軍奮闘する様を歌っていた。
「おおお!懐かしい!」という反応と、その選曲が意外すぎるといった反応があった。
続いて「ピアノの部の優秀作品「雨降りムーンライト」」の発表になる。
これも有名だ。
そのあと、ミュージカル「ライオンの子ども達」の上演。
その最後に、今年最も注目を集めた新人「ガールズユニット・モーニングブギーズ」のパフォーマンス。
大城は緊張のあまり足がガクブル状態になっていた。彼は「大城山の神様どうか俺の足を治してくれ!」と祈るような気持ちでステージへ上がった
(大丈夫!今までやってきたことを信じろ。自信を持て!大城山だって見守ってる!)大城は心の中で自分を励まし続けた。
いよいよ「大城山」のお披露目である。
司郎と智恵理が舞台に登場した。二人は目で合図すると司郎はギターをかき鳴らし、歌い始める
「大城山」が始まった。司郎と智恵理が歌う姿はとても美しかった
(やっぱり俺は間違ってなかった!お前らは最高に可愛いよ!愛してるよ!結婚しろよ!幸せになれよ!)
曲が終わり、二人が礼をする会場からは割れんばかりの拍手が起こった。
司会者も思わず「ありがとうございます!」と言い、会場のテンションはMAXに達する その後も次々と出演者たちが登場する 大城も出番が来るとマイクを持って挨拶を始める
「えーと初めまして、大城山の皆さん、大城山です!どうもこんにちは。えー本日はありがとうございます。あのですね、実は、私がここに立ってる理由っていうのがですね、私大城山っていう、山の神様やってるんですけど、あのー、あのーあれです。最近、あのですね。えっとね。何だっけ?そうそう。そうです。はい。そう、あのー。ほら何ですか。あのーあれですよね、何ていうか。そう、そう、何だろう?」
「おいおい何だこいつ?緊張のせいか喋れなくなってやがんぞww」
観客席からもどっと笑い声が上がった 大城は汗びしょびしょの状態でなんとか話をしようと試みるが上手くいかない。そんな時ふと大城の背後に巨大な「大城山」が現れた。それはまさしく大城そのものと言ってもいいほどの存在感をはなっていた 客席からどよめきが起きる
「何だ!?ありゃ?大城山じゃねえか?!」
「まさか大城山が現れるなんて!!」
司会が慌てて大城に質問した「あのーすいません大城山さんでよろしいでしょうか」
「はい。あの、そうですね」
大城はなぜか落ち着かない様子だった 司会は「あの大城山さんの名前の由来などお伺いしてもよろしいでしょうか」
「あのですね、あの山の名前ってのは、えっと、あのその、あのー大城山、じゃなくて、そのー大城山ってのはーその、あーそのねー大城山っていうー、そのーね」大城が必死に言葉を繋げようとしていると、「大城山」が舞台上に現れ大城の前に立つとその顔を見下ろしながら言う「お前には才能があるようだ。大城山という名前をくれてやる。大城山に尽くせ!」「はい!大城山!俺にできることなら何でもやりまっす!」「よし、大城山、行ってこい!」
大城は光の中に吸い込まれていった。
舞台裏に「モーニングブギ」が流れると、そこには司郎と智恵理が居た。
「大城山先輩!」
「よくやったな」
「これからは私たちの時代だぜ。なーちゃん」
「うん。これからも二人で力を合わせて頑張ろうね」
二人は手を取り合い、新たな時代の幕開けを見届けていた 大城山が「お告げ」をするようになった ある晴れ渡った日曜日、いつものように「大城山」を訪れていた「お爺さん」が言った。
「今度の日曜日に何かいいことがある」
大城は驚いた。「どうしてわかったんですか」と尋ねると、老人は笑っていった「私は神様だからわかるんだ」
その日の夕方。再び訪れた「お婆さん」も同じように言った「次の日曜には、子供が生まれるわ」
さらにその翌日の早朝。大城がいつものように神社へ向かうと「お姉さん」も待っていた。
大城は「昨日、子供が生まれたって聞きましたよ」と言った
しかし「まだ生まれてないですよ」という。そこで試してみることにした 大城:もしもし、お婆さん、今、何してます?
(あっお兄ちゃん?いまねぇ。赤ちゃんのところに来てます。ほらもうすぐ生まれるんだよ。見て!可愛いでしょ)
「大城山のお告げだ!」大城は驚いて叫んだ その夜 また大城が訪れた「今度は誰でしょう?」
「あなたはもしかして?」
「そう。私もあの山の一部です。でも大城山じゃない」
(あらそう?)
