現在、私は修練場の広場にいる。そして、グレイと向き合い木剣を持ち身構えていた。

 グレイもまた木剣を持ち構え真剣な表情で私を見据えている。

 私は、ゴクリと唾を飲み込んだ。流石に、先程とは違い緊張する。

 凄い、何この威圧感。こっちまで伝わってくる。……ん? そういえば、木剣を構えたあとグレイをみて現れたあの緑色の点ってなんだろう。これも能力と何か関係してるのかな。

 そう思うも、それほど重要じゃないと、考えるのをやめた。

 それよりも、グレイの隙を探すので頭がパンパンである。

「どうした? まさか、負けるのが怖いのか」

「ち、違います!!」

 どうしよう。余りにも、私が動かないから挑発してきた。だけど……そうね、やるだけやってみるか。

 そう思い木剣を持ち直し右足で踏み込み一歩前に出た。とその時、グレイが動いた。

「えっ!?」

 なぜかグレイの動きが、まるでスローモーションかのようにみえる。不思議に思ったが、咄嗟にグレイの攻撃を避けた。私は避けたが、足がもつれ尻餅をついてしまう。

 グレイの木剣の刃は空を斬る。

「痛っ!」

 お尻を摩りながら立ち上がった。私はグレイに視線を向ける。

「……」

 なぜかグレイは黙ったまま険しい表情で私をみていた。その後、首を傾げ溜息をつく。

「まぁ、避けたのはまぐれだろう。あの攻撃がそう簡単に避けられるわけがない」

「あ、あのぉ。これ信じてもらえるか分からないけど。……グレイの攻撃がゆっくりにみえた」

「俺の攻撃が遅かった。……どういう事だ? 手を抜いたつもりはない。まさか、それがお前の能力なのか?」

 そう聞かれ私は、分からないと首を横に振る。

「私の能力は【見極め】だから、恐らくサーチスキル系だと思う。それに、能力は使ってなかったし」

「なるほど……。他に何か気づいたことはあったか?」

「んー、関係あるか分からないけど。木剣を構えてグレイを見た時、目の前に緑の点が現れた」

 グレイはそれを聞き難しい顔で考え込んだ。

「緑の点……。異世界の者、特有の力なのか? んー、その様子だとお前も分からないみたいだな」

「うん、分からない。だけど、プレートをみれば何か分かるかも」

「……そうか。あとでその能力について調べる必要があるな」

 そう言われ、ウンと私は頷いた。

「で、どうする。まだ、やるのか?」

「勿論! お願いします」

 そう言うとグレイは、ニヤリと口角を上げる。そして私に背を向け歩き出し定位置に着いた。

 それを確認すると私は、身構えグレイをみる。

 私は、身構えながら考えた。本当に、この能力ってなんなんだろうと……。