「お待たせ、今日のデザートの焼きフルーツだよ」
バーベキューを焼いていた炭を使って焼いた果物の数々が皿の上に載っている。この世界の野菜や果物は元の世界とほとんど同じものも多くある。
厳密には元の世界のものと少し違うと思うが、リンゴとかバナナとかの言葉でリリアやフィアちゃん達にも通じたから大丈夫だろう。
「へえ〜果物を焼くなんて初めてだね。普通に生で食べるよりも美味しいの?」
ランジェさんは焼いた果物は食べたことがないらしい。この世界でも果物を焼いたりする習慣はないみたいだ。まあ元の世界でも基本的に果物は生で食べることが多いもんな。
「果物にもよるかな。いろいろと焼いてみたから試してみてよ」
「どれも美味しそうだな。それじゃあ私はこっちの赤いのをいただこう」
「うわあ、それじゃあフィアはこの紫色のやつにする!」
それぞれが焼きフルーツをとっていく。今回用意したフルーツはリンゴ、バナナ、ブドウの3種類だ。
「……っ!? テツヤ、とっても甘いぞ!」
「普通のブドウよりも甘くて、とっても美味しいです!」
基本的に果物は焼くと水分が飛んで、味が凝縮して甘味が強くなり、香りも良くなる。フライパンで直接焼くというよりは、アルミホイルなどに包んで蒸し焼きにするといったかんじだな。
「えっと、こっちの真っ黒なのはなんなのでしょう?」
「ああ、これはバナナだよ。真っ黒コゲに見えるけれど、中はこんなかんじで大丈夫だから」
バナナはバナナの皮があるので、アルミホイルは使わずに直接火にかけても大丈夫だ。皮は真っ黒になるが、意外と分厚く水分を含んでいるため、中身は無事である。
「ネットリと柔らかくてとっても甘いですね!」
「本当! バナナを焼くとこんな味になるんですね!」
アンジュさんもレーアさんも焼きバナナに驚いている。バナナの場合は食感もだいぶ変わって面白いんだよな。
「リンゴのほうはバターの香りがするね! 甘くてとても美味しいよ!」
「ブドウは皮ごと食べられてうまいな」
リンゴのほうは芯をくり抜き、中に砂糖とバターを入れて焼いてある。どちらもこの世界ではそこそこお高いので、ちょっと贅沢なスイーツだ。
本当はシナモンがあれば香りがもっと良くなるのだが、売ってはいなかった。確か何かの木の皮でできているんだっけか。
ブドウのほうは焼くと硬い皮も柔らかくなるので、アルミホイルに皮付きのまま入れている。こちらも甘味が凝縮して美味しいんだよなあ。
「どれも本当に甘くて美味しいぞ。私はこのリンゴが一番好きだな」
「どれもとっても美味しいですね! 目移りしてしまいます」
「お母さん、今度おうちでも作ろう!」
「そうね、こっちのブドウとバナナは焼くだけだから簡単にできそうね」
……う〜む、女性陣はバーベキューの時の反応と全然違うな。やっぱり女の子は甘いもののほうが良いのかもしれない。今度元の世界のスイーツを再現できないか試してみるかな。
あと個人的には焼きパイナップルが好きなのだが、この街にパイナップルは売っていなかったので残念だ。ブラジル料理のシュラスコとかでも食べられるんだけど、甘くて本当に美味しいんだよね。
「ちょっと多めに作ったから、余った分はみんなで持って帰ってね。本当は温かいうちが一番美味しいけれど、冷めても十分美味しいから」
そう言っておいてなんだが、思ったよりもみんなたくさん食べてくれたので、持ち帰る分は残っていなかった。
そこまで手の込んだ料理は作っていないのに、これほど喜んでくれるとは嬉しい限りだ。せっかくお店の裏庭にスペースがあるんだし、たまに今回みたいな親睦会をするのはありかもしれないな。
「ふあ〜あ、お腹いっぱいで動けないよ」
