「いま棒を立てた範囲を大麦畑にするのですか?」
『第一段階ではその程度でいいのじゃないかしら? 大麦の収穫ってそれなりに大変だし』
「わかりました。イメージもマインから頂きましたし、サクッとやっちゃいますね」
フロレンシオから帰ってきた翌日、早速畑作りのスタートです。
最初は大麦用の畑から。
想像していたより狭いようですが、フロレンシオで買ってきた麦の量を考えるとこの程度の広さ分しかまけないそうです。
最初はお試しでしょうし我慢してもらいましょう。
「では始めます。……できました」
『さすがは創造魔法。イメージさえあれば作るのも早いわ』
「まあ、土を耕すだけですから。村でもたいして役に立っていなかったとはいえ小麦畑で働いていましたし」
『そうだったわね。ベニャトたち、大麦をまきなさい。土地に栄養はもう与えたわ。大麦をまき終わったら私が収穫できるところまで成長させてあげる。早くなさいな』
「はい、メイヤ様!」
ドワーフたちがほとんど総出で大麦をまき始めました。
そんなにお酒が飲みたかったんですかね……?
『まき終わった? じゃあ成長させてあげる』
「おお、大麦畑が!」
『神樹の聖霊にとっては造作もないことよ。次はホップ畑を作るからそっちの人員を残して大麦を収穫しておきなさい』
次はホップ畑ですか。
そちらのイメージはメイヤからもらいました。
畑を耕したら支柱を用意するんですね。
どんな植物なのでしょう?
まずは畑を耕して……。
「メイヤ、支柱はこれくらいの高さですか?」
『そうね。それくらいの高さが必要だわ』
「これ、ドワーフたちが収穫するのは大変じゃないですか? 僕の背丈よりも高いですよ?」
『そこは踏み台なりなんなりを用意してもらって収穫してもらいましょう。物作りはドワーフの得意分野なのだし』
「メイヤ、昨日から投げやりになってませんか?」
『私、別にお酒には興味ないから』
「そうですか。それで、この次は?」
『ドワーフたち、ホップの苗を支柱の根元に植えていって』
「はい!」
今回もまたせっせと苗を植えて回るドワーフたち。
作業を終わらせるにはそれなりの時間がかかりましたが、すべての苗を植え終えた用です。
『それじゃあ、苗を育てるわ。蔓が伸び始めるからそれを支柱に右回りで巻き付けていきなさい。絡まらないように注意するのよ』
メイヤが声をかけると本当に苗から蔓が伸び始めました。
ドワーフたちはせっせと伸びてくる蔓を支柱に巻き付けていき、ある程度まで伸びきるとそこで伸びなくなりました。
ドワーフたちの身長ではぎりぎり手が届くくらいの長さまで成長しているのですが……。
『それじゃあ、ホップの実をつけさせるわ。シント、踏み台を作ってあげて』
「構いませんが……なんのために?」
『ホップの実って先端付近に実るのよ。ドワーフたちの身長じゃ十分に収穫できやしないわ』
「なるほど。少し多めに踏み台を用意しましょう」
ドワーフたちが持ち運びやすくそれなりに頑丈とするため鉄の踏み台を複数用意しました。
不満があれば彼らがいくらでも作り替えるでしょうし今日はこれで我慢してもらいましょう。
『それじゃあ実を実らせるわ』
メイヤが宣言すると蔓の先端に丸い玉のようなものができていきました。
あれがホップの実?
