ここはログロス村にあるドルムスの屋敷。

 あれから泪は青い鳥と話していた。その後、再びドルムスの居る部屋を探し屋敷の周囲を飛んでいる。

 (あ、あそこにいた。何をしてるんだろう?)

 そう思いながら二階にある部屋の窓にとまった。泪は窓から中を覗きみる。中は書斎みたいだ。

 泪の頭の中にドルムスの考えていることが流れてくる。それを察知すると泪は、しばらくドルムスの様子を観察することにした。


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 ここはドルムスの書斎。

 机上の書類をみながらドルムスは考えごとをしている。

 (さて、どうする? 私を狙う者、か。うむ、まだ死ぬ訳にはいかぬ。かといって、城に戻るのも……)

 そう思いながら溜息をついた。

 (セフィルディは、本当に連れてくるつもりか? フゥ~、そう簡単に村長を任せられる者が現れるとも思えんが……。
 万が一という事もある……その時は、城に戻るしかないだろうな)

 そう考えるとドルムスは嫌な顔をする。

 (そういえばセフィルディは、今日この村の宿屋に泊まると言っていたな。なぜ、この屋敷に泊まらんのだ? 昔から、訳の分からんヤツだったが……今も変わらぬ)

 そう思考を巡らせるとドルムスは、書類を置き立ち上がった。
 そして窓際までくる。

 「ん? もしかして、さっきの鳥か……なぜここに……。まぁ、偶々だろう……」

 そう言いドルムスは外の景色を眺める。

 「恐らく、みつけてくるだろう……そうなればこの村を出ていかないとな」

 ドルムスは寂しげな表情で村を見渡した。

 「この村が心配だ。セフィルディがみつけてくる者……大丈夫なのだろうか」

 心配になり眉を下げる。

 「まぁ、心配しても仕方ないのだがな」

 そう言いドルムスは部屋へと向きを変えた。その後、椅子に座り机上に向かい書類をみる。

 その様子を泪は、色々と考えながらみていた。


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 ここは美咲と司の家。

 あれから司は美咲と喧嘩をする。そう、司が泪を家から追い出したからだ。

 「司、いくら頭にきたからって……追い出すことないでしょ!」

 「あのなぁ、たかが鳥だろ! それに、戻って来たければ……勝手に戻ってくる」

 「うう……戻ってこなかったらどうするのよ」

 そう言い美咲は泣き出した。

 「あーえっと……泣くことないだろ。分かった……余り外に出たくなかったけど、探してくる」

 「司……ありがとう。でも、大丈夫なの?」

 「ハァ~……まあ大丈夫だろう。別に俺たちの顔が知られてる訳じゃないからな」

 司はそう言い玄関の方へと歩き始める。

 「あ、私も行く!」

 そう言い美咲は司のあとを追ったのだった。