「お待たせ、今日の晩ご飯はクッパだよ」
「クッパとはなんなのだ?」
「簡単に言うとスープとご飯の料理だよ」
焼肉屋でよくあるカルビクッパ。あれは焼肉のカルビと韓国語でスープを意味するクッ、ご飯を意味するパを組み合わせた言葉になる。つまりカルビとスープとご飯を合わせた料理というわけだ。
「へえ〜いい匂いだね! なんだかいろいろ入ってみたいだよ」
「うん、インスタントスープのたまごスープとワカメごはんに肉と野菜を混ぜたんだ」
新商品の販売を始めて、忙しかった今週もなんとか乗り切り、今日はのんびりとした休日を過ごした。明日からまた忙しい日々が始まると思うと、少しだけ憂鬱である。
……うん、この世界だと普通の商店は週一休みか無休が普通だが、うちのお店は週休2日にして本当に良かった。週の休みが1日と2日ではだいぶ違うからな。
「おお! うまいな、これは!」
「うん、スープとライスって合わせるとこんな味がするんだね!」
「スープとご飯の組み合わせもなかなかいけるでしょ。あっ、少し辛めの調味料もあるからこっちを入れても美味しいよ」
インスタントスープであるたまごスープと、アルファ米のワカメごはんを組み合わせた料理だ。クッパは辛めのものが多いけれど、個人的には辛くないやつのほうが好きなんだよな。
インスタントスープやアルファ米や棒状ラーメンが購入できることによって、食卓に並ぶメニューが一気に増えた。最近ではいろいろなものを組み合わせて、元の世界の料理を作るのが楽しくなってきている。
リリアもいつも美味しそうにご飯を食べてくれるし、ランジェさんも今週はアウトドアショップのほうを手伝ってくれていたから、ご飯はここで食べている。俺としても、俺が作った料理を2人が美味しそうに食べてくれるのを見るのは嬉しかったりする。
「ふう〜美味しかった。明日からテツヤのご飯が食べられなくなると思うと寂しいね……」
ランジェさんは明日の朝にまた別の街に出発してしまう。俺としてもランジェさんがいてくれると、魔法で冷えたお酒が一緒に飲めるから寂しい限りである。お酒とは別に食事は大勢で食べたほうがおいしいもんな。
「そう言ってくれるのは嬉しいね。今週はランジェさんがいてくれたおかげでとても助かったよ。また収納魔法に入る分の料理を作っておくし、棒状ラーメンや他のやつも渡しておくからさ」
「うん、ありがとうね!」
予想通り棒状ラーメンと栄養食品の新商品は大人気で、結構なお客さんが来てくれた。今週はランジェさんがいてくれて大助かりだった。接客業は初めてだと言っていたが、これまでの経験があるのか、すぐに仕事に慣れていた。……というかランジェさんて、いったいいくつなんだろ?
「また再来週からも新しい商品を販売するんでしょ? よければまた手伝うよ」
「えっ、いいの? ランジェさんがいてくれるとこっちはすごく助かるんだけど」
「そうだな。やはり新しい商品を販売してすぐはとても忙しい。ランジェがいてくれると助かるぞ」
来週は今週よりもお客さんも落ち着くとは思うが、また新しい商品を販売してすぐはお客さんが並ぶから、今週みたいにランジェさんがいてくれるとすごく助かる。
「うん、いいよ。店員の仕事も結構面白かったからね。しばらくは冒険者の依頼と半々くらいにしようかな」
おお、それは本当に助かるな。とはいえ本当にいいのだろうか。今週ランジェさんがアウトドアショップで働いてくれた分の給金は他のみんなと同様に渡したが、Bランク冒険者の稼ぎに比べたら全然低いと思うのだが……
「それに来週は今週知り合った女の子と、こっちでデートする約束もしているからね!」
「「………………」」
うん、ランジェさんはランジェさんのようだ。お金に関わらず、自分の気に入った依頼しか受けないそうだし、ある意味自由な冒険者らしいといえばらしいのかもしれない。
……女の子にモテてデートなんて羨ましいとか、ほんのちょっとしか思ってないからな。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「今週はランジェさんがいないから、先週よりも忙しいと思うけれど頑張ろうね」
「うむ!」
「おう!」
「はいです!」
また今日から新しい週が始まる。今週はランジェさんがいないので、先週よりも忙しいことは間違いないだろう。まだまだ棒状ラーメンや栄養食品を求めてお店に並んでくれるお客さんも多いから頑張らなくてはいけないな。
店員がひとり足りなくなった分は、店の外に立って列を整理する店員を減らすことにした。何度かお店に来てくれている常連のお客さんは、すでに列の並びかたも分かっている。
お客さんがひとり店の中から出たら、外に並んでいるひとりが入るだけなので、店の外で案内をする人はいなくても多分大丈夫だろう。
今週も頑張るとしよう!