『それがホップの実、毬花よ。ドワーフたちはそれを収穫して回りなさいな』
「はい、メイヤ様!」
『それじゃあ、午前中はここまでね。午後になったらブドウ畑も作ってあげる』
どうやら午前の作業はここまでのようです。
ドワーフたちも大麦やホップの収穫で忙しそうですからね。
ブドウまで育てても収穫できないでしょう。
『それじゃあ、シント戻りましょう。午前中は時間が余ってしまったけれどどうするの?』
「訓練をしてきます。勘が鈍ってもいけません」
『わかったわ。お昼を食べたらブドウ園作りね』
「畑ではないのですか?」
『ブドウは果物だもの。果樹園の一部よ。そう考えると種を持ち帰ってシントやリン、ディーヴァにミンストレルのおやつ用にも作りましょうか』
「僕はどちらでも構わないのですがミンストレルには喜んでもらいたいですからね。そうさせていただきましょう」
『今回、護衛に着いた報酬として少しブドウの種は分けてもらいましょうか。ドワーフはあまりワインを飲まないと聞くし』
「そうなんですか?」
『私が聞いた話だとエールの方が好きだそうよ。とりあえず、あなたは訓練に行ってきなさいな』
「そうさせてもらいます。それでは、また」
『ええ、昼食の時に会いましょう』
僕はメイヤと別れて訓練場へ。
そこではリンとヴォルケーノボムが激しい戦闘を行っていました。
……僕が音楽堂を建てるため、1カ月ほど離れている間にそこまで差をつけられてしまいましたか。
ともかく、僕も戦闘訓練に加わり昼食時間まで訓練を継続。
そのあとふたりで昼食を食べにメイヤの元へと向かい、ディーヴァとミンストレルとも合流しました。
そして、昼食を食べ終えたあとメイヤからひとつ提案が出ます。
『みんな、午後は時間を空けられる?』
「私は訓練だけの予定でしたので大丈夫です、メイヤ様」
「私とミンストレルも歌の練習でした」
『それじゃあ、シントと一緒にブドウ園作りに行きましょう。実ったブドウを少し分けてもらって食べましょうか』
「ブドウとはそのまま食べられるのですか、メイヤ様」
『果物だから大丈夫よ。ワインにするときは発酵という工程を行うの。エールとは違って素材そのものを果物として食べられるから今日はドワーフたちのブドウ園で分けてもらいましょう。そのときに種も少し分けてもらってこの近くにあなた方用のブドウ園も作るわ』
「ありがとうございます、メイヤ様」
「ありがとう、メイヤ様!」
『ディーヴァもミンストレルもそこまでかしこまらなくていいわよ。発端はドワーフたちの要求なのだもの。では行きましょうか』
メイヤも含め5人でドワーフたちの居住地近くに作った畑に向かうことに。
畑では……ドワーフたちの人数が減っているような?
『あら? ベニャト、ドワーフの人数が減っているけれどどうして?』
「ノーム様にお手伝いいただきエールを作れる状態にしていただきました。減った者たちはエールの醸造を始めております」
『……醸造用の装置、もうできていたのね?』
「ワイン用はまだ完成しておりません。明日にはワイン用も完成いたします」
『……好きになさいな。それで、あなたが買ってきたブドウの種だけれど少し分けてもらえる? この子たちようにブドウ園を作ってあげたいの』
「構いませんが……メイヤ様はブドウの種を作ることができるのでは?」
『……そうだったわね。品種改良もできるし、生で食べるわけだからそちらに適したブドウを作ってしまいましょう。それで、ブドウ作りだけど足場がないとあなた方では届かないのは知っているわよね?』
「もちろんです。急場しのぎではありますが踏み台は用意してあります」
『それ、午前中のホップ収穫でも使ってもらいたかったわ。ともかく、ブドウ園作りね。シント、イメージを送るからその通りに土地を耕して支柱とかを用意して』
「わかりました。……この天井の網は?」
『ブドウの蔓を巻き付けるためのものよ。とりあえず初めて』
「はい」
僕はメイヤのイメージ通り土地を耕し、支柱と網を作りました。
そこにドワーフたちが種を植えて回り、それが終わるとメイヤがブドウを育て始めます。
ブドウって木なんですね。
でも……ときどき枝が勝手に落ちるのはなぜでしょうか?
「メイヤ、枝がときどき切り離されていますがあれは?」
『〝剪定〟という作業よ。ドワーフたちは知らないだろうし、私がすべてやってしまっているの。さて、木も伸びきったことだし蔓を巻き付けようかしら』
「今回はドワーフたちに任せないんですね」
『あの高さを任せていたら夕暮れまでかかるもの』
……確かに、僕の背丈で手を伸ばしてやっとですからね。
僕よりも身長の低いドワーフではどうにもできませんか。
メイヤの力で木から蔓が伸び始め、網に巻き付いていきます。
そして、巻き付き終わるとそこから垂れ下がるように粒のようなものがたくさんができてきました。
これがブドウの実でしょうか?
