「……と思ったのに、本当にいつものお店でもいいの?」
無事にオープンしてから1週間が終わったので、ちょっとした高級店にでも晩ご飯を食べにいこうと思ったのだが、2人とも前回食べた例の宿の店で十分だと言うのだ。
「まだ1週間が終わっただけだからな。あまりハメを外しすぎるのもよくない。それにここの店の料理は安い割にとても美味いぞ」
「そうだよテツヤお兄ちゃん。それに美味しいお肉を食べたばっかりだし、贅沢すぎるのも良くないよ!」
……どうやらうちのお店の女性陣はしっかりしているらしい。それにフィアちゃんの言う通り、冒険者ギルドマスターのライザックさんから、高級食材であるダナマベアの肉をもらって楽しんだばかりだ。あまり贅沢をしすぎるのもよろしくない。
「そうだね、2人の言う通りだ。そのかわりにお腹いっぱい食べてもらって大丈夫だからね」
というわけで以前に俺が泊まっていた宿にやってきた。ちなみに昨日フィアちゃんのお母さんには、今日お店が終わったあとにみんなでご飯を食べにいくことは伝えてある。それと従業員を探しているから、よかったらレーアさんも一緒に働かないかと誘ってみたのだが、断られてしまった。残念である。
「女将さん、3人入れます?」
「あら、いらっしゃいませテツヤさん。大丈夫ですよ」
「フィアちゃん、いらっしゃい!」
「アルベラちゃん、久しぶり!」
女将さんもアルベラちゃんも相変わらず元気そうだった。フィアちゃんも数回この店に来たこともあって、アルベラちゃんとはだいぶ仲良くなったようだ。手を取りながら微笑みあう2人は見ていて癒されるなあ。
「あれ、テツヤか?」
「あっ、ロイヤ。みんなも来ていたんだな」
どこに座ろうか迷っていたところ、ある客席に見知った顔があった。
「ああ、今日は結構稼げたから、軽く打ち上げをしていたんだ。前にテツヤに教えてもらったこのお店は安くてうまかったから、たまに使わせてもらっているぞ」
どうやら以前にこの宿を紹介してからもたまに来ていたようだ。
「アルベラちゃんだけじゃなくて、フィアちゃんにまで会えるなんて今日はとってもラッキーね!」
……ニコレも相変わらずだな。というかこの娘はいろいろと大丈夫なのか心配になるぞ。
「ちょうど隣の席が空いているな。隣に座っても大丈夫か?」
「ああ、もちろんだぜ」
「ロイヤ、ファル、ニコレ、みんな久しぶりだな。以前にテツヤの護衛依頼を一緒に受けた以来か。テツヤのお店にも来てくれていたな。それでは、隣に失礼するぞ」
「リ、リリアさん! もちろんだ……いや、です!」
「名前まで覚えてくれていて光栄です!」
……俺とは全然態度が違うな。いやまあ俺にとっては親しい口調のほうがいいんだけどさ。
ロイヤ達の席の隣に座り、飲み物や料理を注文する。俺も今週は頑張ったし酒を飲もう。とはいえ明日もあるし、みんなは酒を飲まないから一杯だけで我慢しておこう。
「それじゃあ2人とも今週はお疲れさま! 乾杯!」
「「乾杯!」」
まずはこちらのテーブルのほうで乾杯する。2人とも今週は本当にお疲れさまでした。
「ぷはあああ! 仕事のあとの一杯は美味いな!」
仕事のあとの酒がうまいのはどこの世界でも変わらないようだ。あとはこの酒がもう少しうまくて冷えていたら完璧なんだけどなあ。
「うむ、やっぱりここの店の料理は美味しいな」
「とっても美味しいです!」
やはりここのお店の煮込み料理や串焼きは美味しい。俺が自分で作る料理もうまいとは思うが、お店で出している料理を食べるのもいいものだ。
「テツヤのお店のほうは順調そうでなによりだよ。初日は大勢並んでいたし、昨日も帰りにお店の前を通ったけれど、お客さんが大勢いたな」
