ここはコルザの屋敷の地下にある部屋。
あれからユウムとビスガスは、コルザを護衛しながらここに来ていた。
コルザは椅子に座り頭を抱えている。その両脇には、ユウムとビスガスが立っていた。
「どうなっている。なんなんだ……あの黒い霧のようなものは?」
「黒い霧。そのことは分かりません。だけど……ムドルは、何か知っているみたいでした」
そうユウムが言うとコルザは考え始める。
(うむ、なんなんだ。何が起きようとしている)
コルザは何がなんだか分からずにいた。
「そういえばお前たちムドルとは、長く組んで仕事をしているのか?」
「いいえ、最近ですね」
「オレも最近だ」
それを聞いたコルザは難しい顔をする。
「そうなるとムドルの素性は知らないのだな」
「素性ですか……知りません。そもそも冒険者は、お互い明かさないと思いますが。それに聞いたところで、どうなる訳でもないですし」
「ワハハハッ……確かにそうだ。知ったところで、どうにもならん」
ユウムはなんでそんなことを聞いたのかと不思議に思った。
「なぜ今ムドルのことを?」
「いや、お前たちとムドルでは……何か違う気がしたのでな」
「それは、どういう事だ?」
そうビスガスが問うとコルザは含み笑いをする。
「普通の者とは違う……そう、強者が放つ気のようなものと言った方がいいか。かつて感じた、あの男のような……」
「確かに、ムドルは俺たちより強いと思う。だけど……そんなに違うのかな?」
「私には分かる。強い者、信用できる者が分かる。ムドルも、その1人だ」
コルザは急に俯いた。
「いや、信用できるか否かは分からなくなった。今まで自分の勘を頼りにし、ティハイドを信用していたが……騙されたのでな」
それを聞いたユウムとビスガスは、コルザは何を言いたいのかと理解できずにいる。
「騙された。何があったんですか? ……あっ、すみません! 聞いちゃまずいことでした」
「うむ、思ったより堅い者のようだな。あの男もそうだったが」
「あの男とは?」
そうユウムに聞かれコルザは、バールドア城がある方角を向く。
「お前たちが知っているかは分からんが、グレイフェズという男だ」
「あっ……いえ、そうなんですね。どんな人だろう。俺も一度、会ってみたいです」
「そうだな。もしかしたら……グレイフェズがここに居れば、解決してくれたかもしれん。だが、今はここには居ない」
そう言い俯くとコルザは、再び頭を抱える。
(グレイフェズとコルザの関係って……気になるけど、聞くわけにもいかない。んーこんな時、師匠ならどうするんだろう)
そう思いながらユウムはコルザをみていた。
あれからユウムとビスガスは、コルザを護衛しながらここに来ていた。
コルザは椅子に座り頭を抱えている。その両脇には、ユウムとビスガスが立っていた。
「どうなっている。なんなんだ……あの黒い霧のようなものは?」
「黒い霧。そのことは分かりません。だけど……ムドルは、何か知っているみたいでした」
そうユウムが言うとコルザは考え始める。
(うむ、なんなんだ。何が起きようとしている)
コルザは何がなんだか分からずにいた。
「そういえばお前たちムドルとは、長く組んで仕事をしているのか?」
「いいえ、最近ですね」
「オレも最近だ」
それを聞いたコルザは難しい顔をする。
「そうなるとムドルの素性は知らないのだな」
「素性ですか……知りません。そもそも冒険者は、お互い明かさないと思いますが。それに聞いたところで、どうなる訳でもないですし」
「ワハハハッ……確かにそうだ。知ったところで、どうにもならん」
ユウムはなんでそんなことを聞いたのかと不思議に思った。
「なぜ今ムドルのことを?」
「いや、お前たちとムドルでは……何か違う気がしたのでな」
「それは、どういう事だ?」
そうビスガスが問うとコルザは含み笑いをする。
「普通の者とは違う……そう、強者が放つ気のようなものと言った方がいいか。かつて感じた、あの男のような……」
「確かに、ムドルは俺たちより強いと思う。だけど……そんなに違うのかな?」
「私には分かる。強い者、信用できる者が分かる。ムドルも、その1人だ」
コルザは急に俯いた。
「いや、信用できるか否かは分からなくなった。今まで自分の勘を頼りにし、ティハイドを信用していたが……騙されたのでな」
それを聞いたユウムとビスガスは、コルザは何を言いたいのかと理解できずにいる。
「騙された。何があったんですか? ……あっ、すみません! 聞いちゃまずいことでした」
「うむ、思ったより堅い者のようだな。あの男もそうだったが」
「あの男とは?」
そうユウムに聞かれコルザは、バールドア城がある方角を向く。
「お前たちが知っているかは分からんが、グレイフェズという男だ」
「あっ……いえ、そうなんですね。どんな人だろう。俺も一度、会ってみたいです」
「そうだな。もしかしたら……グレイフェズがここに居れば、解決してくれたかもしれん。だが、今はここには居ない」
そう言い俯くとコルザは、再び頭を抱える。
(グレイフェズとコルザの関係って……気になるけど、聞くわけにもいかない。んーこんな時、師匠ならどうするんだろう)
そう思いながらユウムはコルザをみていた。