「それじゃあロイヤ達パーティのDランク昇格を祝って乾杯!」
「「「乾杯!」」」
コンッ
多数の木製のコップのぶつかりあう音が店内に響き渡る。
今日はこの世界に来た時に俺を助けてくれた駆け出し冒険者パーティのロイヤ達がEランクからDランクに昇格したお祝いだ。いつも通りというべきか、俺が初めて泊まった宿の食事処に集まってお祝いをしている。
この宿は店をやっているマッチョなおっさんの作る料理がとてもうまくて、今でもたまにリリアやランジェさんと一緒に食事へ来たりしている。
「……ぷはあ、仕事終わりの酒はやっぱりうまいな! それにしてもロイヤ達もついにDランク冒険者かあ~これで駆け出し冒険者も卒業になるんだよな?」
「ああ、一応な。だけどEランク冒険者からDランク冒険者に上がりたてが一番危ないって、冒険者ギルドの職員さん達も言っていたから気を付けないと」
「ロイヤの言う通り、駆け出し冒険者を卒業したばかりのこの時期がいろいろと調子に乗りがちで事故率が高くなるって話だ」
なるほどな。ロイヤとファルの言う通り、人はある程度仕事に慣れてき始めが一番大きなミスをしがちだと元の世界でも言われたっけな。しかもここは異世界で、ひとつの大きなミスが命取りになってしまう。
「ロイヤも多少は成長しているみたいだし、私とファルもちゃんと自覚しているから大丈夫よ。パーティ内にひとりおっちょこちょいがいると、他のみんなはより冷静になるって本当なのね」
「おい、ニコレ。誰がおっちょこちょいだって!?」
「相変わらずみんな仲が良さそうなパーティでなによりだよ。まあいつも冷静そうなファルとニコレがいるから大丈夫そうだな」
「おい、テツヤまでそんなことを言うなよな」
「これでもだいぶマシになったほうなんだぞ。冒険者になりたての頃は魔物を見つけたら何も考えずに突っ込むだけだったからな」
「ファルまで……」
ロイヤと出会った時はそんな感じだったな。まあその分ファルもニコレもいるし大丈夫そうだ。
「それにしても今日はフィアちゃんがいないのは本当に残念ね……でも久しぶりにアルベラちゃんと会えたのはよかったわ!」
「「「………………」」」
……ごめん訂正する。いつも冷静そうなファルがいるし、なんとかなるだろう……たぶん。
ちなみにアルべラちゃんとはこの宿で働いている金髪ツインテールの可愛い女の子だ。この宿の店主であるマッチョなおっさんからどうしてこんなに可愛らしい女の子が生まれたのかは気になるところではあるな。
相変わらずニコレは可愛いものや可愛い女の子が好きらしい。
「とりあえず今日は俺のおごりだから、好きなだけ飲んで食べてくれよ」
「サンキュー、テツヤ!」
「ありがとう、ごちそうになるぞ!」
「ありがとう、テツヤ!」
最近はお店の営業も軌道に乗って結構な利益を得ている。そもそもこの店の料理はそこまで高くはないし、みんなはお酒も飲まないからお金はそれほどかからないからな。
「相変わらずここの料理はおいしいね。値段も考えるとかなりいい店だよ」
「うむ。それに味付けもいろいろと変わっているようだ。こっちの煮込み料理はさらにおいしくなっているぞ」
「ランジェさんもリリアさんも今日はわざわざありがとうございます!」
フィアちゃんは来られなかったが、今日は仕事が終わったあと、ちょうどランジェさんも依頼を終えてお店に帰ってきたので、誘ってみたら一緒に来てくれた。
「こういうおめでたい席に呼ばれるのは僕も好きだからね。本当におめでとう」
「ああ。出会ったばかりのころは本当に駆け出し冒険者だったロイヤ達がもう昇格とは感慨深いものがあるな」
「あ、ありがとうございます! ランジェさんやリリアさんにはいつもアドバイスをもらっていて、とても感謝しています!」
「なに、私もまだ駆け出し冒険者だったころはロイヤ達と同じように、よく先輩冒険者達のお世話になったものだ。私達に感謝しているのなら、その分はぜひとも出会った駆け出し冒険者に返してやってくれ」
「はい、もちろんです!」
リリアは元Bランク冒険者だし、ランジェさんは現役のBランク冒険者だ。アウトドアショップのお客さんもよく2人にはアドバイスを求めにお店にまでやってきてくれている。
それに2人からアドバイスをもらったお客さんはお店の商品をひとつは買ってくれる。お店としては別に強制する気はないのだが、暗黙の了解でみんな一つくらいは商品を買ってくれるんだよな。
「……そういえばランジェさん。3人は俺の大切な友人なんですからね。軽い気持ちでニコレに声をかけたりはしないでくださいね」
一応ランジェさんには釘を刺しておかないといけない。ロイヤ達は俺の命の恩人だ。もちろんランジェさんが本気で好きになったのなら話は別だが、軽い気持ちでニコレを誘ったりされては困る。
「……テツヤは心配性だね。大丈夫だよ、この前に3人はテツヤの命の恩人だって聞いたから、軽い気持ちで声を掛けたりはしないよ」
さすがに俺の杞憂だったか。ニコレも獣人の女性の中ではかなり可愛いほうだと思うから少し心配だったんだ。
「……それに彼女には出会った時に食事へ誘ったけれど、断られちゃったからね」
「………………」
すでに声をかけていたんかい!
