ここはギルドの掲示板前。
「ほーお……なるほどのう。察するに、この依頼書のことじゃな」
そうメーメルは泪たちの話を聞いていた。いや、正確には聞こえて来たのだ。
泪たちが掲示板から離れカウンターの方へ向かったのをみてここにくる。なぜここに来たのか……泪たちが話していた内容に興味があったからだ。
(受付か。報酬は書いておらぬが、歩合制か? うむ、じゃがこれは面白そうじゃ。それに、先程の話を聞く限りではこの町から出られる。
そうなれば、ムドルを探すことが可能じゃな。しかし、受付の募集は何人なのかのう……)
そう思考を巡らせながら受付のカウンターの方へ視線を向けた。
「うむ、聞いてみた方が早いかもしれぬな」
そう考えがまとまるとこの場を離れカウンターの方へと向かう。
――場所は、受付のカウンターに移る――
あれから私は、ドルバドスさんにプレートをみせた。ドルバドスさんはプレートを受け取ると冒険者の項目を選び依頼内容を記載する。そして、見習いとして採用と書き込んでくれた。
その後、私はドルバドスさんからプレートを受け取る。
「わあぁ、これで受付ができるぅ~……わぁーい!」
「そうだな。でも、まだ見習いだが」
「ああ、そういう事だ。あとは手紙を書かねぇとな」
そう言いドルバドスさんはカウンターを離れようとした。
「マスター、わら……アタシも、この受付がしたいのじゃ」
可愛い少女が私の目の前に現れカウンターの上にバンッと依頼書を置く。
その声に気づきドルバドスさんはその少女の方を向いた。
「メーメル、お前もか? まさか、さっきの話を……」
「うむ、駄目なのか?」
「いや、そうじゃねぇ。だが、お前が受付か……メーメルのランクなら違う仕事もある……ん? そういう事か、受付が目的じゃねぇな」
そう言いドルバドスさんは口角を上げる。
「このままここに居ても、みつからぬ。それなら……」
「それもそうだな。だが、そんなに紹介状は書けねぇ。うむ、なら護衛というのはどうだ? お前はコットンランク1だ。この依頼内容なら問題ねぇだろう」
「護衛……誰のじゃ?」
メーメルはそう問いかけた。
「この二人のな」
そう言うと私とグレイを指差す。
「ちょっと待ってくれ! 俺なら護衛は必要ない」
「だろうな。だが、嬢ちゃんには必要なんじゃねぇのか。同世代の……同性の護衛が」
それを聞き私はメーメルをみる。
「私は……どちらかといえば、ドルバドスさんが言うように居てくれた方がいいです」
私がそう言うとグレイは、なぜか不満そうな表情になっていた。
「……ルイがいいなら構わない。そうなると、俺が報酬を払わないとな」
「いや、報酬は成果とする。但し、紹介料はもらうがな」
それを聞きグレイは首を傾げる。
「それは、どういう事だ?」
「メーメルはな、こうみえても強い。自分でそれだけの働きができるってことだ」
「っと、いう事は……。改めて俺から常に払わず、成果をあげた時に得た報酬をそのまま全て渡せばいい」
ドルバドスさんは「そういう事だ」と頷いた。
「それは、構わぬ。ただ、アタシの素性が知られぬか心配なのじゃが」
「そうだった。だが、俺が保証すれば大丈夫だろう。なぁグレイ!」
「その様子だと、何かいわくがあるってことか」
そう言いグレイはメーメルに視線を向ける。
「これは内密にしてもらいてぇ」
ドルバドスさんは、メーメルにプレートをみせろと言った。それを聞きメーメルは、頷きプレートをドルバドスさんに渡す。
受け取ったドルバドスさんはグレイにプレートをみせる。
「……なるほど。俺は問題ない。だが、他のギルドでバレるんじゃないのか?」
「いや、大丈夫だ。他のギルドの依頼を受けなきゃいい」
「それなら……確かに、大丈夫そうだな」
私は不思議に思う。
「私、何のことか分からないんだけど」
「ルイ、ここじゃない方がいい。あとでゆっくり話す」
そう言われ私は頷いた。
「……ってことだ。メーメル大丈夫だな」
「うむ、問題ない」
メーメルは私とグレイをみる。
「改めて、アタシの名前はメーメルじゃ。すまぬが訳あって、姓は名乗れぬ」
「ああ、構わない。俺は、グレイフェズ・サイアルだ」
「私は、ルイ・メイノです! よろしくね」
私はそう言いながら右手を差し出す。
「うむ、よろしくなのじゃ」
ニコッと笑いメーメルは私と握手をした。
その後、ドルバドスさんから色々と説明を受ける。そしてそれらが終えると私とグレイは、宿屋に戻ったのだった。
