昨日は親睦会のあとはどこにも出かけずに、後片付けをしたり、ランジェさんのためにいろんな料理を作ったりして過ごした。
やっぱり休みというのはいいものだな。もちろん平日も元の世界にいた時に比べて働いている時間は短いのだが、それでも一日中仕事のことを考えないというのはいいことである。
朝食を食べるとランジェさんはお店を出発していった。冒険者ギルドへ寄ってから、また別の場所に行くらしい。危険のある冒険者になるのはごめんだが、いろんな場所へ行けるのは少し羨ましくもあるな。
「いつも買い物にまでついてきてもらって悪いね」
「日々の食事の買い物だから私も手伝うさ。次はあっちの方の店だな」
今日の休みはリリアと一緒に買い物に来ている。昨日の親睦会で元の世界の料理やデザートが好評だったこともあり、またいろいろと作ってみようと思い、いい食材がないか市場にやってきた。
……それにしても、休日にリリアと一緒に街中を歩いていると、なんだかデートをしている気分である。服装もいつものお店で着ている服よりも軽装だしな。
「それに私はテツヤの護衛だからな。外に出かけるのならついていくのが当然だ」
「………………」
ですよねー(棒)
悲しいけれど、知っていましたよ。まあそんな真面目なリリアだからこそ、信頼できるというものである。
そういえば、そろそろリリアとの付き合いも一月近くになる。少しだけ踏み込んだ話になるが、聞いてみたいことがあったんだ。
「……リリアの腕のことなんだけど、この世界にはリリアの無くなった腕を元に戻す方法とかはないの?」
「うん? ああ、この腕のことか。……あることはあるのだが、あまり現実的ではないな。この街にはないが、王都には完全回復薬というポーションというものが存在する。
それを飲めば、大きな怪我どころか部位欠損まで治すことができると聞いている」
「そんなものがあるんだ!」
さすが異世界! 元の世界の医学では考えられないようなファンタジーなものが存在するようだ。
「ああ。しかし、問題はその値段だな。希少な素材を大量に使用しているため、金貨何千枚もするそうだ。競りに出れば一万枚を超えることもあるらしい。一級のAランク冒険者であっても、そう簡単に手にできるものではない」
「金貨一万枚……」
金貨1枚で1万円換算すると約一億円か……確かにそれはとんでもない金額だな。少なくとも今の俺には手も足も出ない金額である。
「……こっちの世界には魔道具とかもあるんだよね。便利な義手とかはあったりしないの?」
ここが異世界なら魔道具とかもあるし、装着した人の思考を読み取って、自由自在に動く義手なんてものがあるかもしれない。
「義手もあるにはあるが、それほど便利なものではなかったな。一度試したことがあるのだが、正直に言って装着しても、それほど普段の生活が便利となるものでもなかった。
逆に動きが阻害されることも多いから、今は外している。魔道具の義手もあることはあるのだが、そちらも完全にオーダーメイドになるため、かなり高額になってしまうんだ」
……なるほど、この世界の義手だと電動で動くこともないから、あってもそれほど便利なものではないのかもしれない。
魔道具の義手については機能次第では使える可能性はあるが、これも完全回復薬と一緒で高価なものというわけか。
「……テツヤが私のことを心配してくれるのはとても嬉しいが、私は腕を失ったことをまったく後悔してはいない。
確かに腕は失ったが、その代わりに大切な仲間を守ることができたし、冒険者を引退したあとも、こうして冒険者と関わりのあるテツヤの店で働けることになった。片腕では多少不便なこともあるが、それでも私は今の生活に満足しているぞ」
「………………」
確かに今のリリアの表情から暗い気持ちは感じられないところからみると、本当に後悔はしていないのかもしれない。
腕を魔物にやられたと言っていたが、どうやら仲間をかばって腕を失ってしまったらしい。それを後悔していないと言えるのは、やはりリリアらしいな。
「ほら、テツヤ。そんな暗い顔をするな。私が気にしていないのだからテツヤが気にする必要はないのだぞ。さあ、買い物を続けよう」
「……そうだね。それじゃあ次はあっちの店に行こうか」
「ああ、了解だ」
この世界に来てから、リリアには本当にいろいろと助けてもらっている。後悔はないのかもしれないが、もしもリリアの腕を治せるようなら治してあげられればいいな。
少なくとも今の俺では力になれそうもないが、なにかできることがないか調べてみることにしよう。
そのあとはリリアと一緒に市場を回って買い物をしたあとに店へと戻り、俺はいろいろな料理を作り、リリアは裏庭で鍛錬をして休日を過ごした。
やっぱりのんびりと過ごすことができる休日は大事だな。この2日間の休みでだいぶリフレッシュすることができた。来週末にはアウトドアショップの能力がレベルアップできそうだし、来週も頑張るとしよう!
