さて、お店の準備もある程度できたことだし、今日の晩ご飯を作るとしよう。今日はレーアさんの仕事が遅くなるそうなので、フィアちゃんもここで一緒に晩ご飯を食べていく。
レーアさんの分も持っていってもらうから、合計4人分だな。みんながどれだけ食べるかまだ分かっていないから、多めに作っておけばいいだろう。余ったら明日の朝に食べればいいだけだ。
というわけで完成した今日の晩ご飯がこちら。
「今日の晩ご飯は唐揚げだ! 熱いから気を付けて食べてね」
「唐揚げ……初めて聞く料理だな」
「ふわあ、いい匂いです!」
今日の晩ご飯は唐揚げとサラダとパンとスープだ。サラダは生野菜に朝の油とアウトドアスパイスを使ったドレッシングに、今回は酸味のある果物の果汁を加えて、少しだけパワーアップしてある。スープは唐揚げに合いそうな中華風のたまごスープのインスタントである。
そして今日のメインとなるのは唐揚げだ。この世界に来てから、泊まっていた宿や街の屋台では揚げ物がまったくないことに気付いた。基本的に宿や街の屋台で出てくる料理は焼いたり煮たりするものばかりだ。
一度揚げ物がないと分かってしまうと、どうしても揚げ物が食べたくなってしまったんだよな。というわけでないなら作ってしまおうと考えたわけだ。幸い唐揚げは元の世界で作ったことがあるので、一から作ってみた。
ライガー鳥という鳥型の魔物の肉をひとくち大の大きさに切り揃え、ニンニクや魚醤、アウトドアスパイスなどを混ぜ合わせたタレで揉み合わせ、しばらくタレに漬けておく。タレを漬けた肉に小麦粉と片栗粉混ぜた衣を付け、油で揚げる。一度揚げた後に、さらに高温でもう一度揚げることにより、中はジューシィで外側はパリッとした食感になるのだ。
「おお、パリッとした衣の中から、アツアツの肉の旨みが溢れてくるぞ! これは今まで味わったことがないが、本当に美味しいな!」
「ふーふー、熱いけど本当に美味しいです! こんな美味しいお肉初めて食べました!」
「多めに作ってあるから、ゆっくり食べていいよ」
唐揚げはまだ揚げたてでアツアツなので、ふーふーと冷ましながら唐揚げを食べるフィアちゃん。なんだか癒されるな。
うん、こちらの世界で初めて作った唐揚げにしてはだいぶ上手くできたな。魚醤を使ったタレでも十分にうまい。それほど高くない肉だったが、元の世界の鶏よりも美味しいかもしれない。
こちらの世界では油がそこまで高くないから助かった。魚醤は多少高かったが、醤油に近い味の調味料は必要だからな。多少高くても買い続けるとしよう。
「こっちのお野菜も味がついていて美味しいです!」
「このスープも優しい味で美味しいな! これも朝や昨日のスープとは違って美味しいぞ!」
「サラダにはドレッシングがかけてあるんだ。こっちのスープはふんわりとしたたまごが入っていて美味しいでしょ。あと唐揚げはこっちの酸味のある果物の果汁をかけるとサッパリして美味しいよ」
うむ、2人ともとても美味しそうに食べている。宿で食べる食事も美味しいが、こうやってテーブルを囲んでみんなで食べる食事も良いものである。俺も久しぶりにカロリーとかを気にしないジャンクな味を楽しめた。
「もしも〜し、テツヤさんはいますか〜?」
「うわっと!?」
食事を楽しんでいたところ、いきなり下の階から大きな声がした。それと同時に扉をノックする音が聞こえた。
「びっくりしたあ。こんな時間に誰だろう? ロイヤ達にはまだ店の場所を伝えてないし、声も違うな」
「テツヤ、たぶん冒険者ギルドで依頼していた収納魔法を使える者の件ではないか?」
「あっ、冒険者ギルドに依頼していた件か。悪いけどリリアも一緒に来てもらっていい?」
「ああ、もちろんだ」
ありえないとは思うが、冒険者ギルドの使いのフリをした強盗の可能性もある。用心はしておいたほうがいい。
「すみません、お待たせしました」
「君がテツヤさんだね。冒険者のランジェだよ、よろしくね〜」
美しく輝く長い金髪を後ろで束ね、肌は白くて整った顔立ちをしている男。そして彼の両耳は長く尖っている。その容姿はファンタジー小説で見かけるエルフそのものだった。
「……初めまして、テツヤです。よろしくお願いします」
この世界に来てからエルフの人を見るのは初めてだ。やはりエルフの容姿は整っているのか、めちゃくちゃイケメンである。……というか冒険者ギルドの使いの人かと思ったけれど、いきなり本人が来たのか。
「久しぶりだな、ランジェ。その軽い感じ、変わっていないな」
「やっほ〜リリア。リリアが冒険者を引退した後に、お店で働くってギルドマスターから聞いた時は驚いたよ!」
……んん? もしかしてリリアはこの人と知り合いだったりするのか?