翌朝「ミュージック&ダンススクール発表会2020」では出演者全員が集まって最後のリハーサルが行われた。
会場の照明が落ちるとスポットライトを浴びながら司会者が登場しマイクを片手に大城がステージに上がっていく
「みなさんこんばんは、ミュージック&ダンススクール発表会の司会者の大城司郎と…」
「おおお!懐かしい!」という反応と、その選曲が意外すぎるといった反応があった。
続いて「ピアノの部の優秀作品「雨降りムーンライト」」の発表になる。
これも有名だ。
そのあと、ミュージカル「ライオンの子ども達」の上演。
その最後に、今年最も注目を集めた新人「ガールズユニット・モーニングブギーズ」のパフォーマンス。
大城は緊張のあまり足がガクブル状態になっていた。彼は「大城山の神様どうか俺の足を治してくれ!」と祈るような気持ちでステージへ上がった
(大丈夫!今までやってきたことを信じろ。自信を持て!大城山だって見守ってる!)大城は心の中で自分を励まし続けた。
いよいよ「大城山」のお披露目である。
司郎と智恵理が舞台に登場した。二人は目で合図すると司郎はギターをかき鳴らし、歌い始める
「大城山」が始まった。司郎と智恵理が歌う姿はとても美しかった
(やっぱり俺は間違ってなかった!お前らは最高に可愛いよ!愛してるよ!結婚しろよ!幸せになれよ!)
曲が終わり、二人が礼をする会場からは割れんばかりの拍手が起こった。
司会者も思わず「ありがとうございます!」と言い、会場のテンションはMAXに達する その後も次々と出演者たちが登場する 大城も出番が来るとマイクを持って挨拶を始める
「えーと初めまして、大城山の皆さん、大城山です!どうもこんにちは。えー本日はありがとうございます。あのですね、実は、私がここに立ってる理由っていうのがですね、私大城山っていう、山の神様やってるんですけど、あのー、あのーあれです。最近、あのですね。えっとね。何だっけ?そうそう。そうです。はい。そう、あのー。ほら何ですか。あのーあれですよね、何ていうか。そう、そう、何だろう?」
「おいおい何だこいつ?緊張のせいか喋れなくなってやがんぞww」
観客席からもどっと笑い声が上がった 大城は汗びしょびしょの状態でなんとか話をしようと試みるが上手くいかない。そんな時ふと大城の背後に巨大な「大城山」が現れた。それはまさしく大城そのものと言ってもいいほどの存在感をはなっていた 客席からどよめきが起きる
「何だ!?ありゃ?大城山じゃねえか?!」
「まさか大城山が現れるなんて!!」
司会が慌てて大城に質問した「あのーすいません大城山さんでよろしいでしょうか」
「はい。あの、そうですね」
大城はなぜか落ち着かない様子だった 司会は「あの大城山さんの名前の由来などお伺いしてもよろしいでしょうか」
「あのですね、あの山の名前ってのは、えっと、あのその、あのー大城山、じゃなくて、そのー大城山ってのはーその、あーそのねー大城山っていうー、そのーね」大城が必死に言葉を繋げようとしていると、「大城山」が舞台上に現れ大城の前に立つとその顔を見下ろしながら言う「お前には才能があるようだ。大城山という名前をくれてやる。大城山に尽くせ!」「はい!大城山!俺にできることなら何でもやりまっす!」「よし、大城山、行ってこい!」
大城は光の中に吸い込まれていった。
舞台裏に「モーニングブギ」が流れると、そこには司郎と智恵理が居た。
「大城山先輩!」
「よくやったな」
「これからは私たちの時代だぜ。なーちゃん」
「うん。これからも二人で力を合わせて頑張ろうね」
二人は手を取り合い、新たな時代の幕開けを見届けていた 大城山が「お告げ」をするようになった ある晴れ渡った日曜日、いつものように「大城山」を訪れていた「お爺さん」が言った。
「今度の日曜日に何かいいことがある」
大城は驚いた。「どうしてわかったんですか」と尋ねると、老人は笑っていった「私は神様だからわかるんだ」
その日の夕方。再び訪れた「お婆さん」も同じように言った「次の日曜には、子供が生まれるわ」
さらにその翌日の早朝。大城がいつものように神社へ向かうと「お姉さん」も待っていた。
大城は「昨日、子供が生まれたって聞きましたよ」と言った
しかし「まだ生まれてないですよ」という。そこで試してみることにした 大城:もしもし、お婆さん、今、何してます?
(あっお兄ちゃん?いまねぇ。赤ちゃんのところに来てます。ほらもうすぐ生まれるんだよ。見て!可愛いでしょ)
「大城山のお告げだ!」大城は驚いて叫んだ その夜 また大城が訪れた「今度は誰でしょう?」
「あなたはもしかして?」
「そう。私もあの山の一部です。でも大城山じゃない」
(あらそう?)
翌朝「ミュージック&ダンススクール発表会2020」では出演者全員が集まって最後のリハーサルが行われた。
会場の照明が落ちるとスポットライトを浴びながら司会者が登場しマイクを片手に大城がステージに上がっていく
「みなさんこんばんは、ミュージック&ダンススクール発表会の司会者の大城司郎と…」