『さて、ブドウも実らせ終わったわ。白ブドウと赤ブドウ、両方の種を渡されていたようね。とりあえず収穫なさいな。シントたちも混ざりなさい。ブドウの実は房の上から切り落とすの。シント、私の送ったイメージの道具を3つ用意してリンとディーヴァに渡してあげなさいな』
「わかりました。リン、ディーヴァ、これを」
「うん。これってどう使うのでしょう、メイヤ様」
『切り落とすものを間に挟んで閉めるのよ。まあ試してみなさい。採取したブドウはミンストレルにも分けてあげてね』
「わかっています。始めましょう、ふたりとも」
僕たちはブドウの実をいくつか切り取り、ミンストレルにも分けてあげました。
ブドウはこの粒の部分を食べるようですね。
皮は渋いらしいので剥いて食べる方がいいそうですが……小粒で剥くのが大変そうです。
行儀が悪いですが口の中で噛んでから皮だけを取り出してしまいましょう。
「うわー! 甘酸っぱくて美味しい!」
「本当ですね。あのワインの原料がこんなに美味しいだなんて」
「美味しいね。シントはどう思う?」
「美味しいですよ。確かにこれは神樹の側にもほしいです」
『品種改良したブドウを育てさせてあげるから数日待って。もっと美味しくて食べやすいブドウにしてあげる』
「うん!」
「ありがとうございます、メイヤ様」
僕たちがあまりブドウを取り過ぎてもいけないのであとはドワーフたちに任せて作業は終了。
ベニャトからは「数日後に酒を造って宴をするからシントとリンも来てくれ」と言われましたが大丈夫でしょうか?
メイヤも止めなかったと言うことは大丈夫だと信じたいのですが……。
『第一段階ではその程度でいいのじゃないかしら? 大麦の収穫ってそれなりに大変だし』
「わかりました。イメージもマインから頂きましたし、サクッとやっちゃいますね」
フロレンシオから帰ってきた翌日、早速畑作りのスタートです。
最初は大麦用の畑から。
想像していたより狭いようですが、フロレンシオで買ってきた麦の量を考えるとこの程度の広さ分しかまけないそうです。
最初はお試しでしょうし我慢してもらいましょう。
「では始めます。……できました」
『さすがは創造魔法。イメージさえあれば作るのも早いわ』
「まあ、土を耕すだけですから。村でもたいして役に立っていなかったとはいえ小麦畑で働いていましたし」
『そうだったわね。ベニャトたち、大麦をまきなさい。土地に栄養はもう与えたわ。大麦をまき終わったら私が収穫できるところまで成長させてあげる。早くなさいな』
「はい、メイヤ様!」
ドワーフたちがほとんど総出で大麦をまき始めました。
そんなにお酒が飲みたかったんですかね……?
『まき終わった? じゃあ成長させてあげる』
「おお、大麦畑が!」
『神樹の聖霊にとっては造作もないことよ。次はホップ畑を作るからそっちの人員を残して大麦を収穫しておきなさい』
次はホップ畑ですか。
そちらのイメージはメイヤからもらいました。
畑を耕したら支柱を用意するんですね。
どんな植物なのでしょう?