「ランジェとは冒険者の時の知り合いでな。見た目と話し方はこんな感じだが、冒険者としてのこいつは信用できるやつだぞ」
そういえばリリアもランジェさんと同じBランク冒険者だったな。同じ高ランク冒険者同士だし知り合いでも不思議はないのか。
「とりあえず店の入り口ではあれなので、まずは中へどうぞ」
レーアさんの分も持っていってもらうから、合計4人分だな。みんながどれだけ食べるかまだ分かっていないから、多めに作っておけばいいだろう。余ったら明日の朝に食べればいいだけだ。
というわけで完成した今日の晩ご飯がこちら。
「今日の晩ご飯は唐揚げだ! 熱いから気を付けて食べてね」
「唐揚げ……初めて聞く料理だな」
「ふわあ、いい匂いです!」
今日の晩ご飯は唐揚げとサラダとパンとスープだ。サラダは生野菜に朝の油とアウトドアスパイスを使ったドレッシングに、今回は酸味のある果物の果汁を加えて、少しだけパワーアップしてある。スープは唐揚げに合いそうな中華風のたまごスープのインスタントである。
そして今日のメインとなるのは唐揚げだ。この世界に来てから、泊まっていた宿や街の屋台では揚げ物がまったくないことに気付いた。基本的に宿や街の屋台で出てくる料理は焼いたり煮たりするものばかりだ。
一度揚げ物がないと分かってしまうと、どうしても揚げ物が食べたくなってしまったんだよな。というわけでないなら作ってしまおうと考えたわけだ。幸い唐揚げは元の世界で作ったことがあるので、一から作ってみた。
ライガー鳥という鳥型の魔物の肉をひとくち大の大きさに切り揃え、ニンニクや魚醤、アウトドアスパイスなどを混ぜ合わせたタレで揉み合わせ、しばらくタレに漬けておく。タレを漬けた肉に小麦粉と片栗粉混ぜた衣を付け、油で揚げる。一度揚げた後に、さらに高温でもう一度揚げることにより、中はジューシィで外側はパリッとした食感になるのだ。
「おお、パリッとした衣の中から、アツアツの肉の旨みが溢れてくるぞ! これは今まで味わったことがないが、本当に美味しいな!」
「ふーふー、熱いけど本当に美味しいです! こんな美味しいお肉初めて食べました!」
「多めに作ってあるから、ゆっくり食べていいよ」
唐揚げはまだ揚げたてでアツアツなので、ふーふーと冷ましながら唐揚げを食べるフィアちゃん。なんだか癒されるな。
うん、こちらの世界で初めて作った唐揚げにしてはだいぶ上手くできたな。魚醤を使ったタレでも十分にうまい。それほど高くない肉だったが、元の世界の鶏よりも美味しいかもしれない。
こちらの世界では油がそこまで高くないから助かった。魚醤は多少高かったが、醤油に近い味の調味料は必要だからな。多少高くても買い続けるとしよう。
「こっちのお野菜も味がついていて美味しいです!」
「このスープも優しい味で美味しいな! これも朝や昨日のスープとは違って美味しいぞ!」
「サラダにはドレッシングがかけてあるんだ。こっちのスープはふんわりとしたたまごが入っていて美味しいでしょ。あと唐揚げはこっちの酸味のある果物の果汁をかけるとサッパリして美味しいよ」
うむ、2人ともとても美味しそうに食べている。宿で食べる食事も美味しいが、こうやってテーブルを囲んでみんなで食べる食事も良いものである。俺も久しぶりにカロリーとかを気にしないジャンクな味を楽しめた。
「もしも〜し、テツヤさんはいますか〜?」
「うわっと!?」
食事を楽しんでいたところ、いきなり下の階から大きな声がした。それと同時に扉をノックする音が聞こえた。
「びっくりしたあ。こんな時間に誰だろう? ロイヤ達にはまだ店の場所を伝えてないし、声も違うな」
「テツヤ、たぶん冒険者ギルドで依頼していた収納魔法を使える者の件ではないか?」
「あっ、冒険者ギルドに依頼していた件か。悪いけどリリアも一緒に来てもらっていい?」
「ああ、もちろんだ」
ありえないとは思うが、冒険者ギルドの使いのフリをした強盗の可能性もある。用心はしておいたほうがいい。
「すみません、お待たせしました」
「君がテツヤさんだね。冒険者のランジェだよ、よろしくね〜」
美しく輝く長い金髪を後ろで束ね、肌は白くて整った顔立ちをしている男。そして彼の両耳は長く尖っている。その容姿はファンタジー小説で見かけるエルフそのものだった。
「……初めまして、テツヤです。よろしくお願いします」
この世界に来てからエルフの人を見るのは初めてだ。やはりエルフの容姿は整っているのか、めちゃくちゃイケメンである。……というか冒険者ギルドの使いの人かと思ったけれど、いきなり本人が来たのか。
「久しぶりだな、ランジェ。その軽い感じ、変わっていないな」
「やっほ〜リリア。リリアが冒険者を引退した後に、お店で働くってギルドマスターから聞いた時は驚いたよ!」
……んん? もしかしてリリアはこの人と知り合いだったりするのか?
「ランジェとは冒険者の時の知り合いでな。見た目と話し方はこんな感じだが、冒険者としてのこいつは信用できるやつだぞ」
そういえばリリアもランジェさんと同じBランク冒険者だったな。同じ高ランク冒険者同士だし知り合いでも不思議はないのか。
「とりあえず店の入り口ではあれなので、まずは中へどうぞ」