ここは商店街。グレイフェズとムドルは、話をしながらギルドへ向かい歩いていた。その後ろでは、泪とメーメルが楽しそうに話をしながら歩いている。
グレイフェズは、チラッと後ろを確認した。
(ルイ、か? 誰かの視線を感じたんだが……まさかな)
そう思い再び前を向く。
「どうしました? 後ろに何か、」
ムドルは気になり後ろを向いた。
「いや、なんでもない。ただルイとメーメルが、ちゃんと後ろにいるか確認しただけだ」
「……なるほど、そういう事ですか。そういえば、グレイフェズさんはルイさんのこと好きなのですか?」
唐突にそう言われグレイフェズは、顔を赤くしムドルをみる。
「なっ、いきなり何を……」
グレイフェズはムドルから目を逸らした。
「クスッ、その様子では図星という事ですね」
「それは……」
「まだ、告白されないのですか?」
そう言いムドルは、ニコニコしながらグレイフェズをのぞき込む。
「告白……か。ハァ、そうだな……本当ならそうした方が早い。でもなぁ、」
「そういう事ですか。ルイさんに告白して……ハッキリ断られるのが、怖いのですね」
「ああ、それもある。だが、それだけじゃない。ルイの素性は知ってたよな」
そう問われムドルは、コクリと頷いた。
「ええ、先程も話しましたが。ルイさんにお会いした時から気づいています。この世界の方とは違う匂いがしておりましたので」
「そうだったな。それなら……分かるだろう」
そう言いながらグレイフェズは、空を見上げ悲しい表情になる。
「なるほど、それは……確かにつらいですね」
「ああ……。今はこれでいい。ルイがこの世界に居る間だけは側にいたい」
グレイは後ろに居る泪をチラッとみた。
「ですが、それで本当に良いのですか? 後悔はしない、と……」
「どうだろうな。恐らく、」
そう言いかけるとムドルは、クスッと含み笑いをする。
「後悔するでしょうね。まぁ、私には関係ありませんが。いえ、ありますか」
「ある……? どういう事だ。何を考えてる!」
グレイはムドルを警戒し睨む。
「クスクス……。グレイフェズさんがルイさんに手を出さないのであれば、私にも権利があるのかと思いましたので」
「ちょっと待て……お前、メーメルが好きなんじゃ?」
そうグレイが言うとムドルは首を横に振る。
「まさか。メーメル様は、あくまで私のお仕えする主人。それ以上でもそれ以下でもありません」
「なる、ほどな……」
グレイはニヤリと口角をあげると目を細めムドルを見据えた。
「俺が今のままなら、いつでもルイを奪うってことか」
「そうなります。ですが、今のお二人の関係を聞く限り……まだ間に合いそうですね」
宣戦布告をするとムドルは、見下すような表情でグレイに視線を向ける。
そう言われグレイは、ムッとした表情になりムドルを鋭い眼光で睨んだ。
「その様子じゃ、本気みてぇだな。面白いじゃねえか」
「そうですね」
二人の目と目が合い火花がバチバチと散る。お互い、ニヤリと口角を上げ睨み合う。
そしてその後グレイフェズとムドルは、無言のままギルドに向かい歩いていたのだった。
グレイフェズは、チラッと後ろを確認した。
(ルイ、か? 誰かの視線を感じたんだが……まさかな)
そう思い再び前を向く。
「どうしました? 後ろに何か、」
ムドルは気になり後ろを向いた。
「いや、なんでもない。ただルイとメーメルが、ちゃんと後ろにいるか確認しただけだ」
「……なるほど、そういう事ですか。そういえば、グレイフェズさんはルイさんのこと好きなのですか?」
唐突にそう言われグレイフェズは、顔を赤くしムドルをみる。
「なっ、いきなり何を……」
グレイフェズはムドルから目を逸らした。
「クスッ、その様子では図星という事ですね」
「それは……」
「まだ、告白されないのですか?」
そう言いムドルは、ニコニコしながらグレイフェズをのぞき込む。
「告白……か。ハァ、そうだな……本当ならそうした方が早い。でもなぁ、」
「そういう事ですか。ルイさんに告白して……ハッキリ断られるのが、怖いのですね」
「ああ、それもある。だが、それだけじゃない。ルイの素性は知ってたよな」
そう問われムドルは、コクリと頷いた。
「ええ、先程も話しましたが。ルイさんにお会いした時から気づいています。この世界の方とは違う匂いがしておりましたので」
「そうだったな。それなら……分かるだろう」
そう言いながらグレイフェズは、空を見上げ悲しい表情になる。
「なるほど、それは……確かにつらいですね」
「ああ……。今はこれでいい。ルイがこの世界に居る間だけは側にいたい」
グレイは後ろに居る泪をチラッとみた。
「ですが、それで本当に良いのですか? 後悔はしない、と……」
「どうだろうな。恐らく、」
そう言いかけるとムドルは、クスッと含み笑いをする。
「後悔するでしょうね。まぁ、私には関係ありませんが。いえ、ありますか」
「ある……? どういう事だ。何を考えてる!」
グレイはムドルを警戒し睨む。
「クスクス……。グレイフェズさんがルイさんに手を出さないのであれば、私にも権利があるのかと思いましたので」
「ちょっと待て……お前、メーメルが好きなんじゃ?」
そうグレイが言うとムドルは首を横に振る。
「まさか。メーメル様は、あくまで私のお仕えする主人。それ以上でもそれ以下でもありません」
「なる、ほどな……」
グレイはニヤリと口角をあげると目を細めムドルを見据えた。
「俺が今のままなら、いつでもルイを奪うってことか」
「そうなります。ですが、今のお二人の関係を聞く限り……まだ間に合いそうですね」
宣戦布告をするとムドルは、見下すような表情でグレイに視線を向ける。
そう言われグレイは、ムッとした表情になりムドルを鋭い眼光で睨んだ。
「その様子じゃ、本気みてぇだな。面白いじゃねえか」
「そうですね」
二人の目と目が合い火花がバチバチと散る。お互い、ニヤリと口角を上げ睨み合う。
そしてその後グレイフェズとムドルは、無言のままギルドに向かい歩いていたのだった。