「ライザックさん、パトリスさん、大事なお話があります」
「ん、なんだ改まって?」
「……テツヤさんがなにをお話しするのかわかりませんが、この部屋は声が漏れないような細工がしておりますので、安心してお話し下さい」
……パトリスさんは俺の能力で出した商品のことについて何か察しているのかもしれないな。とはいえ、まさか異世界の商品とは思っていないだろうけど。
「実は俺は別の世界からこの世界にやってきました」
「「………………」」
「なるほど、気付いたら全然知らない世界に迷い込んでしまった……か」
「テツヤさんが販売している商品は特別な物だとは思っておりましたが、まさか別の世界とは……」
みんなと同じようにこの世界にやってきてからのことや、俺の能力についてを2人に説明した。
「俺以外に別の世界からやってきたという話は聞いたことがありませんか?」
一番気になっていたことを2人に聞いてみる。リリアやランジェさんにも聞いてみたのだが、2人とも心当たりはなかった。冒険者ギルドの偉い2人ならもしかしたらなにか知っているかもしれない。
「いえ、申し訳ないですが、心当たりはありませんね」
「ああ、俺もねえな」
「そうですか……」
2人とも心当たりはないようだ。やはりそのあたりの情報はないか……
「もしもですが、そんな情報が入ってきたら、俺に教えてくれると嬉しいです」
ダメ元ではあるが、同じような境遇の人がいないかは気になるところである。
「おう、テツヤには世話になっているからな。もしもそういった情報が入ってきたら教えるぜ!」
「この街だけでなく、王都のほうでもそのような情報がないか確認してみましょう。この街よりも王都のほうが情報が集まりますからね!」
「ライザックさん、パトリスさん、ありがとうございます!」
どうやら、俺の話を信じてくれて、情報集めにも協力してくれるようだ。やはり方位磁石や浄水器だけでなく、ライトやバーナーは別世界から来たということを証明するのに十分に役立ったようだ。
「それで、ここからが本題なのですが……」
「今のでも十分すぎるほどに驚いたんだがな……」
「ここからが本題なんですね……」
2人ともとても驚いている。まあ異世界から来たなんてこと以上に驚くことはもうないから大丈夫だろう。
「実は俺の能力で買える商品の中にこんな物がありまして……」
持ってきたリュックの中から、例の植物図鑑と魔物図鑑、そして地図を取り出した。
「……こ、これは!?」
「こいつはすげえじゃねえか!!」
……俺が別の世界から来たという事実よりも驚いていないか?
まあ異世界から来たなんて非現実的なことよりも、実際に目の前にある便利なものに反応するのはある意味普通の反応なのかもしれない。
「この付近に生息する魔物や植物の図鑑となっている。ランジェとも確認したのだが、私達の知っている内容に間違いはなさそうだ」
リリアが図鑑の内容について補足してくれる。
「ものすごく精巧な絵ですね! まるで本物みたいです」
「それは写真といって、見たままの光景を絵にするという機械……魔道具みたいなものですね」
「文字はこっちの世界の言葉みてえだが、テツヤの世界でも共通語を使っていたのか?」
「いえ、なんで言葉が通じるのかわからないですが、みんなの言葉や文字も俺の世界の言葉に変換されて聞こえているんですよね。この図鑑の文字も、購入したら勝手にこちらの世界の言葉に訳されていたんですよ」
この点についてはよくわからないが、この世界に来てからなぜか言葉も通じるし、文字の読み書きも不思議とできるんだよな。
そもそも不思議といえば、どうやってこっちの世界に来たのかも、俺のアウトドアショップの能力についても不思議なんだけど。
「……ざっと見たところ、俺の知っている情報にも合致しているな。しかも俺が知っているよりも詳しい情報が載っているようだ。マダラナヘビの好物がアグタヤガエルなんて初めて知ったぜ」
最初はそんな情報何の役に立つんだとも思ったが、好物がわかれば罠を仕掛けたりすることができるかもしれないからな。
「こちらの植物図鑑のほうも正確なようですね。見分けのつきにくいハシナカ草とヤナカミ草の区別方法まで載っておりますよ!」
植物図鑑のほうには見分けのつきにくい植物の区別方法やその植物の利用方法までが載っている。特に利用方法については、駆け出し冒険者だけではなく、ポーションを作成する人達にも役に立ちそうである。
「こいつはまた便利な代物だな……」
「ええ。でもみんなと話し合った結果、これをそのまま販売するといろいろと問題が起こりそうで……」
「そうですね……情報についてもそうですが、これほど精巧な絵である写真というものについてはいろいろと嗅ぎ回ってくる輩も多そうです。それにこの紙もかなり上質な物なので、そちらについても問題が起こりそうですね」
……なるほど、言われてみると確かにこちらの世界にも紙はあるのだが、この図鑑に使われている紙ほど良いものではない。
それについてもいろいろと追求されるかもしれない。さすがパトリスさんである。
「パトリスの言う通り、こいつを売るとなるといろいろと問題が起きそうだな。とはいえこんな便利なもんを使わねえのも勿体ねえしどうすっかな……」
「……それでしたらテツヤさん、こちらの図鑑というものを写本したものを売っていただけないでしょうか?」
