ここはタータム草原。ムドルは自分が飛ばしたデビルミストを追いかけ、数百メートルの位置まで来ていた。
「さて、慎重に対処しなければ……私も危ないですので」
デビルミストとの間合いを取りつつ、ムドルは身構える。
(相手は霧状とはいえ、呪詛系。霊体とも、また違いますので……どう戦うかですが)
そう考えている暇もなくデビルミストは、ムドルの方に向かいきた。
それをみたムドルは慌てて回避する。
「ふぅー、気をつけなければ……本当に厄介ですね。考える暇もくれないとは……」
そう言いムドルは、デビルミストに右手を向けた。するとデビルミストは、ムドルの方にくる。ムドルは険しい顔で後ろに逃げる。
「悠長に詠唱もできません。これは……困りましたね。ですが、余り距離をおくと逃げられかねませんし……さて、どうしたら良いでしょうか」
ムドルは悩んだ。デビルミストが自分に向かってくるのを回避しながら。
(アンデット系であれば、対処法も簡単。ですが相手は、呪い的なもの。それが人為的な物か、自然現象なのかは分かりませんが)
そうこう思考を巡らせていた。
「逃げ回っている訳にもいきませんね。実戦で使うのは初めてですが、この魔法の他にないですし」
そう言うとムドルは、フゥーッと息を吐く。そして、キッとデビルミストを睨みつける。
再びデビルミストに右手を向けた。デビルミストはムドルに向かいくる。そのままの体勢でムドルは回避する。
それを何度も繰り返しながらムドルは、言いずらそうに詠唱し始めた。
《無と有 此処あらざるもの 形なき存在 奇なる呪い 我、願う 其の存在を消し去られたし!!》
そう言い放つと、デビルミストの周囲を覆うように魔法陣が展開されていく。
ムドルはデビルミストに右手を向けたままの体勢を保っている。だが、苦痛な表情を浮かべていた。
(これは……かなり、キツいです。魔力だけでも大量に減る。それだけではない。体力も、保つかどうか……。集中するだけでも、やっとですし)
ジッとデビルミストをみる。額から、タラリタラリと汗が落ちた。
デビルミストは展開された魔法陣に囲まれ逃げられない。
(あと少し……保って、下さい。クッ……ハァハァ、ハァ……)
かなりつらそうだ。だが、それでも集中は途切れさせまいと必死である。
すると全ての魔法陣が、デビルミストを覆い包んだ。
それを確認するとムドルは、右手をそのままデビルミストに向けながら左手を添える。
そして両手で三角形を作り、デビルミストに向け最後の魔力を使い魔法を放った。
その魔法は漆黒の光を発しながら、デビルミストの周囲にある魔法陣へ向かいあたる。
すると魔法陣が眩く光った。
「ギョエェェェー!?」
奇妙な声で叫びデビルミストは、魔法陣の中で暴れる。だが、徐々にその奇妙な声が小さくなり暴れなくなった。
それを感知したかのように眩い光を放っていた魔法陣は、パッと消える。
「や、やったのですか……」
ムドルはデビルミストの消滅を確認すると安心した。それと同時に、バタンとその場に力尽き倒れる。
「さて、慎重に対処しなければ……私も危ないですので」
デビルミストとの間合いを取りつつ、ムドルは身構える。
(相手は霧状とはいえ、呪詛系。霊体とも、また違いますので……どう戦うかですが)
そう考えている暇もなくデビルミストは、ムドルの方に向かいきた。
それをみたムドルは慌てて回避する。
「ふぅー、気をつけなければ……本当に厄介ですね。考える暇もくれないとは……」
そう言いムドルは、デビルミストに右手を向けた。するとデビルミストは、ムドルの方にくる。ムドルは険しい顔で後ろに逃げる。
「悠長に詠唱もできません。これは……困りましたね。ですが、余り距離をおくと逃げられかねませんし……さて、どうしたら良いでしょうか」
ムドルは悩んだ。デビルミストが自分に向かってくるのを回避しながら。
(アンデット系であれば、対処法も簡単。ですが相手は、呪い的なもの。それが人為的な物か、自然現象なのかは分かりませんが)
そうこう思考を巡らせていた。
「逃げ回っている訳にもいきませんね。実戦で使うのは初めてですが、この魔法の他にないですし」
そう言うとムドルは、フゥーッと息を吐く。そして、キッとデビルミストを睨みつける。
再びデビルミストに右手を向けた。デビルミストはムドルに向かいくる。そのままの体勢でムドルは回避する。
それを何度も繰り返しながらムドルは、言いずらそうに詠唱し始めた。
《無と有 此処あらざるもの 形なき存在 奇なる呪い 我、願う 其の存在を消し去られたし!!》
そう言い放つと、デビルミストの周囲を覆うように魔法陣が展開されていく。
ムドルはデビルミストに右手を向けたままの体勢を保っている。だが、苦痛な表情を浮かべていた。
(これは……かなり、キツいです。魔力だけでも大量に減る。それだけではない。体力も、保つかどうか……。集中するだけでも、やっとですし)
ジッとデビルミストをみる。額から、タラリタラリと汗が落ちた。
デビルミストは展開された魔法陣に囲まれ逃げられない。
(あと少し……保って、下さい。クッ……ハァハァ、ハァ……)
かなりつらそうだ。だが、それでも集中は途切れさせまいと必死である。
すると全ての魔法陣が、デビルミストを覆い包んだ。
それを確認するとムドルは、右手をそのままデビルミストに向けながら左手を添える。
そして両手で三角形を作り、デビルミストに向け最後の魔力を使い魔法を放った。
その魔法は漆黒の光を発しながら、デビルミストの周囲にある魔法陣へ向かいあたる。
すると魔法陣が眩く光った。
「ギョエェェェー!?」
奇妙な声で叫びデビルミストは、魔法陣の中で暴れる。だが、徐々にその奇妙な声が小さくなり暴れなくなった。
それを感知したかのように眩い光を放っていた魔法陣は、パッと消える。
「や、やったのですか……」
ムドルはデビルミストの消滅を確認すると安心した。それと同時に、バタンとその場に力尽き倒れる。