「これが王都の冒険者ギルドか……大きいのもそうだけれど、とにかく豪勢な造りだね」
「この国で一番の冒険者ギルドですからね。対外的に冒険者ギルドの力を見せるためにも立派に作らないと駄目なのだと思いますよ」
「それにしても限度はあると思うがな。外見で驚いていたら、中に入ればもっと驚くと思うぞ」
王都に到着した次の日、リリアとアレフレアの街から護衛でついてくれたベルナさんとフェリーさんと一緒に王都の冒険者ギルドへとやってきた。他のみんなには宿で待っていてもらっている。
王都の冒険者ギルドはアレフレアの街の冒険者ギルドよりも少し大きく、何よりとても立派な建物だった。そもそも王都の建物自体がどれも立派な造りとなっていたが、それよりもさらに立派な造りである。
カランッカランッ
アレフレアの街の冒険者ギルドよりも立派で大きな扉を開くと、扉に設置されている鈴が冒険者ギルド内に鳴り響いた。中にいた冒険者達がこちらのほうに視線を送ってくる。
その鋭い威圧感のある視線はアレフレアの街にいる冒険者達と別物であるということは、戦闘の素人である俺にですらわかる。……というかここにいる冒険者達の装備は駆け出し冒険者とは段違いだな。
「おっ、Aランク冒険者の灼熱帝のベルナと蒼翠嵐のフェリーだ」
「相変わらずベルナ様はとても美しい! あっちの隻腕の女は初めて見るな」
「いや、前に2人と一緒にいたところを見たことがあるぞ。確かBランク冒険者だったはずだ」
冒険者ギルドの中にいた冒険者達がパーティ内でいろいろと話している声が聞こえてくる。ベルナさんとフェリーさんは王都で有名な冒険者らしいから、他の冒険者達にも知られているようだ。
それにリリアのパーティも2人と合同で依頼を受けていたらしいから、その関係で他の冒険者達にも知られているみたいだな。
「……あっちのしょぼい男は誰だ。まさかパーティを組んだとかじゃねえだろうな?」
「いや、知らねえな。冒険者の格好じゃねえし、ただの依頼者だろ」
……その通りだが、しょぼいはやめい! そりゃこっちの3人に比べてたら一般人のオーラしか感じられないのは分かるけどさ!
それにしてもリリアの言っている意味がよく分かった。確かに王都の冒険者ギルドは内装がとても豪華で、テーブルやイスなどの家具に至るまでそのすべてが立派なものであった。
そしてアレフレアの冒険者ギルドよりも冒険者の数はだいぶ少ないが、各々が良い武器や防具を揃えている。おそらくここにいるのは高ランクの冒険者ばかりなのだろう。なんと言うか、向こうの冒険者ギルドとは雰囲気がまるで違うな。
「ベルナ様とフェリー様ですね。お話は承っておりますので、ギルドマスターの部屋までご案内します」
受付にはとても美人な受付嬢さんがいた。化粧もしているようだし、服装もなんだかおしゃれな気がする。こういった細々したところにもアレフレアの街の冒険者ギルドとの違いを感じてしまう。
俺達が冒険者ギルドに来ることはすでに聞いているらしく、少しも待つことなく冒険者ギルドマスターの部屋の前へと案内された。
「やあ、君がテツヤくんか。遠路はるばるよく来てくれたね。私がこの冒険者のギルドマスターであるルハイルだ」
ギルドマスターの部屋に入ると、そこには机に両肘を立てて某司令官のように座っている30代前半くらいの女性がいた。様々な髪の色があるこの世界の中でもあまり見かけない銀色の髪をしており、凛とした雰囲気を醸し出している。椅子から立ち上がって右手を出して俺に握手を求めている。
何も知らなければ、王都の冒険者ギルドマスターを務めてるのが女性であるということにとても驚いていたと思うが、ルハイルさんが女性であるということはすでに昨日みんなから聞いていた。
「は、初めまして。テツヤと申します。ど、どうぞよろしくお願いします」
「こちらこそよろしく頼む。ああ、私が女性ということで驚いているのか。そうだな、初めて会った人には良く驚かれるよ」
……いや、そのことについてはすでにみんなから聞いていたのだが、ルハイルさんの胸がこれほどまでに大きいということはさすがに聞いていなかったぞ! 女性の胸のサイズなんて俺には分からないがおそらくG……H……いや、もしかしたらその上もあるんじゃないのか!?
