怖い。男たちが、こっちをみてる。グレイ……まだなの?
怯えながら私はそうこう考えていた。
奥の暗がりから、人の気配を感じる。私はグレイが来てくれたと思う。だが、現れたその姿と声は別人だった。
「報告を受け来たが……これは、中々いい」
そう言いながらその男は私の傍までくる。……怖い。
「これは、トゼルさん。どうですか、ね?」
リーダ風の男がそう問う。
「ああ、これなら前に逃がした少女たちの代わり……いやそれ以上の価値がある」
そう言いながら私の顔をのぞき込む。……嫌、やだ。そう思い顔を逸らす。
「まだ、二人。だが、問題ないでしょう」
そのトゼルという男は、私の後ろに視線を向けそう言った。
「あとは、運び出すだけ。こっちの方は、任せられている。そうだな、すぐ運び出したい。だが、準備が……」
そう言い立ち上がり何かを考え始めたようだ。
「今日の夜、運び出す。そのための要員を連れてくる」
「分かりました」
「今度は逃がすなよ。いいな!!」
それを聞き男たちは頷く。
このままじゃ、どこかに連れて行かれる。
そう思い私は、このままグレイが助けに来てくれなかったらと頭をよぎった。
ううん、大丈夫。グレイ……絶対、助けに来てくれる。信じよう……。
するとトゼルという男は、男たちに何かを伝えたあと、この場を離れ暗がりに消えていく。
――場所は、市場街に移る――
グレイフェズとメーメルは、市場街に辿り着くと辺りを見渡した。
「この辺は人通りが少なく、そんなに店も出てない」
「そうなると、この辺りに居る可能性があるかもしれぬな」
それを聞きグレイフェズは頷く。
「更に目立たない場所。そこを絞って探す」
そう言いグレイフェズは建物の間に向かい歩き出した。そのあとをメーメルが追う。
建物の隙間に入って行く。薄暗い路地裏がみえる。
グレイフェズはブローチをみながら探し歩く。だが、反応はない。
(この辺じゃないのか? 早くみつけねえと……運び出されたら、更に探すのが困難になる)
そう考えながらグレイフェズは立ちどまり、キョロキョロと見回した。
「この辺じゃないようだ。そこの路地に入ってみようと思う」
そう言われメーメルは、コクリと頷く。
それを確認すると右に曲がり更に狭い路地に入った。
グレイフェズとメーメルは、一軒一軒ブローチの反応を確認し歩いている。
「……!?」
すると古びた倉庫の前でブローチが反応した。それを確認すると二人はその場で静止する。
「ここだな……」
「そのようじゃな」
そう言うとグレイフェズとメーメルは、古びた倉庫を睨みみた。
「さて、ここからどうする?」
「強行突破はよした方がいいじゃろう」
「ああ、そうだな。だが、ここでみている訳にもいかない」
そうこう話していると二人は、古びた倉庫の中からこっちに向かってくる者の気配を感じ近くの物陰に隠れる。
建物の中からトゼルが出てきた。
「トゼル・バブス。なぜ、ここにいる」
「知っている者なのか?」
「知っている。アイツは、コルザ様の下で働いていたはず」
グレイフェズはトゼルの動きを目で追う。
「それならば、決まりじゃな」
「そうなるな。信じたくなかったが」
そしてその後、トゼルがこの場を離れたのを確認すると、二人はこのあとどう行動するかを話し合っていたのだった。
怯えながら私はそうこう考えていた。
奥の暗がりから、人の気配を感じる。私はグレイが来てくれたと思う。だが、現れたその姿と声は別人だった。
「報告を受け来たが……これは、中々いい」
そう言いながらその男は私の傍までくる。……怖い。
「これは、トゼルさん。どうですか、ね?」
リーダ風の男がそう問う。
「ああ、これなら前に逃がした少女たちの代わり……いやそれ以上の価値がある」
そう言いながら私の顔をのぞき込む。……嫌、やだ。そう思い顔を逸らす。
「まだ、二人。だが、問題ないでしょう」
そのトゼルという男は、私の後ろに視線を向けそう言った。
「あとは、運び出すだけ。こっちの方は、任せられている。そうだな、すぐ運び出したい。だが、準備が……」
そう言い立ち上がり何かを考え始めたようだ。
「今日の夜、運び出す。そのための要員を連れてくる」
「分かりました」
「今度は逃がすなよ。いいな!!」
それを聞き男たちは頷く。
このままじゃ、どこかに連れて行かれる。
そう思い私は、このままグレイが助けに来てくれなかったらと頭をよぎった。
ううん、大丈夫。グレイ……絶対、助けに来てくれる。信じよう……。
するとトゼルという男は、男たちに何かを伝えたあと、この場を離れ暗がりに消えていく。
――場所は、市場街に移る――
グレイフェズとメーメルは、市場街に辿り着くと辺りを見渡した。
「この辺は人通りが少なく、そんなに店も出てない」
「そうなると、この辺りに居る可能性があるかもしれぬな」
それを聞きグレイフェズは頷く。
「更に目立たない場所。そこを絞って探す」
そう言いグレイフェズは建物の間に向かい歩き出した。そのあとをメーメルが追う。
建物の隙間に入って行く。薄暗い路地裏がみえる。
グレイフェズはブローチをみながら探し歩く。だが、反応はない。
(この辺じゃないのか? 早くみつけねえと……運び出されたら、更に探すのが困難になる)
そう考えながらグレイフェズは立ちどまり、キョロキョロと見回した。
「この辺じゃないようだ。そこの路地に入ってみようと思う」
そう言われメーメルは、コクリと頷く。
それを確認すると右に曲がり更に狭い路地に入った。
グレイフェズとメーメルは、一軒一軒ブローチの反応を確認し歩いている。
「……!?」
すると古びた倉庫の前でブローチが反応した。それを確認すると二人はその場で静止する。
「ここだな……」
「そのようじゃな」
そう言うとグレイフェズとメーメルは、古びた倉庫を睨みみた。
「さて、ここからどうする?」
「強行突破はよした方がいいじゃろう」
「ああ、そうだな。だが、ここでみている訳にもいかない」
そうこう話していると二人は、古びた倉庫の中からこっちに向かってくる者の気配を感じ近くの物陰に隠れる。
建物の中からトゼルが出てきた。
「トゼル・バブス。なぜ、ここにいる」
「知っている者なのか?」
「知っている。アイツは、コルザ様の下で働いていたはず」
グレイフェズはトゼルの動きを目で追う。
「それならば、決まりじゃな」
「そうなるな。信じたくなかったが」
そしてその後、トゼルがこの場を離れたのを確認すると、二人はこのあとどう行動するかを話し合っていたのだった。