「あっ、えっ..................!?」



朝の駅のホームの、
自動販売機の前、声が漏れて。



(しまった!)



──────そう思った時にはもう遅かった。



私の財布から落ちて........................



どこまでも、
コロコロと転がっていくのは小銭。



1円玉に、5円玉。



それだけじゃなくって、
10円玉も、50円玉も、100円玉まである。



私は、苑田明花(そのだめいか)は、
つい先ほど、小銭、落としました。



今は、1人でひたすら、
小銭を追いかけているところ。



世間なんて冷たくて。



誰も助けてくれないから。



1人で追いかけていて、
〝何も〟気づかなかった.....................