「そうだな、私も当分は動きたくないな」
「俺もしばらくは動けないよ。後片付けはもう少ししてからだな」
みんなで親睦会を楽しんだあと、後片付けを手伝うと言ってくれたみんなの申し出を丁重に断って、今はランジェさんとリリアと一緒に居間で寝転んでいる。
後片付けを手伝ってくれるのはとても嬉しいが、休みの日にわざわざ集まってくれたので、これ以上手伝ってもらっては申し訳ないからな。
それにしてもバーベキューとかみんなで集まると、ついつい食べ過ぎたり飲み過ぎたりしてしまう。お酒はなんとか自重したから良かったが、お腹いっぱい食べてしまってしばらくは動けそうにない。
「そうだテツヤ、さっきのバーベキューの時に肉につけていたタレを分けてくれないかい?」
「ああ、もちろんいいよ。あとはランジェさんからもらったマルセ肉をいつもみたいに燻製するから持っていってね」
ランジェさんにはこのお店の仕入れをしてもらうフリをしてもらい、遠くにある場所に寄ってもらっている。それにこのお店の仕入れの場所を知っているから、狙われてしまう可能性もある。
その対価として、お金よりもこのお店のキャンプギアや俺が作った料理のほうがいいということなので、いろいろな料理をあげている。
「やったね! この前の燻製肉もすごく美味しかったよ。やっぱり肉についているこのアウトドアスパイスが塩や胡椒よりも美味しいよね!」
「喜んでくれてなによりだよ。あと来週くらいに俺のアウトドアショップの能力がレベルアップできそうなんだ。もしも、来週もこの街に来れそうなら寄ってくれると嬉しいな」
「へえ〜それは楽しみだね! オッケー、来週も戻ってくるよ!」
「また新しい商品が増えるのだな」
ランジェさんやリリアには俺の能力のことは話してある。新しい商品が増えた時に、現役冒険者であるランジェさんの意見があるととても助かる。
バーベキューを焼いていた炭を使って焼いた果物の数々が皿の上に載っている。この世界の野菜や果物は元の世界とほとんど同じものも多くある。
厳密には元の世界のものと少し違うと思うが、リンゴとかバナナとかの言葉でリリアやフィアちゃん達にも通じたから大丈夫だろう。
「へえ〜果物を焼くなんて初めてだね。普通に生で食べるよりも美味しいの?」
ランジェさんは焼いた果物は食べたことがないらしい。この世界でも果物を焼いたりする習慣はないみたいだ。まあ元の世界でも基本的に果物は生で食べることが多いもんな。
「果物にもよるかな。いろいろと焼いてみたから試してみてよ」
「どれも美味しそうだな。それじゃあ私はこっちの赤いのをいただこう」
「うわあ、それじゃあフィアはこの紫色のやつにする!」
それぞれが焼きフルーツをとっていく。今回用意したフルーツはリンゴ、バナナ、ブドウの3種類だ。
「……っ!? テツヤ、とっても甘いぞ!」
「普通のブドウよりも甘くて、とっても美味しいです!」
基本的に果物は焼くと水分が飛んで、味が凝縮して甘味が強くなり、香りも良くなる。フライパンで直接焼くというよりは、アルミホイルなどに包んで蒸し焼きにするといったかんじだな。
「えっと、こっちの真っ黒なのはなんなのでしょう?」
「ああ、これはバナナだよ。真っ黒コゲに見えるけれど、中はこんなかんじで大丈夫だから」
バナナはバナナの皮があるので、アルミホイルは使わずに直接火にかけても大丈夫だ。皮は真っ黒になるが、意外と分厚く水分を含んでいるため、中身は無事である。
「ネットリと柔らかくてとっても甘いですね!」
「本当! バナナを焼くとこんな味になるんですね!」
アンジュさんもレーアさんも焼きバナナに驚いている。バナナの場合は食感もだいぶ変わって面白いんだよな。
