「なに、あゆむ~。彼氏に仕返ししたの?」
「見た見た~。強烈じゃーん」

 教室に入るなり、仲の良い友だち達が声をかけてきた。
 みんな朝一番にちゃんとチェックしてるんだ。
 思わず私は苦笑いを浮かべる。

「だってこっちは朝まで向こうからの電話待ってたんだよ」
「何それー。めっちゃ健気」
「でしょう? おかげで完徹だし」
「うわぁ、サイテー」
「でしょう?」
「んで、SNSで振ったの?」
「そそ。元々、そこでの出会いだし。あれだけ書き込んで、全部着拒しといたー」
「ま、こんな健気なコを泣かせたんだ。仕方ないねー」
「泣いてないし」

 そうは言ってみたものの、腫れた目は隠せるはずもなかった。
 それでもみんなはただ温かく、私の失恋を笑い飛ばしてくれていた。

 だからこそ――
『やすらはで寝なましものをさ夜ふけて 傾ぶくまでの月をみしかな』

 省みてくれないような男なら、もう次からは朝まで待って泣くことは辞めることにした。