「おかげさまで今のところは順調だよ。オープン初日は店まで来てくれてありがとうな」
「こちらこそ。テツヤのお店で売っているものは安くて便利でとても助かっているわ!」
「ああ、昼に休憩する時に、火を起こして例のインスタントスープと温めたチーズや干し肉を食べられるのは前よりもずっと良くなったな」
「それにあのブルーシートも魔物を解体する時にとても便利だったぜ」
「役に立っているならなによりだよ」
どうやら、うちのお店で買った商品もロイヤ達の役に立ってくれているようだ。
「あの、リリアさん! いろいろと聞いても大丈夫ですか?」
「ああ、もちろん構わないぞ。その代わりにテツヤの店の商品や私達の接客についてもいろいろと教えてほしい。それと前にも言ったが、そこまで畏まる必要はないんだからな」
「いえ、リリアさんは大先輩ですから!」
ロイヤ達は元Bランク冒険者であるリリアの話が聞けるし、俺達もお店のことについていろいろと聞けるからお互いに利益がある。たまにこの面子でこの店に来るのはいいかもしれないな。
「おう、久しぶりだな。聞いたぞ、新しい店は繁盛しているそうじゃねえか。宿に泊まっている客も噂しているぜ」
「あっ、どうもです。ちなみに新しく販売したインスタントスープは調味料としても使えるんで、ぜひ試してみてください」
この店の料理を作っているマッチョなおっちゃんだ。見た目に似合わず、この煮込み料理とか本当にうまい料理を出してくれる。
「なに!? あのアウトドアスパイスってやつも本当にうめえからな。今度買って試してみるぜ」
「ええ、よろしくお願いしますよ」
この店の料理を楽しみつつも、ロイヤ達やこの店のおっちゃん達と楽しい時間を過ごした。仕事も大事だが、こういったのんびりした時間を過ごすことも大切である。とはいえ、まだ店舗で店を開いて1週間だし、明日は従業員を雇うための面接もある。引き続き頑張らないといけないな!
無事にオープンしてから1週間が終わったので、ちょっとした高級店にでも晩ご飯を食べにいこうと思ったのだが、2人とも前回食べた例の宿の店で十分だと言うのだ。
「まだ1週間が終わっただけだからな。あまりハメを外しすぎるのもよくない。それにここの店の料理は安い割にとても美味いぞ」
「そうだよテツヤお兄ちゃん。それに美味しいお肉を食べたばっかりだし、贅沢すぎるのも良くないよ!」
……どうやらうちのお店の女性陣はしっかりしているらしい。それにフィアちゃんの言う通り、冒険者ギルドマスターのライザックさんから、高級食材であるダナマベアの肉をもらって楽しんだばかりだ。あまり贅沢をしすぎるのもよろしくない。
「そうだね、2人の言う通りだ。そのかわりにお腹いっぱい食べてもらって大丈夫だからね」
というわけで以前に俺が泊まっていた宿にやってきた。ちなみに昨日フィアちゃんのお母さんには、今日お店が終わったあとにみんなでご飯を食べにいくことは伝えてある。それと従業員を探しているから、よかったらレーアさんも一緒に働かないかと誘ってみたのだが、断られてしまった。残念である。
「女将さん、3人入れます?」
「あら、いらっしゃいませテツヤさん。大丈夫ですよ」
「フィアちゃん、いらっしゃい!」
「アルベラちゃん、久しぶり!」
女将さんもアルベラちゃんも相変わらず元気そうだった。フィアちゃんも数回この店に来たこともあって、アルベラちゃんとはだいぶ仲良くなったようだ。手を取りながら微笑みあう2人は見ていて癒されるなあ。
「あれ、テツヤか?」
「あっ、ロイヤ。みんなも来ていたんだな」
どこに座ろうか迷っていたところ、ある客席に見知った顔があった。
「ああ、今日は結構稼げたから、軽く打ち上げをしていたんだ。前にテツヤに教えてもらったこのお店は安くてうまかったから、たまに使わせてもらっているぞ」