やっぱり休みというのはいいものだな。もちろん平日も元の世界にいた時に比べて働いている時間は短いのだが、それでも一日中仕事のことを考えないというのはいいことである。
朝食を食べるとランジェさんはお店を出発していった。冒険者ギルドへ寄ってから、また別の場所に行くらしい。危険のある冒険者になるのはごめんだが、いろんな場所へ行けるのは少し羨ましくもあるな。
「いつも買い物にまでついてきてもらって悪いね」
「日々の食事の買い物だから私も手伝うさ。次はあっちの方の店だな」
今日の休みはリリアと一緒に買い物に来ている。昨日の親睦会で元の世界の料理やデザートが好評だったこともあり、またいろいろと作ってみようと思い、いい食材がないか市場にやってきた。
……それにしても、休日にリリアと一緒に街中を歩いていると、なんだかデートをしている気分である。服装もいつものお店で着ている服よりも軽装だしな。
「それに私はテツヤの護衛だからな。外に出かけるのならついていくのが当然だ」
「………………」
ですよねー(棒)
悲しいけれど、知っていましたよ。まあそんな真面目なリリアだからこそ、信頼できるというものである。
そういえば、そろそろリリアとの付き合いも一月近くになる。少しだけ踏み込んだ話になるが、聞いてみたいことがあったんだ。
「……リリアの腕のことなんだけど、この世界にはリリアの無くなった腕を元に戻す方法とかはないの?」
「うん? ああ、この腕のことか。……あることはあるのだが、あまり現実的ではないな。この街にはないが、王都には完全回復薬というポーションというものが存在する。
それを飲めば、大きな怪我どころか部位欠損まで治すことができると聞いている」
「そんなものがあるんだ!」
さすが異世界! 元の世界の医学では考えられないようなファンタジーなものが存在するようだ。
「ああ。しかし、問題はその値段だな。希少な素材を大量に使用しているため、金貨何千枚もするそうだ。競りに出れば一万枚を超えることもあるらしい。一級のAランク冒険者であっても、そう簡単に手にできるものではない」
「金貨一万枚……」
金貨1枚で1万円換算すると約一億円か……確かにそれはとんでもない金額だな。少なくとも今の俺には手も足も出ない金額である。
「……こっちの世界には魔道具とかもあるんだよね。便利な義手とかはあったりしないの?」
ここが異世界なら魔道具とかもあるし、装着した人の思考を読み取って、自由自在に動く義手なんてものがあるかもしれない。
「義手もあるにはあるが、それほど便利なものではなかったな。一度試したことがあるのだが、正直に言って装着しても、それほど普段の生活が便利となるものでもなかった。
逆に動きが阻害されることも多いから、今は外している。魔道具の義手もあることはあるのだが、そちらも完全にオーダーメイドになるため、かなり高額になってしまうんだ」
……なるほど、この世界の義手だと電動で動くこともないから、あってもそれほど便利なものではないのかもしれない。
魔道具の義手については機能次第では使える可能性はあるが、これも完全回復薬と一緒で高価なものというわけか。
「……テツヤが私のことを心配してくれるのはとても嬉しいが、私は腕を失ったことをまったく後悔してはいない。
確かに腕は失ったが、その代わりに大切な仲間を守ることができたし、冒険者を引退したあとも、こうして冒険者と関わりのあるテツヤの店で働けることになった。片腕では多少不便なこともあるが、それでも私は今の生活に満足しているぞ」
「………………」
確かに今のリリアの表情から暗い気持ちは感じられないところからみると、本当に後悔はしていないのかもしれない。
腕を魔物にやられたと言っていたが、どうやら仲間をかばって腕を失ってしまったらしい。それを後悔していないと言えるのは、やはりリリアらしいな。
「ほら、テツヤ。そんな暗い顔をするな。私が気にしていないのだからテツヤが気にする必要はないのだぞ。さあ、買い物を続けよう」
「……そうだね。それじゃあ次はあっちの店に行こうか」
「ああ、了解だ」
この世界に来てから、リリアには本当にいろいろと助けてもらっている。後悔はないのかもしれないが、もしもリリアの腕を治せるようなら治してあげられればいいな。
少なくとも今の俺では力になれそうもないが、なにかできることがないか調べてみることにしよう。
そのあとはリリアと一緒に市場を回って買い物をしたあとに店へと戻り、俺はいろいろな料理を作り、リリアは裏庭で鍛錬をして休日を過ごした。
やっぱりのんびりと過ごすことができる休日は大事だな。この2日間の休みでだいぶリフレッシュすることができた。来週末にはアウトドアショップの能力がレベルアップできそうだし、来週も頑張るとしよう!