「ほーお……なるほどのう。察するに、この依頼書のことじゃな」
そうメーメルは泪たちの話を聞いていた。いや、正確には聞こえて来たのだ。
泪たちが掲示板から離れカウンターの方へ向かったのをみてここにくる。なぜここに来たのか……泪たちが話していた内容に興味があったからだ。
(受付か。報酬は書いておらぬが、歩合制か? うむ、じゃがこれは面白そうじゃ。それに、先程の話を聞く限りではこの町から出られる。
そうなれば、ムドルを探すことが可能じゃな。しかし、受付の募集は何人なのかのう……)
そう思考を巡らせながら受付のカウンターの方へ視線を向けた。
「うむ、聞いてみた方が早いかもしれぬな」
そう考えがまとまるとこの場を離れカウンターの方へと向かう。
――場所は、受付のカウンターに移る――
あれから私は、ドルバドスさんにプレートをみせた。ドルバドスさんはプレートを受け取ると冒険者の項目を選び依頼内容を記載する。そして、見習いとして採用と書き込んでくれた。
その後、私はドルバドスさんからプレートを受け取る。
「わあぁ、これで受付ができるぅ~……わぁーい!」
「そうだな。でも、まだ見習いだが」
「ああ、そういう事だ。あとは手紙を書かねぇとな」
そう言いドルバドスさんはカウンターを離れようとした。
「マスター、わら……アタシも、この受付がしたいのじゃ」
可愛い少女が私の目の前に現れカウンターの上にバンッと依頼書を置く。
その声に気づきドルバドスさんはその少女の方を向いた。
「メーメル、お前もか? まさか、さっきの話を……」
「うむ、駄目なのか?」
「いや、そうじゃねぇ。だが、お前が受付か……メーメルのランクなら違う仕事もある……ん? そういう事か、受付が目的じゃねぇな」
そう言いドルバドスさんは口角を上げる。
「このままここに居ても、みつからぬ。それなら……」
「それもそうだな。だが、そんなに紹介状は書けねぇ。うむ、なら護衛というのはどうだ? お前はコットンランク1だ。この依頼内容なら問題ねぇだろう」
「護衛……誰のじゃ?」
メーメルはそう問いかけた。
「この二人のな」
そう言うと私とグレイを指差す。
「ちょっと待ってくれ! 俺なら護衛は必要ない」
「だろうな。だが、嬢ちゃんには必要なんじゃねぇのか。同世代の……同性の護衛が」
それを聞き私はメーメルをみる。
「私は……どちらかといえば、ドルバドスさんが言うように居てくれた方がいいです」
私がそう言うとグレイは、なぜか不満そうな表情になっていた。
「……ルイがいいなら構わない。そうなると、俺が報酬を払わないとな」
「いや、報酬は成果とする。但し、紹介料はもらうがな」
それを聞きグレイは首を傾げる。
「それは、どういう事だ?」
「メーメルはな、こうみえても強い。自分でそれだけの働きができるってことだ」
「っと、いう事は……。改めて俺から常に払わず、成果をあげた時に得た報酬をそのまま全て渡せばいい」
ドルバドスさんは「そういう事だ」と頷いた。
「それは、構わぬ。ただ、アタシの素性が知られぬか心配なのじゃが」
「そうだった。だが、俺が保証すれば大丈夫だろう。なぁグレイ!」
「その様子だと、何かいわくがあるってことか」
そう言いグレイはメーメルに視線を向ける。
「これは内密にしてもらいてぇ」
ドルバドスさんは、メーメルにプレートをみせろと言った。それを聞きメーメルは、頷きプレートをドルバドスさんに渡す。
受け取ったドルバドスさんはグレイにプレートをみせる。
「……なるほど。俺は問題ない。だが、他のギルドでバレるんじゃないのか?」
「いや、大丈夫だ。他のギルドの依頼を受けなきゃいい」
「それなら……確かに、大丈夫そうだな」
私は不思議に思う。
「私、何のことか分からないんだけど」
「ルイ、ここじゃない方がいい。あとでゆっくり話す」
そう言われ私は頷いた。
「……ってことだ。メーメル大丈夫だな」
「うむ、問題ない」
メーメルは私とグレイをみる。
「改めて、アタシの名前はメーメルじゃ。すまぬが訳あって、姓は名乗れぬ」
「ああ、構わない。俺は、グレイフェズ・サイアルだ」
「私は、ルイ・メイノです! よろしくね」
私はそう言いながら右手を差し出す。
「うむ、よろしくなのじゃ」
ニコッと笑いメーメルは私と握手をした。
その後、ドルバドスさんから色々と説明を受ける。そしてそれらが終えると私とグレイは、宿屋に戻ったのだった。