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「「「ありがとうございました」」」
無事に今週最後のお客さんを見送った。予想通り今週も新商品である棒状ラーメンや栄養食品を求めて、朝から大勢のお客さん達がお店に来てくれた。
やはり外に列を作って待ってくれているお客さん達のトラブルは多少増えたが、それ以外に大きなトラブルはなく、無事に今週を終えることができた。
やはりランジェさんひとりが抜けるとなかなかに忙しい。アウトドアショップの能力がレベルアップしたことで購入できるようになった商品の中でも、棒状ラーメンと栄養食品は人気が出そうな商品だったから仕方がないか。
来週からはまた新しい商品を販売するし、冒険者ギルドの方では写した地図を販売する。また来週も忙しくなりそうだ。
「クッパとはなんなのだ?」
「簡単に言うとスープとご飯の料理だよ」
焼肉屋でよくあるカルビクッパ。あれは焼肉のカルビと韓国語でスープを意味するクッ、ご飯を意味するパを組み合わせた言葉になる。つまりカルビとスープとご飯を合わせた料理というわけだ。
「へえ〜いい匂いだね! なんだかいろいろ入ってみたいだよ」
「うん、インスタントスープのたまごスープとワカメごはんに肉と野菜を混ぜたんだ」
新商品の販売を始めて、忙しかった今週もなんとか乗り切り、今日はのんびりとした休日を過ごした。明日からまた忙しい日々が始まると思うと、少しだけ憂鬱である。
……うん、この世界だと普通の商店は週一休みか無休が普通だが、うちのお店は週休2日にして本当に良かった。週の休みが1日と2日ではだいぶ違うからな。
「おお! うまいな、これは!」
「うん、スープとライスって合わせるとこんな味がするんだね!」
「スープとご飯の組み合わせもなかなかいけるでしょ。あっ、少し辛めの調味料もあるからこっちを入れても美味しいよ」
インスタントスープであるたまごスープと、アルファ米のワカメごはんを組み合わせた料理だ。クッパは辛めのものが多いけれど、個人的には辛くないやつのほうが好きなんだよな。
インスタントスープやアルファ米や棒状ラーメンが購入できることによって、食卓に並ぶメニューが一気に増えた。最近ではいろいろなものを組み合わせて、元の世界の料理を作るのが楽しくなってきている。
リリアもいつも美味しそうにご飯を食べてくれるし、ランジェさんも今週はアウトドアショップのほうを手伝ってくれていたから、ご飯はここで食べている。俺としても、俺が作った料理を2人が美味しそうに食べてくれるのを見るのは嬉しかったりする。
「ふう〜美味しかった。明日からテツヤのご飯が食べられなくなると思うと寂しいね……」
ランジェさんは明日の朝にまた別の街に出発してしまう。俺としてもランジェさんがいてくれると、魔法で冷えたお酒が一緒に飲めるから寂しい限りである。お酒とは別に食事は大勢で食べたほうがおいしいもんな。
「そう言ってくれるのは嬉しいね。今週はランジェさんがいてくれたおかげでとても助かったよ。また収納魔法に入る分の料理を作っておくし、棒状ラーメンや他のやつも渡しておくからさ」
「うん、ありがとうね!」
予想通り棒状ラーメンと栄養食品の新商品は大人気で、結構なお客さんが来てくれた。今週はランジェさんがいてくれて大助かりだった。接客業は初めてだと言っていたが、これまでの経験があるのか、すぐに仕事に慣れていた。……というかランジェさんて、いったいいくつなんだろ?
「また再来週からも新しい商品を販売するんでしょ? よければまた手伝うよ」
「えっ、いいの? ランジェさんがいてくれるとこっちはすごく助かるんだけど」
「そうだな。やはり新しい商品を販売してすぐはとても忙しい。ランジェがいてくれると助かるぞ」
来週は今週よりもお客さんも落ち着くとは思うが、また新しい商品を販売してすぐはお客さんが並ぶから、今週みたいにランジェさんがいてくれるとすごく助かる。
「うん、いいよ。店員の仕事も結構面白かったからね。しばらくは冒険者の依頼と半々くらいにしようかな」
おお、それは本当に助かるな。とはいえ本当にいいのだろうか。今週ランジェさんがアウトドアショップで働いてくれた分の給金は他のみんなと同様に渡したが、Bランク冒険者の稼ぎに比べたら全然低いと思うのだが……
「それに来週は今週知り合った女の子と、こっちでデートする約束もしているからね!」
「「………………」」
うん、ランジェさんはランジェさんのようだ。お金に関わらず、自分の気に入った依頼しか受けないそうだし、ある意味自由な冒険者らしいといえばらしいのかもしれない。
……女の子にモテてデートなんて羨ましいとか、ほんのちょっとしか思ってないからな。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「今週はランジェさんがいないから、先週よりも忙しいと思うけれど頑張ろうね」
「うむ!」
「おう!」
「はいです!」
また今日から新しい週が始まる。今週はランジェさんがいないので、先週よりも忙しいことは間違いないだろう。まだまだ棒状ラーメンや栄養食品を求めてお店に並んでくれるお客さんも多いから頑張らなくてはいけないな。
店員がひとり足りなくなった分は、店の外に立って列を整理する店員を減らすことにした。何度かお店に来てくれている常連のお客さんは、すでに列の並びかたも分かっている。
お客さんがひとり店の中から出たら、外に並んでいるひとりが入るだけなので、店の外で案内をする人はいなくても多分大丈夫だろう。
今週も頑張るとしよう!
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「「「ありがとうございました」」」
無事に今週最後のお客さんを見送った。予想通り今週も新商品である棒状ラーメンや栄養食品を求めて、朝から大勢のお客さん達がお店に来てくれた。
やはり外に列を作って待ってくれているお客さん達のトラブルは多少増えたが、それ以外に大きなトラブルはなく、無事に今週を終えることができた。
やはりランジェさんひとりが抜けるとなかなかに忙しい。アウトドアショップの能力がレベルアップしたことで購入できるようになった商品の中でも、棒状ラーメンと栄養食品は人気が出そうな商品だったから仕方がないか。
来週からはまた新しい商品を販売するし、冒険者ギルドの方では写した地図を販売する。また来週も忙しくなりそうだ。