「ベルナさんとフェリーさんにもあっさりと断られちゃったし、自信がなくなっちゃうよねえ……」
まあニコレは少し変わっているし、ベルナさんもフェリーさんも男性からのお誘いが多そうだったもんな。
まあなんにせよランジェさんがロイヤ達のパーティを崩壊させるなんてことがなさそうでよかったよ……
「「「乾杯!」」」
コンッ
多数の木製のコップのぶつかりあう音が店内に響き渡る。
今日はこの世界に来た時に俺を助けてくれた駆け出し冒険者パーティのロイヤ達がEランクからDランクに昇格したお祝いだ。いつも通りというべきか、俺が初めて泊まった宿の食事処に集まってお祝いをしている。
この宿は店をやっているマッチョなおっさんの作る料理がとてもうまくて、今でもたまにリリアやランジェさんと一緒に食事へ来たりしている。
「……ぷはあ、仕事終わりの酒はやっぱりうまいな! それにしてもロイヤ達もついにDランク冒険者かあ~これで駆け出し冒険者も卒業になるんだよな?」
「ああ、一応な。だけどEランク冒険者からDランク冒険者に上がりたてが一番危ないって、冒険者ギルドの職員さん達も言っていたから気を付けないと」
「ロイヤの言う通り、駆け出し冒険者を卒業したばかりのこの時期がいろいろと調子に乗りがちで事故率が高くなるって話だ」
なるほどな。ロイヤとファルの言う通り、人はある程度仕事に慣れてき始めが一番大きなミスをしがちだと元の世界でも言われたっけな。しかもここは異世界で、ひとつの大きなミスが命取りになってしまう。
「ロイヤも多少は成長しているみたいだし、私とファルもちゃんと自覚しているから大丈夫よ。パーティ内にひとりおっちょこちょいがいると、他のみんなはより冷静になるって本当なのね」
「おい、ニコレ。誰がおっちょこちょいだって!?」
「相変わらずみんな仲が良さそうなパーティでなによりだよ。まあいつも冷静そうなファルとニコレがいるから大丈夫そうだな」
「おい、テツヤまでそんなことを言うなよな」
「これでもだいぶマシになったほうなんだぞ。冒険者になりたての頃は魔物を見つけたら何も考えずに突っ込むだけだったからな」
「ファルまで……」
ロイヤと出会った時はそんな感じだったな。まあその分ファルもニコレもいるし大丈夫そうだ。
「それにしても今日はフィアちゃんがいないのは本当に残念ね……でも久しぶりにアルベラちゃんと会えたのはよかったわ!」
「「「………………」」」
……ごめん訂正する。いつも冷静そうなファルがいるし、なんとかなるだろう……たぶん。
ちなみにアルべラちゃんとはこの宿で働いている金髪ツインテールの可愛い女の子だ。この宿の店主であるマッチョなおっさんからどうしてこんなに可愛らしい女の子が生まれたのかは気になるところではあるな。
相変わらずニコレは可愛いものや可愛い女の子が好きらしい。
「とりあえず今日は俺のおごりだから、好きなだけ飲んで食べてくれよ」
「サンキュー、テツヤ!」
「ありがとう、ごちそうになるぞ!」
「ありがとう、テツヤ!」
最近はお店の営業も軌道に乗って結構な利益を得ている。そもそもこの店の料理はそこまで高くはないし、みんなはお酒も飲まないからお金はそれほどかからないからな。
「相変わらずここの料理はおいしいね。値段も考えるとかなりいい店だよ」
「うむ。それに味付けもいろいろと変わっているようだ。こっちの煮込み料理はさらにおいしくなっているぞ」
「ランジェさんもリリアさんも今日はわざわざありがとうございます!」
フィアちゃんは来られなかったが、今日は仕事が終わったあと、ちょうどランジェさんも依頼を終えてお店に帰ってきたので、誘ってみたら一緒に来てくれた。
「こういうおめでたい席に呼ばれるのは僕も好きだからね。本当におめでとう」
「ああ。出会ったばかりのころは本当に駆け出し冒険者だったロイヤ達がもう昇格とは感慨深いものがあるな」
「あ、ありがとうございます! ランジェさんやリリアさんにはいつもアドバイスをもらっていて、とても感謝しています!」
「なに、私もまだ駆け出し冒険者だったころはロイヤ達と同じように、よく先輩冒険者達のお世話になったものだ。私達に感謝しているのなら、その分はぜひとも出会った駆け出し冒険者に返してやってくれ」
「はい、もちろんです!」
リリアは元Bランク冒険者だし、ランジェさんは現役のBランク冒険者だ。アウトドアショップのお客さんもよく2人にはアドバイスを求めにお店にまでやってきてくれている。
それに2人からアドバイスをもらったお客さんはお店の商品をひとつは買ってくれる。お店としては別に強制する気はないのだが、暗黙の了解でみんな一つくらいは商品を買ってくれるんだよな。
「……そういえばランジェさん。3人は俺の大切な友人なんですからね。軽い気持ちでニコレに声をかけたりはしないでくださいね」
一応ランジェさんには釘を刺しておかないといけない。ロイヤ達は俺の命の恩人だ。もちろんランジェさんが本気で好きになったのなら話は別だが、軽い気持ちでニコレを誘ったりされては困る。
「……テツヤは心配性だね。大丈夫だよ、この前に3人はテツヤの命の恩人だって聞いたから、軽い気持ちで声を掛けたりはしないよ」
さすがに俺の杞憂だったか。ニコレも獣人の女性の中ではかなり可愛いほうだと思うから少し心配だったんだ。
「……それに彼女には出会った時に食事へ誘ったけれど、断られちゃったからね」
「………………」
すでに声をかけていたんかい!
「ベルナさんとフェリーさんにもあっさりと断られちゃったし、自信がなくなっちゃうよねえ……」
まあニコレは少し変わっているし、ベルナさんもフェリーさんも男性からのお誘いが多そうだったもんな。
まあなんにせよランジェさんがロイヤ達のパーティを崩壊させるなんてことがなさそうでよかったよ……