泪は青ざめる。なんとかして、阻止しなきゃと思った。
でも、なぜか体が動かない。
(思い通りに動かない。……もしかして、ここが過去だからなの? でも、とめないと……このままじゃ)
そう思い、なんとか体を動かそうとする。だが、やはり駄目なようだ。
(なんで……これじゃ、司さんが悪者になっちゃうよ)
泪はつらくなり涙がでてくる。
“……泪、今は全てを見届けるのです。それらを見極めなさい……それが、貴女の役目なのだから……”
どこからともなく声が聞こえてくる。その声は泪にしか聞こえていない。
(だれ? それって、どういう事なの?)
“今は、そのことを話すことができません。その時がくれば分かるでしょう”
(分かりました。だけど、これだけは教えてください。……なんで美咲さんと司さんの産まれるはずだった子供と私の名前が同じなの? 知ってるなら教えて)
もしかしたら何か知っているのではと思い、泪はそう聞いた。
“そのことは言えません。ですが、貴女が感じた通りです。それ以上は……”
(それって……もしそうなら……)
“なぜなのかは、自ずと時期がくれば知ることになるでしょう。ですので、今は……ただみていなさい”
それを聞き泪は頷く。
(分かりました。見届けることが、今の私の役目なら……)
“それで良いのです……”
(それと……なぜ過去に? …………声が聞こえなくなった。でも……そうだね、聞くまでもないか)
そう思い泪は、頭の上から司の手元をみる。
(これから、何があっても……みてるだけでいい。それが、何かの役に立つのかもしれないしね)
そう泪が考えていると司は、蓋がされたままの箱の上に左手を乗せていた。
司は目を閉じて創造している。そう、厄災を箱の中に創り出しているのだ。
「封印もした。あとは、この箱と一緒に……厄災のことと封印の解き方を書いた紙を添えればいいだけだ」
そう言い司は、机上に置いてある便箋を一枚とり書き記す。それと同じ物を創造して、十四枚を具現化させる。
「これを……ん? そういえば、どう箱と一緒に添えたらいいんだ」
司はそう言うと思考を巡らせた。
「……まあ、いいかぁ。大きな箱を創って、そこに入れればいいよな」
そう思い大きな箱を十五個、具現化する。
(もしかして司さん、考えるの苦手? そういえば、この箱って……かなり単純すぎる。ガラも、ダサい……)
半目で箱をみながら、泪はそう思った。
「この中に、厄災の箱と手紙を入れる。あと必要な物はないよな?」
そう言いながら司は、大きな四角の箱に入れていく。
その後、司はその箱を隅の方に持っていきみえないように布で覆い隠す。
その様子を泪はみている。
「さてと、終わった。あとは時期を見計らって、俺たちが訪れた地域に無作為に飛ばすだけだ」
司はそう言い再び椅子に腰掛けた。
すると外が賑やかになってくる。
「来たみたいだな。とりあえず帰るまでは、家の中で待機してるか」
そう言い司は、自分の頭に乗っている泪へと手を伸ばした。
「ルイ、いつまで俺の頭に乗っているつもりだ? それとも、そこが気に入ったのか」
泪は司に捕まえられないように飛んだ。そして、また頭に乗る。
そして、しばらくそれを繰り返していたのだった。
でも、なぜか体が動かない。
(思い通りに動かない。……もしかして、ここが過去だからなの? でも、とめないと……このままじゃ)
そう思い、なんとか体を動かそうとする。だが、やはり駄目なようだ。
(なんで……これじゃ、司さんが悪者になっちゃうよ)
泪はつらくなり涙がでてくる。
“……泪、今は全てを見届けるのです。それらを見極めなさい……それが、貴女の役目なのだから……”
どこからともなく声が聞こえてくる。その声は泪にしか聞こえていない。
(だれ? それって、どういう事なの?)
“今は、そのことを話すことができません。その時がくれば分かるでしょう”
(分かりました。だけど、これだけは教えてください。……なんで美咲さんと司さんの産まれるはずだった子供と私の名前が同じなの? 知ってるなら教えて)
もしかしたら何か知っているのではと思い、泪はそう聞いた。
“そのことは言えません。ですが、貴女が感じた通りです。それ以上は……”
(それって……もしそうなら……)
“なぜなのかは、自ずと時期がくれば知ることになるでしょう。ですので、今は……ただみていなさい”
それを聞き泪は頷く。
(分かりました。見届けることが、今の私の役目なら……)
“それで良いのです……”
(それと……なぜ過去に? …………声が聞こえなくなった。でも……そうだね、聞くまでもないか)
そう思い泪は、頭の上から司の手元をみる。
(これから、何があっても……みてるだけでいい。それが、何かの役に立つのかもしれないしね)
そう泪が考えていると司は、蓋がされたままの箱の上に左手を乗せていた。
司は目を閉じて創造している。そう、厄災を箱の中に創り出しているのだ。
「封印もした。あとは、この箱と一緒に……厄災のことと封印の解き方を書いた紙を添えればいいだけだ」
そう言い司は、机上に置いてある便箋を一枚とり書き記す。それと同じ物を創造して、十四枚を具現化させる。
「これを……ん? そういえば、どう箱と一緒に添えたらいいんだ」
司はそう言うと思考を巡らせた。
「……まあ、いいかぁ。大きな箱を創って、そこに入れればいいよな」
そう思い大きな箱を十五個、具現化する。
(もしかして司さん、考えるの苦手? そういえば、この箱って……かなり単純すぎる。ガラも、ダサい……)
半目で箱をみながら、泪はそう思った。
「この中に、厄災の箱と手紙を入れる。あと必要な物はないよな?」
そう言いながら司は、大きな四角の箱に入れていく。
その後、司はその箱を隅の方に持っていきみえないように布で覆い隠す。
その様子を泪はみている。
「さてと、終わった。あとは時期を見計らって、俺たちが訪れた地域に無作為に飛ばすだけだ」
司はそう言い再び椅子に腰掛けた。
すると外が賑やかになってくる。
「来たみたいだな。とりあえず帰るまでは、家の中で待機してるか」
そう言い司は、自分の頭に乗っている泪へと手を伸ばした。
「ルイ、いつまで俺の頭に乗っているつもりだ? それとも、そこが気に入ったのか」
泪は司に捕まえられないように飛んだ。そして、また頭に乗る。
そして、しばらくそれを繰り返していたのだった。