その後もいくつかの質問があったがどれもはっきりしたものはなく謎に包まれたままである 智恵理の家でもまた同じことが起こっているようであった「あの、お母さんこれ」と智恵理の母に何かを見せているようである。「あなたまた何かしたの」母があきれたように聞くと「だってぇ」智恵理は泣きそうな顔で言った その手に握られていたのは「モーニングブギ」の歌詞が書かれたメモ用紙であった 東京から静岡にかけて広がる「大災害」、「富士山の噴火」、「大地震の誘発」、それらによって引き起こされる「経済破綻」など 富士山を中心とした日本の社会システムが崩壊した後の日本列島を予想する、大予言番組「ノストラダムス大全2020～2021年、日本列島滅亡編」のスタジオに司郎の姿もあった。
司郎のスタジオデビューがこの番組に決まったのだ。スタジオ内では司郎を応援するための「ブン！」が鳴り響きまくっている。「おはようございます。司会を務めます、大城です」大城は元気よく挨拶をする
「まず、司郎君がスタジオに入るのは初めてなので、簡単なご説明から始めます。」
そう言って彼はシミュレーション結果の解説を始めた。
富士山の噴火後、東京、特に都心部で地震が多発し、富士山の爆発で吹き飛んだ灰による二次被害と合わさって東日本が大変なことになってしまったのだった。その後富士山周辺の気温が上昇することで大異変が起こった。東日本では夏になると異常気象が頻発して「真冬並みに寒い春」や「夏のくせに冬の寒さ」が続いた。富士山が活動を再開したことで首都圏の大停電が起こってしまったのである。そしてついに「小噴火」が起きたのだった。これにより東日本で深刻なインフラ被害を受けることはなく東日本は「奇跡的に」救われた。その後、「小噴火」の震源地と思しき場所でも再び富士山の「噴火」があった。こうして富士山の活動が活発になっていくにつれて、各地で火山噴火が頻発するようになると同時に日本全国で火山活動が激化していくことになるのだった……。
一方東京では、「大爆発」、「大火災」が発生した。東京タワー周辺で発生した「大火事」と丸の内周辺で発生した「超大火災」によって東京駅周辺は壊滅的なダメージを受けることになる。東京駅構内でも火災が発生し、新幹線のプラットホームは大混乱に陥ることとなった。その後富士山の爆発が東京駅周辺に影響を及ぼすことになる。富士山周辺の気温が上昇した影響で東京周辺の大気の状態が悪化したためである。さらに東京近郊の温泉地の気温が上昇したことで温泉が噴き出したため「温泉大災害」が引き起こされる。これによって関東地方の交通は寸断されてしまう。これらの「大爆発」「大火」「超爆発」などの活動によって甚大な被害が発生していく。その後東京でも大規模な噴火が起き、その影響で関東一帯は火山灰で覆われることになった。また、東京周辺では気温の上昇が深刻化した。
さらに、東京の気温上昇の影響で、農作物が不作に陥り、食糧不足に陥った。食料を巡って争いが絶えなくなるとともに、日本各地に飢饉が発生するようになる。やがて東北一帯にも影響を与え始め、東北地方に飢饉を生じさせる事態にまで発展した。
東日本の火山噴火の影響は、西日本にも影響を与えた。各地で地震や津波による被害が続出し、多くの犠牲者を出した。九州北部でも「噴火」が頻発するようになり、死者の数は全国で100万人を超えた。
東日本の火山噴火と、富士山周辺の気温が上昇したことによる影響で東日本と東日本の火山付近は「小氷河期」に突入する。
東日本では、火山灰が降り積もり、樹木や草花などの植物が育たなくなった。
関東平野の中央部に位置する江戸には、大量の土砂が流れ込み、海を埋め尽くすほどの大干潟が形成された。その結果、江戸の町の大半が水の底に沈むことになった。
また、東京都心においても、ビルや道路、鉄道などの被害は甚大なもので、首都機能は麻痺状態に陥った。「大災害」は、東日本の主要都市だけでなく、世界各地へも波及した。
中国東北部の日本海に面した都市、ウラジオストクも壊滅的打撃を受けた。
「大噴火」は東アジア全域に影響を及ぼした。朝鮮半島では済州島の「大噴火」が発生、韓国全土で大きな被害が生じた。
インド、パキスタン国境付近のカシミール地方においては「大噴火」が連続発生、両国で多数の死傷者が出た。
イラン、イラク、クウェート、サウジアラビア、カタール、バーレーン、オマーン、アラブ首長国連邦、トルコ、ギリシャ、ブルガリア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロ、マケドニア共和国、ルーマニア、ハンガリー、スロバキア、ウクライナ、ベラルーシでは、大噴火とそれに伴う「大洪水」が発生した。
ロシアでは、サハリン島北部の「大噴火」に続いて、カムチャツカ半島南部で「大噴火」が発生した。
と、まあ、散々たる予想結果となったようだ。