ここはバールドア城の清美の部屋。
あれから清美は、この国の王カルゼアと会い話をした。話と言っても、挨拶程度であり清美は何も聞けず。その後、従者に聞いても首を横に振るだけだ。
現在、清美は白い豪華なソファーに座り本を読んでいる。と言っても、今はそれしかやることがないのだ。
「ハァ~……今頃、泪どうしてるのかなぁ」
持っていた本をテーブルの上に置く。
(泪は、いつも元気であんな感じだけど。泣き虫で、頑張り屋さん……無理してないかなぁ。ああ、心配になってきた! でも考えたって……今のこの状態じゃ、会いに行きたくても無理だし……なぁ)
そう思い溜息をついた。
そうこう考えていると、扉がノックされる。すると扉が開く。そこからカイルディと十代ぐらいの騎士風の女性が入ってきた。
金色の短めの髪で、キリッとした目。鍛えているせいだろうか、筋肉質でスラっと痩せている。胸は……そこ触れない方がいいかも知れない。残念とだけ言っておこう。
カイルディはその女性と清美の前にきた。
「キヨミ様、今日は護衛ができる侍女を連れて参りました」
そう言いカイルディとその侍女は会釈をする。
「私はサクリス・カイナと申します。不束者ではありますがよろしくお願いします」
なぜかサクリスは下を向いたまま、ニヤッと笑みを浮かべ唇を舐める。
その仕草は清美とカイルディにみえず気づいていない。
それを聞き慌てて清美は立ち上がり会釈をした。
「あ、初めまして! 聖清美です。だけど、侍女ってどういう事ですか?」
「同世代で女性の方が側に居られた方がいいと、思われましたので。それに、話し相手にもなるかと」
「そうなのですね。お心遣いありがとうございます」
軽く頭を下げる。
「そうそう……それと、明日なのですが。国をあげて、聖女さまの御披露目をする式典を行いたいと思います」
「式典、なぜですか?」
「勿論キヨミ様が聖女さまであり、この国を救って頂く存在だからです」
そう言われ清美は困惑した。
「ですが……」
「ああ、そうでした。あとで式典用のドレスと、聖女さまように作らせた服を御持ちいたします」
「だから、あの……」
そう問いかけるもカイルディは、清美の言葉を聞いてか聞かずか会釈をし部屋を出る。
この部屋には清美とサクリスだけだ。
しばらく沈黙が続く……と、辺りをキョロキョロしていたサクリスが口を開く。
「スゲェ、豪華な部屋ですね。いいなぁ、羨ましい」
先程とはまったく別人のような態度である。
「あーえっと……」
その態度に清美は驚き目を丸くした。
「んー、キヨミ様って……結構、オレ好みなんだよな」
「好み……って。まさか、サクリスは……男?」
「……いや、れっきとした女! だけど……ねぇ」
そうサクリスは女性だ。だが男性が多い環境下にいたせいか、女性にしか興味を示さなくなっていたのだ。
清美はゾッとする。
(ちょっと、この状況……まずい気がするんだけど)
そう思いながら清美は顔を引き攣らせた。
あれから清美は、この国の王カルゼアと会い話をした。話と言っても、挨拶程度であり清美は何も聞けず。その後、従者に聞いても首を横に振るだけだ。
現在、清美は白い豪華なソファーに座り本を読んでいる。と言っても、今はそれしかやることがないのだ。
「ハァ~……今頃、泪どうしてるのかなぁ」
持っていた本をテーブルの上に置く。
(泪は、いつも元気であんな感じだけど。泣き虫で、頑張り屋さん……無理してないかなぁ。ああ、心配になってきた! でも考えたって……今のこの状態じゃ、会いに行きたくても無理だし……なぁ)
そう思い溜息をついた。
そうこう考えていると、扉がノックされる。すると扉が開く。そこからカイルディと十代ぐらいの騎士風の女性が入ってきた。
金色の短めの髪で、キリッとした目。鍛えているせいだろうか、筋肉質でスラっと痩せている。胸は……そこ触れない方がいいかも知れない。残念とだけ言っておこう。
カイルディはその女性と清美の前にきた。
「キヨミ様、今日は護衛ができる侍女を連れて参りました」
そう言いカイルディとその侍女は会釈をする。
「私はサクリス・カイナと申します。不束者ではありますがよろしくお願いします」
なぜかサクリスは下を向いたまま、ニヤッと笑みを浮かべ唇を舐める。
その仕草は清美とカイルディにみえず気づいていない。
それを聞き慌てて清美は立ち上がり会釈をした。
「あ、初めまして! 聖清美です。だけど、侍女ってどういう事ですか?」
「同世代で女性の方が側に居られた方がいいと、思われましたので。それに、話し相手にもなるかと」
「そうなのですね。お心遣いありがとうございます」
軽く頭を下げる。
「そうそう……それと、明日なのですが。国をあげて、聖女さまの御披露目をする式典を行いたいと思います」
「式典、なぜですか?」
「勿論キヨミ様が聖女さまであり、この国を救って頂く存在だからです」
そう言われ清美は困惑した。
「ですが……」
「ああ、そうでした。あとで式典用のドレスと、聖女さまように作らせた服を御持ちいたします」
「だから、あの……」
そう問いかけるもカイルディは、清美の言葉を聞いてか聞かずか会釈をし部屋を出る。
この部屋には清美とサクリスだけだ。
しばらく沈黙が続く……と、辺りをキョロキョロしていたサクリスが口を開く。
「スゲェ、豪華な部屋ですね。いいなぁ、羨ましい」
先程とはまったく別人のような態度である。
「あーえっと……」
その態度に清美は驚き目を丸くした。
「んー、キヨミ様って……結構、オレ好みなんだよな」
「好み……って。まさか、サクリスは……男?」
「……いや、れっきとした女! だけど……ねぇ」
そうサクリスは女性だ。だが男性が多い環境下にいたせいか、女性にしか興味を示さなくなっていたのだ。
清美はゾッとする。
(ちょっと、この状況……まずい気がするんだけど)
そう思いながら清美は顔を引き攣らせた。