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 繰り返し思うが、彼の第一印象は最悪極まりなかった。

 これだけ聞けば、少女漫画でよくある、大嫌いなはずのアイツを好きになっちゃった! みたいな展開のようだけれど、私たちの出会いは、そんなほのぼのとした、ありきたりなものではない。

 私は、当時指名手配されていた彼に夜道で刺されて、殺されかけた。
 それが永遠の幸福の始まりだったんだ——。