「あんたの名前は?」
ふわり、丁寧に紡がれた言葉。
その声が安心するぐらい聞き心地が良くて。
「.........っ、そのだ、めいか、です、明るいに、花で、明花。名前負け、してますよね、」
ゆっくりと、自分の名前を口にした。
聞かれてもいないのに、
名前負けしてることまで伝えると。
「明花ね、覚えた。
ちなみに、俺は名前負けとは思ってねーよ」
男の子.....................銭さんは笑った。
そして、ポンッと私の頭に乗っかった手。
そうして、そのまま........................
「見向きもされねーのに、必死に、
落とした小銭追いかけるなんてできねーよ」
──────そう、口にした。