「お、そーい~」
あれから私は、しばらく噴水の前の長椅子に座りグレイを待っていた。だけど、いつになってもくる気配がない。あれだけあったムリゴはもうなくなった。
退屈で、さっき居た場所に視線を向ける。
「あの三人組、いつの間にか居ない。……まぁいっか、」
そう思い噴水の方をみた。
――場所は、北東側にある酒場街に移る――
ここは酒場街の奥にある一軒の民家。
その建物の中には、グレイフェズと綺麗なお姉さんがテーブルをはさみ向かい合わせで椅子に腰かけ話をしていた。
いや、この綺麗なお姉さんは……女性じゃなく男性だ。そう、オネイ様である。
名前は、キャリー(本名、ジルキャルム・リズライ)。年齢は、二十五歳。
黄緑の長い綺麗な髪。前髪は右目が隠れるほどに長い。目つきはキツく時折、鋭くなる。
グレイフェズは難しい表情で考え込んでいた。
「ねぇ、グレイ。その話、気になるわね。聖女召喚について、ある程度なら知っているけど。巻き込まれて召喚、という事例は聞いたことがないわ」
「情報屋のお前でも分からない、か。そうなると、やはり他の町に向かう必要があるな」
「ごめんなさい、ねぇ。グレイ、役に立たなくて。……だけど、そのこと気になるわね。調べてみようかしら」
そう言いながらグレイフェズをジーっとみやる。
「キャリー、それは助かる。報酬は、」
「そうねぇ。報酬は、後払いでいいわ。それに、調べても……内容が内容なだけに分かるとも限らないし……」
「そうか、それは助かる」
グレイフェズは軽く頭を下げた。
「まぁ、アタシも久しぶりにこの町を出たいと思ってたところだしね」
そう言いウインクをする。するとグレイフェズは、それをみないふりをし目線を逸らした。
その後グレイフェズは、少し話をしたあとキャリーと別れこの建物をあとにする。
――場所は変わり、タータム草原――
タルキニアの町から南東側にタータム草原がある。大草原とまではいかないが結構、広い。
草原の中央付近にある大きな木の上では、エルフの女性がビクビクしながら隠れていた。見た目は、十六歳ぐらいだ。
ブロンドの長い髪を手で払い周囲を確認している。
「どうしよう。まさか、変装がバレるなんて」
そう思いながら難しい表情をした。
そう、変装をし町を歩いてるところを数名の男たちに捕まる。その後、エルフだという事がバレたのだ。
それから奴隷商人の所に連れて行かれる途中、隙をみて逃げ出した。
そうそうこのエルフの女性は、ララファル・フォレバ。二百十六歳である。
「うん、あの三人……行ったみたい。だけど、用心にこしたことないわね。どうしようかしら……」
そう思いながらしばらく木の上で悩んでいたのだった。
あれから私は、しばらく噴水の前の長椅子に座りグレイを待っていた。だけど、いつになってもくる気配がない。あれだけあったムリゴはもうなくなった。
退屈で、さっき居た場所に視線を向ける。
「あの三人組、いつの間にか居ない。……まぁいっか、」
そう思い噴水の方をみた。
――場所は、北東側にある酒場街に移る――
ここは酒場街の奥にある一軒の民家。
その建物の中には、グレイフェズと綺麗なお姉さんがテーブルをはさみ向かい合わせで椅子に腰かけ話をしていた。
いや、この綺麗なお姉さんは……女性じゃなく男性だ。そう、オネイ様である。
名前は、キャリー(本名、ジルキャルム・リズライ)。年齢は、二十五歳。
黄緑の長い綺麗な髪。前髪は右目が隠れるほどに長い。目つきはキツく時折、鋭くなる。
グレイフェズは難しい表情で考え込んでいた。
「ねぇ、グレイ。その話、気になるわね。聖女召喚について、ある程度なら知っているけど。巻き込まれて召喚、という事例は聞いたことがないわ」
「情報屋のお前でも分からない、か。そうなると、やはり他の町に向かう必要があるな」
「ごめんなさい、ねぇ。グレイ、役に立たなくて。……だけど、そのこと気になるわね。調べてみようかしら」
そう言いながらグレイフェズをジーっとみやる。
「キャリー、それは助かる。報酬は、」
「そうねぇ。報酬は、後払いでいいわ。それに、調べても……内容が内容なだけに分かるとも限らないし……」
「そうか、それは助かる」
グレイフェズは軽く頭を下げた。
「まぁ、アタシも久しぶりにこの町を出たいと思ってたところだしね」
そう言いウインクをする。するとグレイフェズは、それをみないふりをし目線を逸らした。
その後グレイフェズは、少し話をしたあとキャリーと別れこの建物をあとにする。
――場所は変わり、タータム草原――
タルキニアの町から南東側にタータム草原がある。大草原とまではいかないが結構、広い。
草原の中央付近にある大きな木の上では、エルフの女性がビクビクしながら隠れていた。見た目は、十六歳ぐらいだ。
ブロンドの長い髪を手で払い周囲を確認している。
「どうしよう。まさか、変装がバレるなんて」
そう思いながら難しい表情をした。
そう、変装をし町を歩いてるところを数名の男たちに捕まる。その後、エルフだという事がバレたのだ。
それから奴隷商人の所に連れて行かれる途中、隙をみて逃げ出した。
そうそうこのエルフの女性は、ララファル・フォレバ。二百十六歳である。
「うん、あの三人……行ったみたい。だけど、用心にこしたことないわね。どうしようかしら……」
そう思いながらしばらく木の上で悩んでいたのだった。