ここはタルキニアの町の宿屋。そして今いる場所は、グレイの部屋だ。
あれから私は、グレイとムドルさんとメーメルとここに戻って来ていた。
「再確認をする」
グレイはベッドに腰かけ、そう話を切り出す。
「そうですね。ここは念入りに、策を練っておいた方が良いでしょう」
立ったままムドルさんは、そう言いグレイの方をみる。グレイは相変わらず、ムドルさんと目を合わそうとしない。
何があったんだろう。そう思ったが、もう少し様子をみることにした。
「そう、じゃな。でも、ルイが囮で大丈夫なのかのう?」
メーメルは椅子に腰掛けテーブルに肘を付きながら、私を心配な表情でみる。
その左横で私は、ウンっと頷く。だけど内心は不安だ。
「なんとかやってみる。ただ、囮になるのはいいけど。本当に大丈夫なんだよね?」
「ああ……さっき渡したブローチと、俺が持ってるブローチにはお互い共鳴し合うように魔法がかけられている」
グレイは自分のブローチを手に持った。そう言われ私も、服に付けているブローチに視線を向ける。
「このブローチがあれば、私が攫われたあとアジトが分かる」
「そうなる。だが、それは成功すればだ」
「そうだね。成功させないと」
そう言い私は、ニコッと笑った。すると、なぜかグレイは顔を赤くし私から目を逸らす。私はどうしたのかと思い首を傾げる。
「クスッ」とムドルさんが笑う。
「そうですね。私は、段取り通りに……ことを進めます」
それを聞きグレイは、ムドルさんをジト目でみる。
「さっきも言ったから、分かっていると思うが……。服装や言葉づかいに気をつけろ」
「ええ、念を押されなくても問題ありません」
そう言うとムドルさんは目を細めグレイをみた。
「妾は、グレイと行動……か」
「ん? 俺とじゃ不満か」
「そう言う訳ではないのじゃが」
メーメルはムドルさんの方をみたあと、なぜか私の方に視線を向ける。
「ルイ、もし不安なら妾が代わっても良いのじゃぞ」
「うん、ありがとう。だけど……」
そう言い私はムドルさんをみた。
「メーメル様! 何を言って……。貴女様に何かあっては……」
「ムドル! 妾はそれほど子供じゃない。それよりも、ムドル……お前の方が心配じゃ。道に迷わぬかとな」
「そ、それは……」
ムドルさんはそう言われ恥ずかしいのか顔を赤くしている。
「まぁ、とりあえずこのままことを進める。それと、作戦の通りに行くとは限らない。その時は、自分の判断で切り抜けろ」
そう言うとグレイは、ムドルさんとメーメルと私を順にみた。
「確かに、そうなればそうするしかありません」
「うむ、そうじゃな」
「うん、そうだね。なんとかやってみる」
私はそう言い、ニコッと笑う。それをみたグレイは心配そうに私をみる。
ちょっとだけ私は嬉しかった。そうグレイが、心配してくれているみたいだからだ。
その後、明日の準備をするため各自の部屋に向かう。と言っても、私とメーメルは一緒の部屋だ。
グレイとムドルさんは、なぜか別々の部屋にしたらしい。
やっぱり、なんかあったのかな?
そう思った。だけど、今それを聞くのは違うと考え思いとどまる。
そして私は、メーメルと自分の部屋に向かったのだった。
あれから私は、グレイとムドルさんとメーメルとここに戻って来ていた。
「再確認をする」
グレイはベッドに腰かけ、そう話を切り出す。
「そうですね。ここは念入りに、策を練っておいた方が良いでしょう」
立ったままムドルさんは、そう言いグレイの方をみる。グレイは相変わらず、ムドルさんと目を合わそうとしない。
何があったんだろう。そう思ったが、もう少し様子をみることにした。
「そう、じゃな。でも、ルイが囮で大丈夫なのかのう?」
メーメルは椅子に腰掛けテーブルに肘を付きながら、私を心配な表情でみる。
その左横で私は、ウンっと頷く。だけど内心は不安だ。
「なんとかやってみる。ただ、囮になるのはいいけど。本当に大丈夫なんだよね?」
「ああ……さっき渡したブローチと、俺が持ってるブローチにはお互い共鳴し合うように魔法がかけられている」
グレイは自分のブローチを手に持った。そう言われ私も、服に付けているブローチに視線を向ける。
「このブローチがあれば、私が攫われたあとアジトが分かる」
「そうなる。だが、それは成功すればだ」
「そうだね。成功させないと」
そう言い私は、ニコッと笑った。すると、なぜかグレイは顔を赤くし私から目を逸らす。私はどうしたのかと思い首を傾げる。
「クスッ」とムドルさんが笑う。
「そうですね。私は、段取り通りに……ことを進めます」
それを聞きグレイは、ムドルさんをジト目でみる。
「さっきも言ったから、分かっていると思うが……。服装や言葉づかいに気をつけろ」
「ええ、念を押されなくても問題ありません」
そう言うとムドルさんは目を細めグレイをみた。
「妾は、グレイと行動……か」
「ん? 俺とじゃ不満か」
「そう言う訳ではないのじゃが」
メーメルはムドルさんの方をみたあと、なぜか私の方に視線を向ける。
「ルイ、もし不安なら妾が代わっても良いのじゃぞ」
「うん、ありがとう。だけど……」
そう言い私はムドルさんをみた。
「メーメル様! 何を言って……。貴女様に何かあっては……」
「ムドル! 妾はそれほど子供じゃない。それよりも、ムドル……お前の方が心配じゃ。道に迷わぬかとな」
「そ、それは……」
ムドルさんはそう言われ恥ずかしいのか顔を赤くしている。
「まぁ、とりあえずこのままことを進める。それと、作戦の通りに行くとは限らない。その時は、自分の判断で切り抜けろ」
そう言うとグレイは、ムドルさんとメーメルと私を順にみた。
「確かに、そうなればそうするしかありません」
「うむ、そうじゃな」
「うん、そうだね。なんとかやってみる」
私はそう言い、ニコッと笑う。それをみたグレイは心配そうに私をみる。
ちょっとだけ私は嬉しかった。そうグレイが、心配してくれているみたいだからだ。
その後、明日の準備をするため各自の部屋に向かう。と言っても、私とメーメルは一緒の部屋だ。
グレイとムドルさんは、なぜか別々の部屋にしたらしい。
やっぱり、なんかあったのかな?
そう思った。だけど、今それを聞くのは違うと考え思いとどまる。
そして私は、メーメルと自分の部屋に向かったのだった。