しかしそこは元ブラック企業の営業で鍛えてきた経験を活かして、これ以上ルハイルさんやみんなにその動揺をバレないよう努めた。
そしてなんとかルハイルさんの胸を意識しないように、視線をルハイルさんの目に固定する。当たり前だが、取引営業先のお客様の胸を注視したりするなんて完全に論外である。
ランジェさんを連れてこなくて良かったかもしれない。ルハイルさんが女性と知って、ランジェさんも冒険者ギルドに来たいと言っていたんだよね。まあ、ランジェさんが巨乳派かは知らないのだが。
ランジェさんとドルファには俺達がいない間、アンジュやフィアちゃんの護衛を頼んである。実際に王都でうちの店の従業員が狙われる可能性もゼロではないからな。
「この国で一番の冒険者ギルドですからね。対外的に冒険者ギルドの力を見せるためにも立派に作らないと駄目なのだと思いますよ」
「それにしても限度はあると思うがな。外見で驚いていたら、中に入ればもっと驚くと思うぞ」
王都に到着した次の日、リリアとアレフレアの街から護衛でついてくれたベルナさんとフェリーさんと一緒に王都の冒険者ギルドへとやってきた。他のみんなには宿で待っていてもらっている。
王都の冒険者ギルドはアレフレアの街の冒険者ギルドよりも少し大きく、何よりとても立派な建物だった。そもそも王都の建物自体がどれも立派な造りとなっていたが、それよりもさらに立派な造りである。
カランッカランッ
アレフレアの街の冒険者ギルドよりも立派で大きな扉を開くと、扉に設置されている鈴が冒険者ギルド内に鳴り響いた。中にいた冒険者達がこちらのほうに視線を送ってくる。
その鋭い威圧感のある視線はアレフレアの街にいる冒険者達と別物であるということは、戦闘の素人である俺にですらわかる。……というかここにいる冒険者達の装備は駆け出し冒険者とは段違いだな。
「おっ、Aランク冒険者の灼熱帝のベルナと蒼翠嵐のフェリーだ」
「相変わらずベルナ様はとても美しい! あっちの隻腕の女は初めて見るな」
「いや、前に2人と一緒にいたところを見たことがあるぞ。確かBランク冒険者だったはずだ」
冒険者ギルドの中にいた冒険者達がパーティ内でいろいろと話している声が聞こえてくる。ベルナさんとフェリーさんは王都で有名な冒険者らしいから、他の冒険者達にも知られているようだ。
それにリリアのパーティも2人と合同で依頼を受けていたらしいから、その関係で他の冒険者達にも知られているみたいだな。
「……あっちのしょぼい男は誰だ。まさかパーティを組んだとかじゃねえだろうな?」
「いや、知らねえな。冒険者の格好じゃねえし、ただの依頼者だろ」
……その通りだが、しょぼいはやめい! そりゃこっちの3人に比べてたら一般人のオーラしか感じられないのは分かるけどさ!
それにしてもリリアの言っている意味がよく分かった。確かに王都の冒険者ギルドは内装がとても豪華で、テーブルやイスなどの家具に至るまでそのすべてが立派なものであった。
そしてアレフレアの冒険者ギルドよりも冒険者の数はだいぶ少ないが、各々が良い武器や防具を揃えている。おそらくここにいるのは高ランクの冒険者ばかりなのだろう。なんと言うか、向こうの冒険者ギルドとは雰囲気がまるで違うな。
「ベルナ様とフェリー様ですね。お話は承っておりますので、ギルドマスターの部屋までご案内します」
受付にはとても美人な受付嬢さんがいた。化粧もしているようだし、服装もなんだかおしゃれな気がする。こういった細々したところにもアレフレアの街の冒険者ギルドとの違いを感じてしまう。
俺達が冒険者ギルドに来ることはすでに聞いているらしく、少しも待つことなく冒険者ギルドマスターの部屋の前へと案内された。
「やあ、君がテツヤくんか。遠路はるばるよく来てくれたね。私がこの冒険者のギルドマスターであるルハイルだ」
ギルドマスターの部屋に入ると、そこには机に両肘を立てて某司令官のように座っている30代前半くらいの女性がいた。様々な髪の色があるこの世界の中でもあまり見かけない銀色の髪をしており、凛とした雰囲気を醸し出している。椅子から立ち上がって右手を出して俺に握手を求めている。
何も知らなければ、王都の冒険者ギルドマスターを務めてるのが女性であるということにとても驚いていたと思うが、ルハイルさんが女性であるということはすでに昨日みんなから聞いていた。
「は、初めまして。テツヤと申します。ど、どうぞよろしくお願いします」
「こちらこそよろしく頼む。ああ、私が女性ということで驚いているのか。そうだな、初めて会った人には良く驚かれるよ」
……いや、そのことについてはすでにみんなから聞いていたのだが、ルハイルさんの胸がこれほどまでに大きいということはさすがに聞いていなかったぞ! 女性の胸のサイズなんて俺には分からないがおそらくG……H……いや、もしかしたらその上もあるんじゃないのか!?
しかしそこは元ブラック企業の営業で鍛えてきた経験を活かして、これ以上ルハイルさんやみんなにその動揺をバレないよう努めた。
そしてなんとかルハイルさんの胸を意識しないように、視線をルハイルさんの目に固定する。当たり前だが、取引営業先のお客様の胸を注視したりするなんて完全に論外である。
ランジェさんを連れてこなくて良かったかもしれない。ルハイルさんが女性と知って、ランジェさんも冒険者ギルドに来たいと言っていたんだよね。まあ、ランジェさんが巨乳派かは知らないのだが。
ランジェさんとドルファには俺達がいない間、アンジュやフィアちゃんの護衛を頼んである。実際に王都でうちの店の従業員が狙われる可能性もゼロではないからな。