――……翌朝。


 ここは傭兵詰所だ。辺りには、この城の警備などの仕事をしている者たちが集まっている。

 そしてここにはラギルノとガルディスが居て睨み合っていた。と云っても二人の距離は離れている。

 因みに二人が、ここに居る理由は今日の持ち場の指示をもらうためだ。

 ガルディスは自分の持ち場を聞いたあとラギルノを、キッと睨みこの場から出ていった。

 その後ラギルノも指示をもらい持ち場へと向かうため、この場をあとにする。

 傭兵詰所を出るとラギルノは持ち場である王の書斎がある二階の通路へと向かい歩き始める。

 (これから毎日のようにガルディスと顔を合わせるのか……ああ、最悪だ。どうもアイツとは馬が合わない。まあ……昔の俺が悪いんだろうけどな)

 そう思い苦笑した。

 (さて、これからどうなる。本当にドルムス様を王位に就かせることができるのか?
 セフィルディ様の話では俺とガルディスとツカサの連携が上手くいけばと云っていた。だが、どう考えても……最悪なメンバーと思うんだが)

 そう考えながら歩いている。


 ▼△★△▼☆▼△


 ここは司と美咲の屋敷だ。

 二人は現在、屋敷の修理や模様替えをしている。

 司は壊れている所の修理をするため外にいた。

 屋敷の中には美咲が居て、どう模様替えをしようか悩んでいる。

 「んー……この部屋は子供部屋っぽいね。でも……私にはいない。それにここには、ずっと居る訳じゃないし……」

 そう言い美咲は、とりあえず必要な物と必要ない物の選別を始めた。

 その様子を泪は籠の中からみている。因みにタンスの上に鳥籠は置かれていた。

 (子供部屋かぁ。そうなると、この屋敷には子供が居たんだね。……それにしても美咲さんって……不器用だったんだ。私も人のこと言えないけど……)

 そう思い溜息をつく。

 そう美咲は現在、壁紙を貼り替えている。だが、どうみても隙間だらけで模様もバラバラである。……まあこれはこれで個性的でいいのだろうが(汗)

 「もっと派手にしようかな? 司に出してもらった壁紙の中にあればいいけど」

 そう言いながら美咲は床に置かれた無数の壁紙をみている。

 (美咲さん……趣味も悪い。って、わざとバラバラな模様で貼ってるの? なぜ……いや、絶対変になるって……)

 そう思い泪は心配になってきた。

 そんなことを泪が思っているとも知らず美咲は、薔薇の模様の壁紙を選んだ。……まあ知らないのは当たり前なんだけどね(汗)

 壁紙を適当な大きさに切ると壁に貼っていった。

 それをみて泪は突っ込みを入れたくなってくる。

 (あーあ、貼っちゃったね。でも、まあ……これでいいのかも。美咲さんにとっては、これがいいんだろうし。私なら嫌だけど……)

 そう思い苦笑した。

 そしてその後も泪は、ハラハラしながら美咲をみていたのだった。