ここは市場街。私はメーメルと商人の娘さんと市場街を駆け抜ける。
本当にグレイ、大丈夫なのかな?
そう思い立ちどまり、後ろを振り返った。
「ルイ、何をやっておる。早くここから離れるのじゃ」
立ちどまったことに気づいたメーメルがそう私を促す。
そう言われ私は、駆け出そうとする。すると目の前に、パッと便箋が現れた。それに気づき便箋を取る。
「メーメル、待って!」
呼び止めるとメーメルと商人の娘さんは、立ちどまり私の方をみた。
「いったい、どうしたのじゃ?」
メーメルはそう言いながら私の方に歩み寄る。そのあとから、商人の娘さんがきた。
「今、グレイから手紙が届いたの」
「グレイから……何があったのじゃ」
「どうだろう。とりあえず読んでみるね」
私はグレイから届いた便箋を読んだ。
そこには……今、倉庫で起きていること。これからどう行動し何をするのかが書かれていた。
それらを私は、二人に読み伝える。
「そのようなことが起きておるとは……」
「うん、グレイは草原の方にその男の人を転移させるって」
「転移……どうやってするつもりじゃ?」
そう問われ私は首を傾げた。
「ここに書かれてないから分からない」
「人間が容易に転移させるのは無理なはずじゃ。そうなると、なんらかのアイテムを使うつもりかのう」
「どうなんだろう。草原……どの辺だろう? 私もグレイの……」
そう考え私は、どこに居るかも分からないグレイを思い遠くをみつめる。
「グレイの所に向かうとしても。今はとりあえず、マスターに倉庫のことを伝えるのと……この娘を依頼人の所に連れて行くのが先じゃ」
「……そうだね」
そう言い私は気持ちを切り替えた。
その後、メーメルはギルマス宛てに手紙を書き送る。
それから私たちは、急ぎ依頼人の泊まる商店街にある宿屋に向かった。
――場所は移り、ゴルザの屋敷の書斎――
現在、コルザとトゼルが机を挟み話をしている。
ムドルはそこから離れた場所で二人をみていた。
そうコルザは、トゼルとの会話を聞かれたくないのと、この部屋から出して変に勘繰られたくなかったからである。
だがムドルは魔族だ。耳はかなり良い。そのため、このぐらいの距離ならば聞こえる。
(攫った少女とは、ルイさんですね。あとはグレイが助け出すだけ……)
そうこう考えながら、更に二人の話に耳を傾けていた。
「……!?」
するとムドルは、嫌な気配を感じる。そしてトゼルの方に視線を向けた。
(これは……なぜアレがここに?)
ムドルは咄嗟に体が動く。そうトゼルの近くに、漆黒の霧が現れていたからである。
即座に机の方に向かったムドルは、間に合わないと判断しトゼルじゃなくコルザへと飛んだ。
そして、素早くコルザをトゼルから引き離した。
「ここから離れた方がいい」
「これは、どうなっている? あの黒い霧は、いったいなんだ!」
「それは、あとで話す。ここに居ては危険だ」
そう言われるもコルザは、何がなんだか分からない。だがムドルの慌てようをみて、危険な物なのだと思い頷く。
その後ムドルとコルザは部屋から出て、廊下側で警備をしているユウムとビスガスにここから離れるように伝える。
そしてムドルは、ユウムとビスガスにコルザを任せたあと、また書斎へと戻って行ったのだった。
本当にグレイ、大丈夫なのかな?
そう思い立ちどまり、後ろを振り返った。
「ルイ、何をやっておる。早くここから離れるのじゃ」
立ちどまったことに気づいたメーメルがそう私を促す。
そう言われ私は、駆け出そうとする。すると目の前に、パッと便箋が現れた。それに気づき便箋を取る。
「メーメル、待って!」
呼び止めるとメーメルと商人の娘さんは、立ちどまり私の方をみた。
「いったい、どうしたのじゃ?」
メーメルはそう言いながら私の方に歩み寄る。そのあとから、商人の娘さんがきた。
「今、グレイから手紙が届いたの」
「グレイから……何があったのじゃ」
「どうだろう。とりあえず読んでみるね」
私はグレイから届いた便箋を読んだ。
そこには……今、倉庫で起きていること。これからどう行動し何をするのかが書かれていた。
それらを私は、二人に読み伝える。
「そのようなことが起きておるとは……」
「うん、グレイは草原の方にその男の人を転移させるって」
「転移……どうやってするつもりじゃ?」
そう問われ私は首を傾げた。
「ここに書かれてないから分からない」
「人間が容易に転移させるのは無理なはずじゃ。そうなると、なんらかのアイテムを使うつもりかのう」
「どうなんだろう。草原……どの辺だろう? 私もグレイの……」
そう考え私は、どこに居るかも分からないグレイを思い遠くをみつめる。
「グレイの所に向かうとしても。今はとりあえず、マスターに倉庫のことを伝えるのと……この娘を依頼人の所に連れて行くのが先じゃ」
「……そうだね」
そう言い私は気持ちを切り替えた。
その後、メーメルはギルマス宛てに手紙を書き送る。
それから私たちは、急ぎ依頼人の泊まる商店街にある宿屋に向かった。
――場所は移り、ゴルザの屋敷の書斎――
現在、コルザとトゼルが机を挟み話をしている。
ムドルはそこから離れた場所で二人をみていた。
そうコルザは、トゼルとの会話を聞かれたくないのと、この部屋から出して変に勘繰られたくなかったからである。
だがムドルは魔族だ。耳はかなり良い。そのため、このぐらいの距離ならば聞こえる。
(攫った少女とは、ルイさんですね。あとはグレイが助け出すだけ……)
そうこう考えながら、更に二人の話に耳を傾けていた。
「……!?」
するとムドルは、嫌な気配を感じる。そしてトゼルの方に視線を向けた。
(これは……なぜアレがここに?)
ムドルは咄嗟に体が動く。そうトゼルの近くに、漆黒の霧が現れていたからである。
即座に机の方に向かったムドルは、間に合わないと判断しトゼルじゃなくコルザへと飛んだ。
そして、素早くコルザをトゼルから引き離した。
「ここから離れた方がいい」
「これは、どうなっている? あの黒い霧は、いったいなんだ!」
「それは、あとで話す。ここに居ては危険だ」
そう言われるもコルザは、何がなんだか分からない。だがムドルの慌てようをみて、危険な物なのだと思い頷く。
その後ムドルとコルザは部屋から出て、廊下側で警備をしているユウムとビスガスにここから離れるように伝える。
そしてムドルは、ユウムとビスガスにコルザを任せたあと、また書斎へと戻って行ったのだった。