私はベルべスクの記憶から更に情報を探った。それをみんなに伝える。

「……ベルべスクの知っていたことは、今回の誘拐事件の一部。それとデビルミストの件に、結界のことぐらいか」

「まさか、厄災を起こしていたのが魔族。今まで起きた厄災も……」

「あり得るな。ルイ、厄災の正体は黒魔術だったんだよな?」

 そう聞かれ私は頷いた。

「うん、そうだよ。それに城で厄災の全てが解き放たれるみたい」

「城で……この町でじゃないのか?」

「んーこの町での厄災は、あのデビルミスト二体だけみたいだよ」

 そう答えるとグレイは考え始める。

「恐らくその二体で事が足りると、判断したのかもしれませんね」

「それなら、今のところこの町は大丈夫だな」

「そうですね。そうなると……」

 ふと私は思う。


 二人共、喧嘩してたのに何もなかったように会話してる。それに、それだけじゃない。草原でのデビルミスト退治の時もそうだった。
 それと、考え方が似てる。気のせいかもだけど、息もぴったりだ。


 そう考えながら私は、グレイとムドルさんを順にみた。

「グレイフェズとムドル……二人共、似ているな」

 そう言われグレイは、嫌な顔をする。

「ムドルと俺が似ている……って、どこがですか? どうみても違うかと!!」

 それを聞いたムドルさんの方は、なぜか下を向いていた。

「確かに……私も似ているとは到底、思えません!」

 そう言いお互い睨み合っている。

「妾も似ていると思うのじゃ」

「メーメル様。どこをどうみたら、そうなるのですか?」

「どうみたって、違うだろう!」

 その様子をみて私も似ていると思った。

「話し方は似てないけど。仕草や考え方、行動が似てる気がする」

 そう私が言うとムドルさんは、急に黙り込み下を向く。

「ムドル、どうしたのじゃ? そいえば、自分のことについて話すと言っておったが。そのことと関係があるのかのう」

「メーメル様……それは、話さないでも済むのならと思っていましたが……そうもいかないみたいですね」

「どういう事だ? まさか俺にも関係あることじゃねえよな」

 そう言いグレイはムドルさんを見据える。

「さあ、どうでしょうか。ですが、今このことを話している場合でもないかと」

「確かに、そうだな。それにその様子じゃ。まだ話す覚悟が、ちゃんとできてないんだろう?」

「グレイ、ええ……そうですね。やはり、もう少し時間を頂きたいかと」

 そう言いながらムドルさんは、どこか遠くをみるような目をした。

「うむ。その時がきたら、私にも聞かせてもらうぞ」

「はい、勿論です。本当に、申し訳ありません」

 ムドルさんはそう言い深々と頭を下げる。

「それはそうと、どうするこれから?」

「そうですね。すぐ城に行きたいところですが……」

「そうもいかないな。コルザ様とベルべスクを……。そうか、ベルべスクは使えるな」

 そう言いグレイは、ニヤリと笑みを浮かべた。

「……なるほど。なんとなくですが、何をしようとしているのか分かりました」

 二人は見合い笑っている。私はやっぱり二人共、似てると思った。