まずは畑を耕して……。
「メイヤ、支柱はこれくらいの高さですか?」
『そうね。それくらいの高さが必要だわ』
「これ、ドワーフたちが収穫するのは大変じゃないですか? 僕の背丈よりも高いですよ?」
『そこは踏み台なりなんなりを用意してもらって収穫してもらいましょう。物作りはドワーフの得意分野なのだし』
「メイヤ、昨日から投げやりになってませんか?」
『私、別にお酒には興味ないから』
「そうですか。それで、この次は?」
『ドワーフたち、ホップの苗を支柱の根元に植えていって』
「はい!」
今回もまたせっせと苗を植えて回るドワーフたち。
作業を終わらせるにはそれなりの時間がかかりましたが、すべての苗を植え終えた用です。
『それじゃあ、苗を育てるわ。蔓が伸び始めるからそれを支柱に右回りで巻き付けていきなさい。絡まらないように注意するのよ』
メイヤが声をかけると本当に苗から蔓が伸び始めました。
ドワーフたちはせっせと伸びてくる蔓を支柱に巻き付けていき、ある程度まで伸びきるとそこで伸びなくなりました。
ドワーフたちの身長ではぎりぎり手が届くくらいの長さまで成長しているのですが……。
『それじゃあ、ホップの実をつけさせるわ。シント、踏み台を作ってあげて』
「構いませんが……なんのために?」
『ホップの実って先端付近に実るのよ。ドワーフたちの身長じゃ十分に収穫できやしないわ』
「なるほど。少し多めに踏み台を用意しましょう」
ドワーフたちが持ち運びやすくそれなりに頑丈とするため鉄の踏み台を複数用意しました。
不満があれば彼らがいくらでも作り替えるでしょうし今日はこれで我慢してもらいましょう。
『それじゃあ実を実らせるわ』
メイヤが宣言すると蔓の先端に丸い玉のようなものができていきました。
あれがホップの実?
『それがホップの実、毬花よ。ドワーフたちはそれを収穫して回りなさいな』
「はい、メイヤ様!」
『それじゃあ、午前中はここまでね。午後になったらブドウ畑も作ってあげる』
どうやら午前の作業はここまでのようです。
ドワーフたちも大麦やホップの収穫で忙しそうですからね。
ブドウまで育てても収穫できないでしょう。
『それじゃあ、シント戻りましょう。午前中は時間が余ってしまったけれどどうするの?』
「訓練をしてきます。勘が鈍ってもいけません」
『わかったわ。お昼を食べたらブドウ園作りね』
「畑ではないのですか?」
『ブドウは果物だもの。果樹園の一部よ。そう考えると種を持ち帰ってシントやリン、ディーヴァにミンストレルのおやつ用にも作りましょうか』
「僕はどちらでも構わないのですがミンストレルには喜んでもらいたいですからね。そうさせていただきましょう」
『今回、護衛に着いた報酬として少しブドウの種は分けてもらいましょうか。ドワーフはあまりワインを飲まないと聞くし』
「そうなんですか?」
『私が聞いた話だとエールの方が好きだそうよ。とりあえず、あなたは訓練に行ってきなさいな』
「そうさせてもらいます。それでは、また」
『ええ、昼食の時に会いましょう』
僕はメイヤと別れて訓練場へ。
そこではリンとヴォルケーノボムが激しい戦闘を行っていました。
……僕が音楽堂を建てるため、1カ月ほど離れている間にそこまで差をつけられてしまいましたか。
ともかく、僕も戦闘訓練に加わり昼食時間まで訓練を継続。
そのあとふたりで昼食を食べにメイヤの元へと向かい、ディーヴァとミンストレルとも合流しました。
そして、昼食を食べ終えたあとメイヤからひとつ提案が出ます。
『みんな、午後は時間を空けられる?』
「私は訓練だけの予定でしたので大丈夫です、メイヤ様」
「私とミンストレルも歌の練習でした」
『それじゃあ、シントと一緒にブドウ園作りに行きましょう。実ったブドウを少し分けてもらって食べましょうか』
「ブドウとはそのまま食べられるのですか、メイヤ様」
『果物だから大丈夫よ。ワインにするときは発酵という工程を行うの。エールとは違って素材そのものを果物として食べられるから今日はドワーフたちのブドウ園で分けてもらいましょう。そのときに種も少し分けてもらってこの近くにあなた方用のブドウ園も作るわ』
「ありがとうございます、メイヤ様」
「ありがとう、メイヤ様!」
『ディーヴァもミンストレルもそこまでかしこまらなくていいわよ。発端はドワーフたちの要求なのだもの。では行きましょうか』
メイヤも含め5人でドワーフたちの居住地近くに作った畑に向かうことに。
畑では……ドワーフたちの人数が減っているような?
