***
男の子とやってきたのは、
学校と反対方向に10駅のところ。
場所は、カフェ。
なんだか、隠れ家のようなカフェで。
名前は、
カフェR'Boaというらしい。
「奢るけど、どれ食いたい?」
メニュー表を開いた男の子は、
私にそう問いかけてきているけど。
名前も知らない男の子に、
奢って貰うわけにもいかなくて。
「..................、り、です、」
〝無理です〟
そう、小さく口に出した。
だけど....................................
「ごめん。聞こえなかった」
私の声は小さ過ぎて、
男の子には届いていなかった............