ここは美咲と司の屋敷。そして司の部屋だ。

 司は現在、依頼書に記載されている物を創っている。

 (んー……どうしてなんだ? 思っているものよりも良い物が具現化されるって……。それに創る度に性能が良くなっている気がする)

 そう思い手に持っているナイフをみていた。

 (レベルが上がってるのか? そうだとしても……それを確認するすべがない。どうする? あー、創ればいいか。ただ……どんなタイプにする?)

 そう思考を巡らせながら天井を眺める。

 (木の板みたいのでいいか……思い付かないし)

 そう思い目の前に手を翳した。すると魔法陣が展開される。そしてその魔法陣から木のプレートが現れた。

 (んー……機能するのか?)

 司はプレートの両脇を持った。それと同時にプレートに書き込まれる。

 「ほう……これは便利だ。これって俺だけじゃなくても使えるように……いや、つくれるようにしたらいいんじゃないのか」

 そう言いプレートをみながら、どうやったら造れるのかと考えた。

 「プレートを調べてみるか」

 司はプレートの能力のあとに記されている★の部分をタッチする。するとプレートが発光して下の方に記載されていった。

 (……かなりチートだ。って云うか、こんなに具現化スキル覚えてたとはな。そうか……今までは能力を指定せずに使ってたから。
 それにしても、なんで能力を指定せずに使えたんだ? いまいち理解できない)

 そう考えながら書き込みをスライドしていく。

 (……もしかして俺が今このプレートを創ったせいでシステムが変ったのか? じゃあ下手をすれば、この力で世界を変えられる。
 だが…………まあ、そこまで考えないでいいか。頭が痛くなるしな)

 そう考えプレートを机の上に置くと背伸びをする。

 「んーさてと……次の依頼書に記載してある物を創らないとな」

 そう言い司は依頼書を一枚とってみていた。


 ▼△★△▼☆▼△


 ここは美咲の部屋である。

 机の上では泪が籠の中で頭に流れ込んでくる映像をみていた。そして現在、司の部屋でのことをみている。

 (あのプレートって司さんが創ったんだ。凄い能力だなぁ……まるで創造神みたい。もしそうだったら、この世界の神様が怒っちゃうね。
 そういえば、みんなも使えるようにしたい……って言ってた。でも、どうやって使えるようにしたんだろう? 誰もがプレートを創れるとも思えないけど)

 そう思考を巡らせていたが頭が痛くなってきた。

 (う……これ以上は無理だ。頭が、ガンガンしてきたよ)

 泪は涙目になりながら翼で頭を抱える。


 ▼△★△▼☆▼△


 ここは美咲が居るキッチンだ。

 美咲は鼻歌まじりで料理をしている。

 「今日は、カレーにするぞ」

 そう言いながら材料を冷蔵庫から出した。

 冷蔵庫は勿論、司が創った物だ。動力は魔力と魔法によるものである。よくこんな物を創り出したものだ。

 (この世界にもカレーを作るのに、いい材料があってよかった。でも調べるのに結構大変だったけど、これも司が調べるための機械を創り出してくれたお陰だね。
 本当に司には感謝しかないよ。この世界に来た時だって司と一緒だったから堪えられたんだもん。一人だったら何もできなかったと思う)

 そう思いながら美咲は野菜を切っていたのだった。