「ムドルさん、まだこないねぇ」
私はそう言いながら扉の方をチラッとみた。
「そうだな。返事がきたから、そろそろくるとは思う」
「うむ……まさか、道に迷ったのでは、」
「ん? そう思うってことは、方向音痴なのか?」
そうグレイが言うとメーメルは、コクリと頷く。
「ムドルは、軽度の方向音痴なのじゃ。まぁこの町からは出ておらぬと思う、が」
そうこう話していると扉がノックされる。
「ん? 来たみたいだな」
グレイは立ち上がり扉の方に向かう。そのあとをメーメルが向かった。
どうしようか考えたあと私も二人のあとを追う。
私はグレイの側まできた。するとグレイが、扉越しで何か話しているみたいだ。
「……なるほど。そのムドルと名乗る男が、下に……」
「ああ、そうだ。知り合いなのか?」
「俺の知り合い、というか。連れの方のな」
それを聞いた宿屋の人は「それなら問題ないな」と言い、その場から離れムドルさんの所に向かった。
なるほど、確かここの宿ってグレイの知り合いのって言ってたっけ。だから、何かあると大変だから用心のため確認しに来たんだね。
そう思いながら私は、グレイとメーメルと扉の近くで待機する。
すると廊下を歩く足音がしてきた。
「来たみたいだな」
「そうだね」
私は頷き、チラッとメーメルをみる。メーメルは、ジーっと扉をみていた。
扉がノックされる。グレイは確認したあと扉を開けた。と同時に視線を上に移動する。
そうグレイとムドルさんの身長差は、恐らく約十センチあるだろう。
グレイは一瞬だけ言葉に詰まる。
「……お前が、ムドルか」
「はい、そうです。それで、貴方が手紙に書かれていたグレイフェズさんですね。この度は、メーメル様のこと、」
「まぁ、それはいい。それより、入ってくれ。話は中でゆっくり、」
それを聞きムドルさんは、コクリと頷き部屋の中に入る。それから私たちは、円いテーブルの方に向かった。
その後、テーブルを囲むように椅子に座る。
「改めて……私は、ムドル・サルベドと申します」
「俺は、グレイフェズ・サイアルだ。それで、これからどうする?」
なぜかグレイはムドルさんに対し警戒していた。
「そうですね。大体のことは手紙に書いてありましたので……。それと、メーメル様と私が魔族であることも知っているのですよね」
それを聞きグレイは「ああ、」と言い頷く。
「メーメル様は、ギルドの依頼で護衛を引き受けた……」
ムドルさんはメーメルの方に視線を向ける。
「ムドル、妾は……」
「ハァ~、メーメル様に何を言っても無理でしょう。それに、宛てもない旅をこのまま続けるより良いかもしれませんね」
そう言われメーメルは泣き出した。
「うわぁ……ムドル、ありがとうなのじゃ」
それをみたムドルさんは、ニコリと笑いメーメルの涙を綺麗な布で拭う。
やっぱり、ムドルさんは優しいなぁ。本当に魔族なのかな?
そう思いながら私は話を聞いていた。
その後、話し合いの結果……。メーメルが心配とのことで、ムドルさんも一緒に同行することになる。
だが、グレイは不満そうだ。
もしかしてムドルさんとメーメルが魔族だからかな? でも、メーメルの時はそんな素振りみせなかったよね。
そう思いながらグレイをみる。
それに気づいたのか、グレイが私の方をみた。
目と目が合う。私は慌てて目を逸らす。チラッとみると、グレイも目を逸らしている。
なぜグレイが? と思った。だけど、なんか聞くのも怖かったのでやめる。
そして私たち四人は、その後これからどう行動するのかを話し合ったのだった。
私はそう言いながら扉の方をチラッとみた。
「そうだな。返事がきたから、そろそろくるとは思う」
「うむ……まさか、道に迷ったのでは、」
「ん? そう思うってことは、方向音痴なのか?」
そうグレイが言うとメーメルは、コクリと頷く。
「ムドルは、軽度の方向音痴なのじゃ。まぁこの町からは出ておらぬと思う、が」
そうこう話していると扉がノックされる。
「ん? 来たみたいだな」
グレイは立ち上がり扉の方に向かう。そのあとをメーメルが向かった。
どうしようか考えたあと私も二人のあとを追う。
私はグレイの側まできた。するとグレイが、扉越しで何か話しているみたいだ。
「……なるほど。そのムドルと名乗る男が、下に……」
「ああ、そうだ。知り合いなのか?」
「俺の知り合い、というか。連れの方のな」
それを聞いた宿屋の人は「それなら問題ないな」と言い、その場から離れムドルさんの所に向かった。
なるほど、確かここの宿ってグレイの知り合いのって言ってたっけ。だから、何かあると大変だから用心のため確認しに来たんだね。
そう思いながら私は、グレイとメーメルと扉の近くで待機する。
すると廊下を歩く足音がしてきた。
「来たみたいだな」
「そうだね」
私は頷き、チラッとメーメルをみる。メーメルは、ジーっと扉をみていた。
扉がノックされる。グレイは確認したあと扉を開けた。と同時に視線を上に移動する。
そうグレイとムドルさんの身長差は、恐らく約十センチあるだろう。
グレイは一瞬だけ言葉に詰まる。
「……お前が、ムドルか」
「はい、そうです。それで、貴方が手紙に書かれていたグレイフェズさんですね。この度は、メーメル様のこと、」
「まぁ、それはいい。それより、入ってくれ。話は中でゆっくり、」
それを聞きムドルさんは、コクリと頷き部屋の中に入る。それから私たちは、円いテーブルの方に向かった。
その後、テーブルを囲むように椅子に座る。
「改めて……私は、ムドル・サルベドと申します」
「俺は、グレイフェズ・サイアルだ。それで、これからどうする?」
なぜかグレイはムドルさんに対し警戒していた。
「そうですね。大体のことは手紙に書いてありましたので……。それと、メーメル様と私が魔族であることも知っているのですよね」
それを聞きグレイは「ああ、」と言い頷く。
「メーメル様は、ギルドの依頼で護衛を引き受けた……」
ムドルさんはメーメルの方に視線を向ける。
「ムドル、妾は……」
「ハァ~、メーメル様に何を言っても無理でしょう。それに、宛てもない旅をこのまま続けるより良いかもしれませんね」
そう言われメーメルは泣き出した。
「うわぁ……ムドル、ありがとうなのじゃ」
それをみたムドルさんは、ニコリと笑いメーメルの涙を綺麗な布で拭う。
やっぱり、ムドルさんは優しいなぁ。本当に魔族なのかな?
そう思いながら私は話を聞いていた。
その後、話し合いの結果……。メーメルが心配とのことで、ムドルさんも一緒に同行することになる。
だが、グレイは不満そうだ。
もしかしてムドルさんとメーメルが魔族だからかな? でも、メーメルの時はそんな素振りみせなかったよね。
そう思いながらグレイをみる。
それに気づいたのか、グレイが私の方をみた。
目と目が合う。私は慌てて目を逸らす。チラッとみると、グレイも目を逸らしている。
なぜグレイが? と思った。だけど、なんか聞くのも怖かったのでやめる。
そして私たち四人は、その後これからどう行動するのかを話し合ったのだった。