「やっぱり休みはサイコーだね!」
「朝からテンションが高いな」
そりゃ休みならテンションは上がって当然である。しかもそれがこの世界に来て初めての休みともなれば、テンション爆上がりのあげぽよである。……うん、自分でも何を言っているかよく分からないくらいにはテンアゲな状態になっている。
そんな死語を連発している場合ではない。……いや、むしろこの異世界なら、死語ではなく流行語大賞とか狙えたりしてな。
無事に昨日でアウトドアショップを開店する準備が終わり、商品の仕入れ先を誤魔化すためにランジェさんに依頼も頼み終わった。いよいよ貸し店舗ではあるが、自分のお店をオープンする時がきた……のだが、その前に今日と明日は休みを取ることにした。すでに冒険者ギルドには明後日から店をオープンすると告知してある。
ぶっちゃけこれまで屋台は昼から夕方までしか開いていないので、そんだけの労働時間で休みがほしいなんて言ったら、元の世界のブラック企業の同僚達にぶん殴られてしまいそうである。とはいえ1日中自由な休日はほしいものである。
「とりあえず今日はのんびり過ごすから、リリアも自由に過ごしていいからね」
「ふむ、とはいえ特にすることがないな。テツヤは休みの日には何をしているんだ?」
「俺の場合はキャンプっていって、自然の中で焚き火をして手の込んだご飯を作ったり、本を読んだりしてのんびり過ごすかな」
「……それは面白いことなのか?」
そうか、この世界の人にとってキャンプはそれほど魅力的ではないのかもしれない。まあ野営もキャンプも似たようなものだもんな。
「俺の世界だと人が多くなりすぎて、周りは家や建物ばかりになっているんだよ。それに普段は忙しく働いているから、休みの日は自然の多い場所でのんびりとするのが楽しいんだよ」
「ふむ、そうなのか……」
いまいちピンときていないかんじだな。
「よかったらリリアも少し体験してみる?」
「そうだな。テツヤの休日の過ごし方には興味がある。邪魔じゃなければお願いする」
「もちろんだよ。せっかくだからフィアちゃんも呼んでこよう」
そんなわけで今日はフィアちゃんも呼んで、店の裏庭でのんびりすることにした。俺はあまりやらないが、最近では庭でタープやチェアやテーブルを設置して楽しむ庭キャンプなんてものがあったりする。
遠くまで出かけたり、荷物を運んだりするのも結構な手間だったりするもんな。お手軽に楽しめて家の設備も使えるのは便利だ。欠点としては周りがいつもの見慣れた景色であるということと、お隣さんの家があると焚き火ができないことかな。
「ふわあ、とってもいい匂いです!」
「うむ、これはとても美味しそうだな」
お店の裏庭にテーブルと椅子を持ってきて、俺がこの世界に持ってきていた焚き火台を使って火を起こした。そして焚き火台の上には鍋が置いてある。
「これは簡単だけど美味しいポトフっていう料理だ」
ポトフは確かフランス料理だったかな。簡単に言うと肉と野菜をひとつの鍋でじっくりと煮込む料理だ。作り方はとても簡単。
まずは肉を軽く炒めて焼き色をつける。玉ねぎ、じゃがいも、にんじん、白菜などの野菜をいれてから水を入れる。ここに取り出しましたるはアウトドアショップで購入したインスタントスープのコンソメ味。
インスタントスープで味をつけて、あとは肉や野菜が柔らかくなるまで、弱火でじっくりと煮込むだけである。
そして仕上げにアウトドアスパイスで味を整えたら完成だ。最近の味付けはアウトドアスパイスばかりだが、それほど飽きはこないんだよな。さすがは万能スパイスである。
「お肉やお野菜がとっても柔らかくて美味しいです!」
「おお、これはうまいぞ! やはりこのコンソメというスープの味が複雑な味わいで素晴らしいな!」
じっくり煮込まれて柔らかくなった肉と野菜。コンソメの旨味が染み込み、それにアウトドアスパイスの香りが加わっていく。身体の中から温まる感覚だ。贅沢を言うならばポトフに定番のマスタードもほしかったな。
「今回は自分達で火を起こしたり、野菜を切ったりしてくれたから余計に美味しいでしょ」
今回の料理はリリアやフィアちゃんにも手伝ってもらった。やっぱりキャンプは火を起こしてみんなで料理をして、みんなで料理を味わうのが楽しいものである。
「うん、このお野菜を切ったのはフィアだよ!」
「そうだな、綺麗に切れているぞ。フィアちゃんはもう料理ができて偉いな」
「リリアは薪を斬ってくれたり、火を付けてくれたもんね」
フィアちゃんは野菜を切ってくれて、リリアは薪を斬ってくれた。しかも薪はナタではなく、自分の持っている剣で一瞬だった。前に森で魔物と戦った時と同じで太刀筋もまともに見えなかったな。火起こしもファイヤースターターを器用に使って、一瞬で麻紐に火を付けていた。
「いやあ、本当に美味しかったぞ。じっくりと時間をかけてみんなで料理をするのも楽しいものだな」
「フィアちゃんも普段お母さんの料理を手伝ってあるだけあって、野菜を切るのは上手だったね」
「うん。みんなで料理するのは楽しかったよ! そういえばテツヤお兄ちゃん、あのずっと煙が出ている箱はなあに?」
「ああ、もうそろそろ出来上がったかな?」
