「こっ、これはとても立派な宿ですね……」
「フィアのおうちの何倍あるんだろう……」
アンジュやフィアちゃんが呆然としている気持ちがとてもよくわかる。間違いなく、俺もこの世界に来てから見た建物の中でも一番立派で華やかな建物だ。入り口にはキラキラとした装飾品などもあり、明らかに貧乏人は来るなというオーラが見える。
冒険者ギルドの人に案内されてやってきた宿はこの街で一番の宿らしい。普通なら貴族や大商人くらいしか泊まれないようなレベルの宿だ。
「……でも本当に費用は全部冒険者ギルド持ちでいいんだよね? あとで請求されたりしないかな?」
今回の旅の費用はすべて王都の冒険者ギルドが支払ってくれるはずだが、さすがにここまで高級な宿を取ってくれるとは思わなかった。一応従業員の分はこちらで出すと伝えたのだが、それも向こうが出してくれるとのことだった。
「ええ、もちろん大丈夫ですわ!」
「それだけ冒険者ギルドはテツヤに感謝している。あのダンジョンでも使える方位磁石にはこれだけの価値がある」
ベルナさんとフェリーさんがそう言ってくれるが、根っからの貧乏性である俺にこの宿は立派過ぎる気もする。普段はキャンプをしたり安宿に泊まっているくらいだからな。
この宿にある馬車を停める場所にいって馬車を置き、フェリーさんが召喚していたスレプの召喚を解除する。スレプのおかげで、かなりの早さでここまで来ることができた。また明日も馬車を引いてもらうことだし、ゆっくりと休んでもらうことにしよう。
「……外見だけじゃなくて、部屋の中もすごいな」
「僕もこのレベルの宿には数えるほどしか泊まったことがないね」
「もちろん俺は初めてだ。そもそもアレフレアの街にはこれほどの宿がないと思うぞ」
宿の受付をして案内された部屋の内装はとても豪華なものだった。俺が使っているものよりもはるかに大きくて柔らかいベッドが人数分あり、3人で使うには十分過ぎるほど大きく、キラキラとして装飾品がふんだんに使われた部屋だった。
この部屋には男3人で泊まり、隣の部屋には女性陣5人が泊まる。たぶん向こうの部屋もこの部屋と同じかそれ以上に豪華なんだろうな。
「この分だと今日の晩ご飯にも期待ができるね!」
「そうだね。このレベルの宿の食事がどれだけおいしいか楽しみだよ!」
今日の晩ご飯と明日の朝食はこの宿でいただいてから、この街を出発する。これだけ立派な宿の食事がどんなものかはとても気になるところだ。アレフレアにある高級な料理店へ行ったことはあるが、きっとそこよりもおいしいんだろうな。
本当はこのエイブラの街もゆっくり回って、おいしいものを食べ歩いたりしたいところだが、目的は王都へ行くことだからもう明日には出てしまう。今度来るときにはぜひゆっくりと回りたいところだ。
「さすが高級宿だけあって、料理もとてもおいしかったね」
「うん! とってもおいしくて、フィアはもうお腹がパンパンだよ!」
この高級宿の食事はどれもなかなかおいしかった。そもそも肉の味自体がワイルドボアよりも数段上で、噛めば柔らかく肉汁が溢れてきた。もしかしたらワイバーンと同じくらいおいしい肉だったかもしれない。
今は晩ご飯を食べたあと、少しだけ女性陣の部屋へお邪魔している。
「でも味付けはテツヤのほうが上」
「そうですね、私もそう思いますわ!」
「ああ、私もそう思うぞ!」
「ありがとう。でも味付けは俺の手柄じゃないからね。それにしてもアレフレアの街では食べたことのない、いろんな料理が食べられてとても満足だよ」
フェリーさん達やリリアがそう言ってくれるのはとても嬉しいが、基本的に味付けはアウトドアスパイスやインスタントスープや棒状ラーメンのスープの素などを使用している。唯一自分で試行錯誤をして作ったのは焼肉のタレくらいだからな。
しかし街が変われば使われる食材もまったく異なるようだ。アレフレアの街では見たことがない肉や魚などもいくつかあった。特に魚のほうはアレフレアの街では川魚くらいしか見かけないので、久しぶりに海で獲れた魚の味を楽しめたな。
「魚とか貝とかの料理も出ていたけれど、もしかしてこの辺りって海が近かったりするの?」
「うん、王都やアレフレアの街とはまた違う方向だけれど、海が近くにあるイブラルって街がこのあたりにあるんだよ」
さすがランジェさん、いろいろと旅をしてきただけあって、この辺りの地理には詳しいようだ。
「イブラルの街か。以前にアンジュと旅行に行ったことがあったな」
「ええ。数年前ですけれど、一度旅行で行ったことがありますね。海の街だけあって、新鮮な魚料理がとてもおいしかったです。今日の料理も同じくらいおいしかったですね」
「へえ~海が近くにある街か。おいしい食材がいっぱいありそうだね。今回は寄れないと思うけれど、別の機会にまた旅行へ行ってみてもいいかもしれないね」
「ああ、みんなでいろんな場所へ旅行にいくのは楽しいものな」
海の食材もおいしいものがたくさんあるだろうし、一度行ってみたいかもしれない。それにリリアの言う通り、大勢で旅行をしておいしいものを食べるのはとても楽しいものだ。
今回は王都への往復で精一杯だが、しばらくしたらまた店をしばらく休みにしてみんなと一緒にいろいろな場所へ旅行に行くとしよう。