「リンゴのほうはバターの香りがするね! 甘くてとても美味しいよ!」
「ブドウは皮ごと食べられてうまいな」
リンゴのほうは芯をくり抜き、中に砂糖とバターを入れて焼いてある。どちらもこの世界ではそこそこお高いので、ちょっと贅沢なスイーツだ。
本当はシナモンがあれば香りがもっと良くなるのだが、売ってはいなかった。確か何かの木の皮でできているんだっけか。
ブドウのほうは焼くと硬い皮も柔らかくなるので、アルミホイルに皮付きのまま入れている。こちらも甘味が凝縮して美味しいんだよなあ。
「どれも本当に甘くて美味しいぞ。私はこのリンゴが一番好きだな」
「どれもとっても美味しいですね! 目移りしてしまいます」
「お母さん、今度おうちでも作ろう!」
「そうね、こっちのブドウとバナナは焼くだけだから簡単にできそうね」
……う〜む、女性陣はバーベキューの時の反応と全然違うな。やっぱり女の子は甘いもののほうが良いのかもしれない。今度元の世界のスイーツを再現できないか試してみるかな。
あと個人的には焼きパイナップルが好きなのだが、この街にパイナップルは売っていなかったので残念だ。ブラジル料理のシュラスコとかでも食べられるんだけど、甘くて本当に美味しいんだよね。
「ちょっと多めに作ったから、余った分はみんなで持って帰ってね。本当は温かいうちが一番美味しいけれど、冷めても十分美味しいから」
そう言っておいてなんだが、思ったよりもみんなたくさん食べてくれたので、持ち帰る分は残っていなかった。
そこまで手の込んだ料理は作っていないのに、これほど喜んでくれるとは嬉しい限りだ。せっかくお店の裏庭にスペースがあるんだし、たまに今回みたいな親睦会をするのはありかもしれないな。
「ふあ〜あ、お腹いっぱいで動けないよ」
「そうだな、私も当分は動きたくないな」
「俺もしばらくは動けないよ。後片付けはもう少ししてからだな」
みんなで親睦会を楽しんだあと、後片付けを手伝うと言ってくれたみんなの申し出を丁重に断って、今はランジェさんとリリアと一緒に居間で寝転んでいる。
後片付けを手伝ってくれるのはとても嬉しいが、休みの日にわざわざ集まってくれたので、これ以上手伝ってもらっては申し訳ないからな。
それにしてもバーベキューとかみんなで集まると、ついつい食べ過ぎたり飲み過ぎたりしてしまう。お酒はなんとか自重したから良かったが、お腹いっぱい食べてしまってしばらくは動けそうにない。
「そうだテツヤ、さっきのバーベキューの時に肉につけていたタレを分けてくれないかい?」
「ああ、もちろんいいよ。あとはランジェさんからもらったマルセ肉をいつもみたいに燻製するから持っていってね」
ランジェさんにはこのお店の仕入れをしてもらうフリをしてもらい、遠くにある場所に寄ってもらっている。それにこのお店の仕入れの場所を知っているから、狙われてしまう可能性もある。
その対価として、お金よりもこのお店のキャンプギアや俺が作った料理のほうがいいということなので、いろいろな料理をあげている。
「やったね! この前の燻製肉もすごく美味しかったよ。やっぱり肉についているこのアウトドアスパイスが塩や胡椒よりも美味しいよね!」
「喜んでくれてなによりだよ。あと来週くらいに俺のアウトドアショップの能力がレベルアップできそうなんだ。もしも、来週もこの街に来れそうなら寄ってくれると嬉しいな」
「へえ〜それは楽しみだね! オッケー、来週も戻ってくるよ!」
「また新しい商品が増えるのだな」
ランジェさんやリリアには俺の能力のことは話してある。新しい商品が増えた時に、現役冒険者であるランジェさんの意見があるととても助かる。