ここは美咲と司の家にある庭。外は晴れ渡り、プカプカと雲が浮かんでいた。

 庭は然程、大きくない。その庭には、白いテーブルと椅子がある。

 美咲は椅子に座り、テーブルに乗って居る泪に話を聞かせていた。

 「……ここにくるまでの間にね、色々とあったんだよ。いいことも悪いことも……。でも、司が居てくれたから……」

 そう言い美咲は、泪に微笑みかける。

 その後も美咲は、色々なことを泪に話していた。

 (色々と大変だったんだなぁ。そういえば、司さんはどう思ってるんだろう?)

 そう思い泪は、建物の方をみる。

 「そういえば、今日は外に居ない方がいいって言ってたから……そろそろ入ろうか」

 美咲は泪に肩へ乗るように言った。

 それを聞き泪は、美咲の左肩に乗る。

 その後、美咲は建物の中へと入っていった。


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 家の中に入った美咲は、自分の部屋に行こうとする。

 だが司の部屋の前までくると泪は、美咲の肩から飛び立った。そして、くちばしで扉をつつく。

 「あールイ、駄目だよ。司は、忙しいみたいだから」

 そう言いながら美咲は、泪を捕まえようとする。

 すると扉が開いた。そして司は、何をしているんだと思いながらその様子をみている。

 「あっ、ごめん。ルイがね……って、中に入っちゃった!」

 泪は開いた瞬間、今だと思い司の部屋に入った。

 それをみて美咲は、どうしようと思いながら司をみる。

 「ん? ルイは、俺の部屋に興味があるみたいだな」

 そう言い司は、自分の部屋を飛び回る泪を目で追った。

 「司、ごめん……今すぐ部屋から追い出すから」

 「いや、別にいい。飽きれば、外に出るだろう」

 「そうだろうけど……本当に大丈夫なの?」

 そう問いかけると司は、頷いたあと笑みを浮かべる。

 「ああ、問題ない」

 「そっかぁ、それならいいけど」

 「それよりも、美咲は大丈夫なのか……ルイが居なくて」

 そう言うと司は、心配な表情で美咲をみた。

 「うん、私は大丈夫だよ。それにそろそろお昼だから、準備してきちゃうね」

 「もうそんな時間か……」

 「じゃあ、作ってくる。その間、ルイのことよろしくね」

 美咲はそう言いキッチンへと向かう。

 それを確認すると司は扉を閉める。


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 司の部屋の中に入った泪は、飛び回りながらみていた。ただ単に部屋の中は、どうなっているのか興味があったからである。

 それをみて司は微笑み、再び椅子に座り机上の箱をみた。

 (箱? なんだろう……床にも、沢山あるけど)

 そう思い気になったため泪は、司の頭の上にとまる。

 「どうした? もしかして、この箱が気になるのか。だが、お前にはやれないぞ」

 そう言い司は、ニコッと笑った。

 「……」

 だが泪は、その言葉を聞いていない。なぜかとまった瞬間、鮮明に司の思っていることが頭の中へと入って来たからである。

 (これって……司さんが考えていることだよね。でもなんで? 能力は使えないはず、でも……。それは、良く分かんないけど。
 ……これってまさか、厄災は司さんが創ったの? そういえば、あれからグレイとムドルさんの様子がおかしかったけど……このことに気づいてたのかも)

 そう泪は思考を巡らせていたのだった。