『あら? ベニャト、ドワーフの人数が減っているけれどどうして?』
「ノーム様にお手伝いいただきエールを作れる状態にしていただきました。減った者たちはエールの醸造を始めております」
『……醸造用の装置、もうできていたのね?』
「ワイン用はまだ完成しておりません。明日にはワイン用も完成いたします」
『……好きになさいな。それで、あなたが買ってきたブドウの種だけれど少し分けてもらえる? この子たちようにブドウ園を作ってあげたいの』
「構いませんが……メイヤ様はブドウの種を作ることができるのでは?」
『……そうだったわね。品種改良もできるし、生で食べるわけだからそちらに適したブドウを作ってしまいましょう。それで、ブドウ作りだけど足場がないとあなた方では届かないのは知っているわよね?』
「もちろんです。急場しのぎではありますが踏み台は用意してあります」
『それ、午前中のホップ収穫でも使ってもらいたかったわ。ともかく、ブドウ園作りね。シント、イメージを送るからその通りに土地を耕して支柱とかを用意して』
「わかりました。……この天井の網は?」
『ブドウの蔓を巻き付けるためのものよ。とりあえず初めて』
「はい」
僕はメイヤのイメージ通り土地を耕し、支柱と網を作りました。
そこにドワーフたちが種を植えて回り、それが終わるとメイヤがブドウを育て始めます。
ブドウって木なんですね。
でも……ときどき枝が勝手に落ちるのはなぜでしょうか?
「メイヤ、枝がときどき切り離されていますがあれは?」
『〝剪定〟という作業よ。ドワーフたちは知らないだろうし、私がすべてやってしまっているの。さて、木も伸びきったことだし蔓を巻き付けようかしら』
「今回はドワーフたちに任せないんですね」
『あの高さを任せていたら夕暮れまでかかるもの』
……確かに、僕の背丈で手を伸ばしてやっとですからね。
僕よりも身長の低いドワーフではどうにもできませんか。
メイヤの力で木から蔓が伸び始め、網に巻き付いていきます。
そして、巻き付き終わるとそこから垂れ下がるように粒のようなものがたくさんができてきました。
これがブドウの実でしょうか?
『さて、ブドウも実らせ終わったわ。白ブドウと赤ブドウ、両方の種を渡されていたようね。とりあえず収穫なさいな。シントたちも混ざりなさい。ブドウの実は房の上から切り落とすの。シント、私の送ったイメージの道具を3つ用意してリンとディーヴァに渡してあげなさいな』
「わかりました。リン、ディーヴァ、これを」
「うん。これってどう使うのでしょう、メイヤ様」
『切り落とすものを間に挟んで閉めるのよ。まあ試してみなさい。採取したブドウはミンストレルにも分けてあげてね』
「わかっています。始めましょう、ふたりとも」
僕たちはブドウの実をいくつか切り取り、ミンストレルにも分けてあげました。
ブドウはこの粒の部分を食べるようですね。
皮は渋いらしいので剥いて食べる方がいいそうですが……小粒で剥くのが大変そうです。
行儀が悪いですが口の中で噛んでから皮だけを取り出してしまいましょう。
「うわー! 甘酸っぱくて美味しい!」
「本当ですね。あのワインの原料がこんなに美味しいだなんて」
「美味しいね。シントはどう思う?」
「美味しいですよ。確かにこれは神樹の側にもほしいです」
『品種改良したブドウを育てさせてあげるから数日待って。もっと美味しくて食べやすいブドウにしてあげる』
「うん!」
「ありがとうございます、メイヤ様」
僕たちがあまりブドウを取り過ぎてもいけないのであとはドワーフたちに任せて作業は終了。
ベニャトからは「数日後に酒を造って宴をするからシントとリンも来てくれ」と言われましたが大丈夫でしょうか?
メイヤも止めなかったと言うことは大丈夫だと信じたいのですが……。