「写本ですか?」
「ん、なんだ改まって?」
「……テツヤさんがなにをお話しするのかわかりませんが、この部屋は声が漏れないような細工がしておりますので、安心してお話し下さい」
……パトリスさんは俺の能力で出した商品のことについて何か察しているのかもしれないな。とはいえ、まさか異世界の商品とは思っていないだろうけど。
「実は俺は別の世界からこの世界にやってきました」
「「………………」」
「なるほど、気付いたら全然知らない世界に迷い込んでしまった……か」
「テツヤさんが販売している商品は特別な物だとは思っておりましたが、まさか別の世界とは……」
みんなと同じようにこの世界にやってきてからのことや、俺の能力についてを2人に説明した。
「俺以外に別の世界からやってきたという話は聞いたことがありませんか?」
一番気になっていたことを2人に聞いてみる。リリアやランジェさんにも聞いてみたのだが、2人とも心当たりはなかった。冒険者ギルドの偉い2人ならもしかしたらなにか知っているかもしれない。
「いえ、申し訳ないですが、心当たりはありませんね」
「ああ、俺もねえな」
「そうですか……」
2人とも心当たりはないようだ。やはりそのあたりの情報はないか……
「もしもですが、そんな情報が入ってきたら、俺に教えてくれると嬉しいです」
ダメ元ではあるが、同じような境遇の人がいないかは気になるところである。
「おう、テツヤには世話になっているからな。もしもそういった情報が入ってきたら教えるぜ!」
「この街だけでなく、王都のほうでもそのような情報がないか確認してみましょう。この街よりも王都のほうが情報が集まりますからね!」
「ライザックさん、パトリスさん、ありがとうございます!」
どうやら、俺の話を信じてくれて、情報集めにも協力してくれるようだ。やはり方位磁石や浄水器だけでなく、ライトやバーナーは別世界から来たということを証明するのに十分に役立ったようだ。
「それで、ここからが本題なのですが……」
「今のでも十分すぎるほどに驚いたんだがな……」
「ここからが本題なんですね……」
2人ともとても驚いている。まあ異世界から来たなんてこと以上に驚くことはもうないから大丈夫だろう。
「実は俺の能力で買える商品の中にこんな物がありまして……」
持ってきたリュックの中から、例の植物図鑑と魔物図鑑、そして地図を取り出した。
「……こ、これは!?」
「こいつはすげえじゃねえか!!」
……俺が別の世界から来たという事実よりも驚いていないか?
まあ異世界から来たなんて非現実的なことよりも、実際に目の前にある便利なものに反応するのはある意味普通の反応なのかもしれない。
「この付近に生息する魔物や植物の図鑑となっている。ランジェとも確認したのだが、私達の知っている内容に間違いはなさそうだ」
リリアが図鑑の内容について補足してくれる。
「ものすごく精巧な絵ですね! まるで本物みたいです」
「それは写真といって、見たままの光景を絵にするという機械……魔道具みたいなものですね」
「文字はこっちの世界の言葉みてえだが、テツヤの世界でも共通語を使っていたのか?」
「いえ、なんで言葉が通じるのかわからないですが、みんなの言葉や文字も俺の世界の言葉に変換されて聞こえているんですよね。この図鑑の文字も、購入したら勝手にこちらの世界の言葉に訳されていたんですよ」
この点についてはよくわからないが、この世界に来てからなぜか言葉も通じるし、文字の読み書きも不思議とできるんだよな。
そもそも不思議といえば、どうやってこっちの世界に来たのかも、俺のアウトドアショップの能力についても不思議なんだけど。
「……ざっと見たところ、俺の知っている情報にも合致しているな。しかも俺が知っているよりも詳しい情報が載っているようだ。マダラナヘビの好物がアグタヤガエルなんて初めて知ったぜ」
最初はそんな情報何の役に立つんだとも思ったが、好物がわかれば罠を仕掛けたりすることができるかもしれないからな。
「こちらの植物図鑑のほうも正確なようですね。見分けのつきにくいハシナカ草とヤナカミ草の区別方法まで載っておりますよ!」
植物図鑑のほうには見分けのつきにくい植物の区別方法やその植物の利用方法までが載っている。特に利用方法については、駆け出し冒険者だけではなく、ポーションを作成する人達にも役に立ちそうである。
「こいつはまた便利な代物だな……」
「ええ。でもみんなと話し合った結果、これをそのまま販売するといろいろと問題が起こりそうで……」
「そうですね……情報についてもそうですが、これほど精巧な絵である写真というものについてはいろいろと嗅ぎ回ってくる輩も多そうです。それにこの紙もかなり上質な物なので、そちらについても問題が起こりそうですね」
……なるほど、言われてみると確かにこちらの世界にも紙はあるのだが、この図鑑に使われている紙ほど良いものではない。
それについてもいろいろと追求されるかもしれない。さすがパトリスさんである。
「パトリスの言う通り、こいつを売るとなるといろいろと問題が起きそうだな。とはいえこんな便利なもんを使わねえのも勿体ねえしどうすっかな……」
「……それでしたらテツヤさん、こちらの図鑑というものを写本したものを売っていただけないでしょうか?」
「写本ですか?」