「フィアのおうちの何倍あるんだろう……」
アンジュやフィアちゃんが呆然としている気持ちがとてもよくわかる。間違いなく、俺もこの世界に来てから見た建物の中でも一番立派で華やかな建物だ。入り口にはキラキラとした装飾品などもあり、明らかに貧乏人は来るなというオーラが見える。
冒険者ギルドの人に案内されてやってきた宿はこの街で一番の宿らしい。普通なら貴族や大商人くらいしか泊まれないようなレベルの宿だ。
「……でも本当に費用は全部冒険者ギルド持ちでいいんだよね? あとで請求されたりしないかな?」
今回の旅の費用はすべて王都の冒険者ギルドが支払ってくれるはずだが、さすがにここまで高級な宿を取ってくれるとは思わなかった。一応従業員の分はこちらで出すと伝えたのだが、それも向こうが出してくれるとのことだった。
「ええ、もちろん大丈夫ですわ!」
「それだけ冒険者ギルドはテツヤに感謝している。あのダンジョンでも使える方位磁石にはこれだけの価値がある」
ベルナさんとフェリーさんがそう言ってくれるが、根っからの貧乏性である俺にこの宿は立派過ぎる気もする。普段はキャンプをしたり安宿に泊まっているくらいだからな。
この宿にある馬車を停める場所にいって馬車を置き、フェリーさんが召喚していたスレプの召喚を解除する。スレプのおかげで、かなりの早さでここまで来ることができた。また明日も馬車を引いてもらうことだし、ゆっくりと休んでもらうことにしよう。
「……外見だけじゃなくて、部屋の中もすごいな」
「僕もこのレベルの宿には数えるほどしか泊まったことがないね」
「もちろん俺は初めてだ。そもそもアレフレアの街にはこれほどの宿がないと思うぞ」
宿の受付をして案内された部屋の内装はとても豪華なものだった。俺が使っているものよりもはるかに大きくて柔らかいベッドが人数分あり、3人で使うには十分過ぎるほど大きく、キラキラとして装飾品がふんだんに使われた部屋だった。
この部屋には男3人で泊まり、隣の部屋には女性陣5人が泊まる。たぶん向こうの部屋もこの部屋と同じかそれ以上に豪華なんだろうな。
「この分だと今日の晩ご飯にも期待ができるね!」
「そうだね。このレベルの宿の食事がどれだけおいしいか楽しみだよ!」
今日の晩ご飯と明日の朝食はこの宿でいただいてから、この街を出発する。これだけ立派な宿の食事がどんなものかはとても気になるところだ。アレフレアにある高級な料理店へ行ったことはあるが、きっとそこよりもおいしいんだろうな。
本当はこのエイブラの街もゆっくり回って、おいしいものを食べ歩いたりしたいところだが、目的は王都へ行くことだからもう明日には出てしまう。今度来るときにはぜひゆっくりと回りたいところだ。
「さすが高級宿だけあって、料理もとてもおいしかったね」
「うん! とってもおいしくて、フィアはもうお腹がパンパンだよ!」
この高級宿の食事はどれもなかなかおいしかった。そもそも肉の味自体がワイルドボアよりも数段上で、噛めば柔らかく肉汁が溢れてきた。もしかしたらワイバーンと同じくらいおいしい肉だったかもしれない。
今は晩ご飯を食べたあと、少しだけ女性陣の部屋へお邪魔している。
「でも味付けはテツヤのほうが上」
「そうですね、私もそう思いますわ!」
「ああ、私もそう思うぞ!」
「ありがとう。でも味付けは俺の手柄じゃないからね。それにしてもアレフレアの街では食べたことのない、いろんな料理が食べられてとても満足だよ」
フェリーさん達やリリアがそう言ってくれるのはとても嬉しいが、基本的に味付けはアウトドアスパイスやインスタントスープや棒状ラーメンのスープの素などを使用している。唯一自分で試行錯誤をして作ったのは焼肉のタレくらいだからな。
しかし街が変われば使われる食材もまったく異なるようだ。アレフレアの街では見たことがない肉や魚などもいくつかあった。特に魚のほうはアレフレアの街では川魚くらいしか見かけないので、久しぶりに海で獲れた魚の味を楽しめたな。
「魚とか貝とかの料理も出ていたけれど、もしかしてこの辺りって海が近かったりするの?」
「うん、王都やアレフレアの街とはまた違う方向だけれど、海が近くにあるイブラルって街がこのあたりにあるんだよ」
さすがランジェさん、いろいろと旅をしてきただけあって、この辺りの地理には詳しいようだ。
「イブラルの街か。以前にアンジュと旅行に行ったことがあったな」
「ええ。数年前ですけれど、一度旅行で行ったことがありますね。海の街だけあって、新鮮な魚料理がとてもおいしかったです。今日の料理も同じくらいおいしかったですね」
「へえ~海が近くにある街か。おいしい食材がいっぱいありそうだね。今回は寄れないと思うけれど、別の機会にまた旅行へ行ってみてもいいかもしれないね」
「ああ、みんなでいろんな場所へ旅行にいくのは楽しいものな」
海の食材もおいしいものがたくさんあるだろうし、一度行ってみたいかもしれない。それにリリアの言う通り、大勢で旅行をしておいしいものを食べるのはとても楽しいものだ。
今回は王都への往復で精一杯だが、しばらくしたらまた店をしばらく休みにしてみんなと一緒にいろいろな場所へ旅行に行くとしよう。