どうやら以前にこの宿を紹介してからもたまに来ていたようだ。
「アルベラちゃんだけじゃなくて、フィアちゃんにまで会えるなんて今日はとってもラッキーね!」
……ニコレも相変わらずだな。というかこの娘はいろいろと大丈夫なのか心配になるぞ。
「ちょうど隣の席が空いているな。隣に座っても大丈夫か?」
「ああ、もちろんだぜ」
「ロイヤ、ファル、ニコレ、みんな久しぶりだな。以前にテツヤの護衛依頼を一緒に受けた以来か。テツヤのお店にも来てくれていたな。それでは、隣に失礼するぞ」
「リ、リリアさん! もちろんだ……いや、です!」
「名前まで覚えてくれていて光栄です!」
……俺とは全然態度が違うな。いやまあ俺にとっては親しい口調のほうがいいんだけどさ。
ロイヤ達の席の隣に座り、飲み物や料理を注文する。俺も今週は頑張ったし酒を飲もう。とはいえ明日もあるし、みんなは酒を飲まないから一杯だけで我慢しておこう。
「それじゃあ2人とも今週はお疲れさま! 乾杯!」
「「乾杯!」」
まずはこちらのテーブルのほうで乾杯する。2人とも今週は本当にお疲れさまでした。
「ぷはあああ! 仕事のあとの一杯は美味いな!」
仕事のあとの酒がうまいのはどこの世界でも変わらないようだ。あとはこの酒がもう少しうまくて冷えていたら完璧なんだけどなあ。
「うむ、やっぱりここの店の料理は美味しいな」
「とっても美味しいです!」
やはりここのお店の煮込み料理や串焼きは美味しい。俺が自分で作る料理もうまいとは思うが、お店で出している料理を食べるのもいいものだ。
「テツヤのお店のほうは順調そうでなによりだよ。初日は大勢並んでいたし、昨日も帰りにお店の前を通ったけれど、お客さんが大勢いたな」
「おかげさまで今のところは順調だよ。オープン初日は店まで来てくれてありがとうな」
「こちらこそ。テツヤのお店で売っているものは安くて便利でとても助かっているわ!」
「ああ、昼に休憩する時に、火を起こして例のインスタントスープと温めたチーズや干し肉を食べられるのは前よりもずっと良くなったな」
「それにあのブルーシートも魔物を解体する時にとても便利だったぜ」
「役に立っているならなによりだよ」
どうやら、うちのお店で買った商品もロイヤ達の役に立ってくれているようだ。
「あの、リリアさん! いろいろと聞いても大丈夫ですか?」
「ああ、もちろん構わないぞ。その代わりにテツヤの店の商品や私達の接客についてもいろいろと教えてほしい。それと前にも言ったが、そこまで畏まる必要はないんだからな」
「いえ、リリアさんは大先輩ですから!」
ロイヤ達は元Bランク冒険者であるリリアの話が聞けるし、俺達もお店のことについていろいろと聞けるからお互いに利益がある。たまにこの面子でこの店に来るのはいいかもしれないな。
「おう、久しぶりだな。聞いたぞ、新しい店は繁盛しているそうじゃねえか。宿に泊まっている客も噂しているぜ」
「あっ、どうもです。ちなみに新しく販売したインスタントスープは調味料としても使えるんで、ぜひ試してみてください」
この店の料理を作っているマッチョなおっちゃんだ。見た目に似合わず、この煮込み料理とか本当にうまい料理を出してくれる。
「なに!? あのアウトドアスパイスってやつも本当にうめえからな。今度買って試してみるぜ」
「ええ、よろしくお願いしますよ」
この店の料理を楽しみつつも、ロイヤ達やこの店のおっちゃん達と楽しい時間を過ごした。仕事も大事だが、こういったのんびりした時間を過ごすことも大切である。とはいえ、まだ店舗で店を開いて1週間だし、明日は従業員を雇うための面接もある。引き続き頑張らないといけないな!