ここは市場がある通り。私はムリゴ以外にも何か美味しい食べ物がないか探し歩いていた。
この前も思ったけど。結構、お店が並んでるなぁ。あれってこの世界の魚だよね? なんか見た目グロいけど……。
そう思いながら色んな露店をみる。
気になる食べ物、あるのはあるんだけどなぁ。どんな味なのか分からないし。……こういう時、グレイが居て……ううん……大丈夫。
一瞬、グレイのことを思い出した。ここにいてくれたら色々と教えてくれただろうなぁ……買ってくれただろうと頭をよぎる。
だけど、今は遊んでる訳じゃない。そう思い深呼吸し気持ちを切り替える。
そうこうしながら歩いていたが、段々と店が少なくなってきた。そのせいか歩いてる人も少ない。
ここ……この前も通ったよね。こんなに店や人、少なかったかなぁ。
私は立ちどまり辺りを見回す。
ん? なんだろう。この刺さるような視線。後ろ……ううん、一人じゃない。他の場所からも感じる。
……例の人攫いかな? もしそうなら気づかない振りをしてた方がいいよね。
んー、一応グレイに便箋を送っておいた方がいいかな? その方が相手に気づかれないし。
そう考えがまとまると私は、周囲に居る人たちからみえないように便箋の魔法陣に魔力を注いだ。と同時に、パッと便箋が消える。
それを確認すると私は、何も気づいていない振りをしながら、もっと人が少ない方へと向かい歩き出した。
私はキョロキョロし人を探す素振りをみせたあと、少し広めの建物の間の道を歩く。
うん、やっぱりついてくる。それに、この先にも誰かの気配が……。
と、その時。前に二人と後ろに三人の男たちが私の行く手を遮る。
私は……急に怖くなった。演技ではなく……本当に怖い。
どうしよう。……怖い。グレイ、助けて……。
涙が出る。溢れ出た。怖さのあまり動けない。
ジリジリと男たちは私に近づく。
「こりゃ中々、上玉だ。お前たち逃がすなよ。まぁ、この様子じゃ逃げそうにないがな」
そうリーダ風の男が言うと他の者たちは頷き、更に私に近づいてくる。
私は怯えながら前後をみた。すると足がもつれ尻餅をつく。
能力、使えれば……逃げられる。だけど今、使ったら囮の意味がない。
でも、怖い……どうしよう。あの便箋……ちゃんとグレイに届いたよね。
そう思いビクビクしながら迫りくる男たちをみた。
その後、私は男たちに騒がないよう布で口を塞がれる。そして、どこかに連れて行かれた。
――ここは商店街――
時は少し遡り……。あれからバルの泊まる宿屋を出たあとグレイフェズとメーメルは、酒場街に行こうと道を歩いている。
「ルイ、大丈夫だよな……」
心配な表情で遠くに視線を向けた。それと同時に、嫌な感覚に襲われる。
「グレイ、心配なのじゃな。しかし、既に動き出した。やるしかないのじゃろう?」
「ああ、そうだな。……ん!?」
そうこう話している最中、グレイフェズの目の前に小さく折り畳まれた便箋が現れた。
それに気づきグレイは、サッと便箋を掴みみる。
「メーメル。網にかかった。思ったよりも早かったがな」
「うむ、あとはアジトを探すだけじゃな」
「ああ……。あとは特定するだけだ……場所を、な」
そう思い辺りを無作為に見渡す。
(この嫌な感覚は……早く居場所をつきとめねえと……)
そう思いグレイフェズはメーメルと共に、怪しいと思い最初に目をつけていた酒場街に向かい駆け出した。
そんな中グレイフェズは、真剣な表情で手に持っているブローチの反応をみる。そして、無事でいてくれと願いながら……。
この前も思ったけど。結構、お店が並んでるなぁ。あれってこの世界の魚だよね? なんか見た目グロいけど……。
そう思いながら色んな露店をみる。
気になる食べ物、あるのはあるんだけどなぁ。どんな味なのか分からないし。……こういう時、グレイが居て……ううん……大丈夫。
一瞬、グレイのことを思い出した。ここにいてくれたら色々と教えてくれただろうなぁ……買ってくれただろうと頭をよぎる。
だけど、今は遊んでる訳じゃない。そう思い深呼吸し気持ちを切り替える。
そうこうしながら歩いていたが、段々と店が少なくなってきた。そのせいか歩いてる人も少ない。
ここ……この前も通ったよね。こんなに店や人、少なかったかなぁ。
私は立ちどまり辺りを見回す。
ん? なんだろう。この刺さるような視線。後ろ……ううん、一人じゃない。他の場所からも感じる。
……例の人攫いかな? もしそうなら気づかない振りをしてた方がいいよね。
んー、一応グレイに便箋を送っておいた方がいいかな? その方が相手に気づかれないし。
そう考えがまとまると私は、周囲に居る人たちからみえないように便箋の魔法陣に魔力を注いだ。と同時に、パッと便箋が消える。
それを確認すると私は、何も気づいていない振りをしながら、もっと人が少ない方へと向かい歩き出した。
私はキョロキョロし人を探す素振りをみせたあと、少し広めの建物の間の道を歩く。
うん、やっぱりついてくる。それに、この先にも誰かの気配が……。
と、その時。前に二人と後ろに三人の男たちが私の行く手を遮る。
私は……急に怖くなった。演技ではなく……本当に怖い。
どうしよう。……怖い。グレイ、助けて……。
涙が出る。溢れ出た。怖さのあまり動けない。
ジリジリと男たちは私に近づく。
「こりゃ中々、上玉だ。お前たち逃がすなよ。まぁ、この様子じゃ逃げそうにないがな」
そうリーダ風の男が言うと他の者たちは頷き、更に私に近づいてくる。
私は怯えながら前後をみた。すると足がもつれ尻餅をつく。
能力、使えれば……逃げられる。だけど今、使ったら囮の意味がない。
でも、怖い……どうしよう。あの便箋……ちゃんとグレイに届いたよね。
そう思いビクビクしながら迫りくる男たちをみた。
その後、私は男たちに騒がないよう布で口を塞がれる。そして、どこかに連れて行かれた。
――ここは商店街――
時は少し遡り……。あれからバルの泊まる宿屋を出たあとグレイフェズとメーメルは、酒場街に行こうと道を歩いている。
「ルイ、大丈夫だよな……」
心配な表情で遠くに視線を向けた。それと同時に、嫌な感覚に襲われる。
「グレイ、心配なのじゃな。しかし、既に動き出した。やるしかないのじゃろう?」
「ああ、そうだな。……ん!?」
そうこう話している最中、グレイフェズの目の前に小さく折り畳まれた便箋が現れた。
それに気づきグレイは、サッと便箋を掴みみる。
「メーメル。網にかかった。思ったよりも早かったがな」
「うむ、あとはアジトを探すだけじゃな」
「ああ……。あとは特定するだけだ……場所を、な」
そう思い辺りを無作為に見渡す。
(この嫌な感覚は……早く居場所をつきとめねえと……)
そう思いグレイフェズはメーメルと共に、怪しいと思い最初に目をつけていた酒場街に向かい駆け出した。
そんな中グレイフェズは、真剣な表情で手に持っているブローチの反応をみる。そして、無事でいてくれと願いながら……。