ここはコルザの屋敷の地下にある部屋。ムドルはトゼルを連れてここに来ていた。
そして現在、ムドルはコルザの前に立ち事情を話している。ユウムとビスガスはコルザの両脇で二人の話を聞いていた。
「なるほど……あの黒い霧が、デビルミストか。厄災の一つと聞いていたが……。まさかここに、それがな」
そう言いコルザは険しい顔で一点をみつめている。
「なんとか、トゼルからデビルミストを遠ざけて消滅させることができた。だが、厄災は既にこの国で発生している」
「ムドル、そうだな。だが、どうするつもりだ。みえぬものを、どう判断する?」
「どうもしない。確かに判断するのは困難だ。だがある程度、警戒していれば回避できる確率は高くなる」
それを聞きコルザは、頭を抱えながら「ハァー」っと息を吐いた。
「そうだとしてもだ。確率が上がったからと言っても、回避できるとも思えん」
「だが、オレなら可能だ。ある程度だが、厄災の知識がある」
「知識か……それだけでは、駄目だと思うのだが。それとも何度か厄災をみているのか? まぁそれはないはずだ。お前が人間ならな」
ムドルはそう言われ、どう答えたら良いのかと悩む。
「なぜ悩む……まさか、本当に人間ではないのか?」
「ちょっと待ってください。ムドルが人間じゃないって、どういう事ですか?」
ユウムはコルザがなぜそう言ったのか理解できずにいた。
(まさか、薄々気づいているのでしょうか? ですが、ここはなんとか……誤魔化さなければいけません。どこまでやれるか……しかし、まぁバレたらその時に考えるしかありませんね)
そう考えがまとまるとムドルは口を開く。
「……ユウムの言う通りだ。なんでそう思う?」
「お前からは、普通の者とは違うものを感じる。人間とは違う、何かのな」
「それは、そう思っているだけだろう。それにオレは、紛れもなく人間だ!」
怒り気味でムドルはそう言い放った。
「ふう、まあいい……悪かった。だが本当にお前なら、この厄災をなんとかできるというのだな」
そう問われムドルは、コクリと頷く。
「ああ、できる。それに、他の仲間も動いているからな」
「他の仲間か……益々、お前のことが分からなくなった。だが、信用するしかないようだな」
そう言いながらコルザは、口角を上げ笑みを浮かべる。
(ムドルが、何者かは分からぬが……大丈夫だろう。それに、このまま厄災にのまれるわけにもいかん。賭けるしかない)
そう思いムドルを見据えた。
(信用? 本当に……したのでしょうか。ですが、それなら……大丈夫そうですね)
そう考えたあとムドルは、ゆっくり頷く。
だがユウムとビスガスは、二人のやり取りが理解できず困惑していた。
そして現在、ムドルはコルザの前に立ち事情を話している。ユウムとビスガスはコルザの両脇で二人の話を聞いていた。
「なるほど……あの黒い霧が、デビルミストか。厄災の一つと聞いていたが……。まさかここに、それがな」
そう言いコルザは険しい顔で一点をみつめている。
「なんとか、トゼルからデビルミストを遠ざけて消滅させることができた。だが、厄災は既にこの国で発生している」
「ムドル、そうだな。だが、どうするつもりだ。みえぬものを、どう判断する?」
「どうもしない。確かに判断するのは困難だ。だがある程度、警戒していれば回避できる確率は高くなる」
それを聞きコルザは、頭を抱えながら「ハァー」っと息を吐いた。
「そうだとしてもだ。確率が上がったからと言っても、回避できるとも思えん」
「だが、オレなら可能だ。ある程度だが、厄災の知識がある」
「知識か……それだけでは、駄目だと思うのだが。それとも何度か厄災をみているのか? まぁそれはないはずだ。お前が人間ならな」
ムドルはそう言われ、どう答えたら良いのかと悩む。
「なぜ悩む……まさか、本当に人間ではないのか?」
「ちょっと待ってください。ムドルが人間じゃないって、どういう事ですか?」
ユウムはコルザがなぜそう言ったのか理解できずにいた。
(まさか、薄々気づいているのでしょうか? ですが、ここはなんとか……誤魔化さなければいけません。どこまでやれるか……しかし、まぁバレたらその時に考えるしかありませんね)
そう考えがまとまるとムドルは口を開く。
「……ユウムの言う通りだ。なんでそう思う?」
「お前からは、普通の者とは違うものを感じる。人間とは違う、何かのな」
「それは、そう思っているだけだろう。それにオレは、紛れもなく人間だ!」
怒り気味でムドルはそう言い放った。
「ふう、まあいい……悪かった。だが本当にお前なら、この厄災をなんとかできるというのだな」
そう問われムドルは、コクリと頷く。
「ああ、できる。それに、他の仲間も動いているからな」
「他の仲間か……益々、お前のことが分からなくなった。だが、信用するしかないようだな」
そう言いながらコルザは、口角を上げ笑みを浮かべる。
(ムドルが、何者かは分からぬが……大丈夫だろう。それに、このまま厄災にのまれるわけにもいかん。賭けるしかない)
そう思いムドルを見据えた。
(信用? 本当に……したのでしょうか。ですが、それなら……大丈夫そうですね)
そう考えたあとムドルは、ゆっくり頷く。
だがユウムとビスガスは、二人のやり取りが理解できず困惑していた。