ここはバールドア城の地下倉庫。その奥にある用水路に抜ける扉の前に清美とサクリスはいた。この用水路は主に運搬用に使われている。


 あれから二人は、ここまでくるのに数名の城の者とすれ違うもなんとか気づかれずにこれた。

「ねぇ、もしかしてここから外に出るの?」

「ああ、ただ正規の道は通らない」

「そうなんだぁ。でも、良く知ってるね」

 そう言われサクリスは真剣な表情になる。

「知ってる訳は、この通路の警備をしてたからだ」

「警備!? ってことは、この通路に……」

 そう問われサクリスは、コクリと頷いた。

「だからここからは、更に慎重に進む」

 清美はそれを聞き更に不安になる。

(本当に……大丈夫かな……)

 そう思いながら扉の向こうにある用水路をジッとみつめた。

「じゃあ、行くよ」

 そう言われ清美は、一呼吸置き頷く。

 そしてその後、二人は扉を開けると用水路の通路へ足を踏み入れた。



 ――場所は移り、タルキニアの町の市場街にある古びた倉庫がみえる空き家――


 グレイフェズとメーメルは、古びた倉庫を監視しながらムドルの連絡を待っている。

「遅いな……まだ、なのか?」

「そうじゃな。だが、あの暗号では苦戦するじゃろう」

 そう言われグレイフェズは、ジト目でメーメルをみた。

「そんな恋文を書かせたのは、お前だろ!」

「そうだが、書いたのはグレイじゃ」

 そう言い切られグレイは、ガクッと肩を落とす。

 そうこう話していると二人の目の前に、便箋が現れ床にパタっと落ちる。

 それに気づいたグレイフェズは、床に落ちてる便箋を拾いみた。

「やっと来たようじゃな」

「ああ、あとは……倉庫に乗りこむだけだ!」

 そう言い古びた倉庫を見据える。

 メーメルは無言のまま頷いた。

「妾は作戦の通り、裏から侵入すれば良いのじゃな」

「それでいい。俺は正面から行く……」

 お互いに行動を確認し合うと、警戒しながら空き家から出て古びた倉庫に向かう。



 ――場所は古びた倉庫の中へと移る――


 まだなの? グレイ遅いよ。まさか、ここが分からないってことないよね。……ううん、大丈夫。きっと来てくれる。


 私はそう思い気持ちを切り替えた。

 そうこう考えていると一人の男が私の方に近づいてくる。

「中々……いい。売りもんじゃなきゃ手を出してるところだ」

 そう言いながら私の顔をのぞき込む。ウッ、息が……酒の臭いがキツい。

「まったくだ。みてるだけってのも、かなりキツい」

 もう一人、そう言いながら近づいてきた。

「おい、そう言いながら手を出すなよ。今度しくじったら、減給だけじゃすまねぇからな」

 そうリーダー風の男が言い二人を睨む。

 それを聞き私は、ホッと胸を撫でおろした。