「朝からテンションが高いな」
そりゃ休みならテンションは上がって当然である。しかもそれがこの世界に来て初めての休みともなれば、テンション爆上がりのあげぽよである。……うん、自分でも何を言っているかよく分からないくらいにはテンアゲな状態になっている。
そんな死語を連発している場合ではない。……いや、むしろこの異世界なら、死語ではなく流行語大賞とか狙えたりしてな。
無事に昨日でアウトドアショップを開店する準備が終わり、商品の仕入れ先を誤魔化すためにランジェさんに依頼も頼み終わった。いよいよ貸し店舗ではあるが、自分のお店をオープンする時がきた……のだが、その前に今日と明日は休みを取ることにした。すでに冒険者ギルドには明後日から店をオープンすると告知してある。
ぶっちゃけこれまで屋台は昼から夕方までしか開いていないので、そんだけの労働時間で休みがほしいなんて言ったら、元の世界のブラック企業の同僚達にぶん殴られてしまいそうである。とはいえ1日中自由な休日はほしいものである。
「とりあえず今日はのんびり過ごすから、リリアも自由に過ごしていいからね」
「ふむ、とはいえ特にすることがないな。テツヤは休みの日には何をしているんだ?」
「俺の場合はキャンプっていって、自然の中で焚き火をして手の込んだご飯を作ったり、本を読んだりしてのんびり過ごすかな」
「……それは面白いことなのか?」
そうか、この世界の人にとってキャンプはそれほど魅力的ではないのかもしれない。まあ野営もキャンプも似たようなものだもんな。
「俺の世界だと人が多くなりすぎて、周りは家や建物ばかりになっているんだよ。それに普段は忙しく働いているから、休みの日は自然の多い場所でのんびりとするのが楽しいんだよ」
「ふむ、そうなのか……」
いまいちピンときていないかんじだな。
「よかったらリリアも少し体験してみる?」
「そうだな。テツヤの休日の過ごし方には興味がある。邪魔じゃなければお願いする」
「もちろんだよ。せっかくだからフィアちゃんも呼んでこよう」
そんなわけで今日はフィアちゃんも呼んで、店の裏庭でのんびりすることにした。俺はあまりやらないが、最近では庭でタープやチェアやテーブルを設置して楽しむ庭キャンプなんてものがあったりする。
遠くまで出かけたり、荷物を運んだりするのも結構な手間だったりするもんな。お手軽に楽しめて家の設備も使えるのは便利だ。欠点としては周りがいつもの見慣れた景色であるということと、お隣さんの家があると焚き火ができないことかな。
「ふわあ、とってもいい匂いです!」
「うむ、これはとても美味しそうだな」
お店の裏庭にテーブルと椅子を持ってきて、俺がこの世界に持ってきていた焚き火台を使って火を起こした。そして焚き火台の上には鍋が置いてある。
「これは簡単だけど美味しいポトフっていう料理だ」
ポトフは確かフランス料理だったかな。簡単に言うと肉と野菜をひとつの鍋でじっくりと煮込む料理だ。作り方はとても簡単。
まずは肉を軽く炒めて焼き色をつける。玉ねぎ、じゃがいも、にんじん、白菜などの野菜をいれてから水を入れる。ここに取り出しましたるはアウトドアショップで購入したインスタントスープのコンソメ味。
インスタントスープで味をつけて、あとは肉や野菜が柔らかくなるまで、弱火でじっくりと煮込むだけである。
そして仕上げにアウトドアスパイスで味を整えたら完成だ。最近の味付けはアウトドアスパイスばかりだが、それほど飽きはこないんだよな。さすがは万能スパイスである。
「お肉やお野菜がとっても柔らかくて美味しいです!」
「おお、これはうまいぞ! やはりこのコンソメというスープの味が複雑な味わいで素晴らしいな!」
じっくり煮込まれて柔らかくなった肉と野菜。コンソメの旨味が染み込み、それにアウトドアスパイスの香りが加わっていく。身体の中から温まる感覚だ。贅沢を言うならばポトフに定番のマスタードもほしかったな。
「今回は自分達で火を起こしたり、野菜を切ったりしてくれたから余計に美味しいでしょ」
今回の料理はリリアやフィアちゃんにも手伝ってもらった。やっぱりキャンプは火を起こしてみんなで料理をして、みんなで料理を味わうのが楽しいものである。
「うん、このお野菜を切ったのはフィアだよ!」
「そうだな、綺麗に切れているぞ。フィアちゃんはもう料理ができて偉いな」
「リリアは薪を斬ってくれたり、火を付けてくれたもんね」
フィアちゃんは野菜を切ってくれて、リリアは薪を斬ってくれた。しかも薪はナタではなく、自分の持っている剣で一瞬だった。前に森で魔物と戦った時と同じで太刀筋もまともに見えなかったな。火起こしもファイヤースターターを器用に使って、一瞬で麻紐に火を付けていた。
「いやあ、本当に美味しかったぞ。じっくりと時間をかけてみんなで料理をするのも楽しいものだな」
「フィアちゃんも普段お母さんの料理を手伝ってあるだけあって、野菜を切るのは上手だったね」
「うん。みんなで料理するのは楽しかったよ! そういえばテツヤお兄ちゃん、あのずっと煙が出ている箱はなあに?」
「ああ、もうそろそろ出来上がったかな?」