ここはログロスの村。泪は美咲と家の中にいた。
家と云っても、古ぼけた感じの木でできた建物である。美咲と司は寝室以外、別の部屋で過ごしていた。
そして現在、その建物の美咲の部屋に泪はいる。
美咲は椅子に寄りかかり、テーブルの上に乗っている泪と話をしていた。
「ルイは、逃げないね。飼い主がみつかるまで、ここに居てね。ここに来てから、話をする相手いなくて……」
そう言い美咲は泪に微笑みかける。
「チュ、チュン……(勿論です!)」
泪はそう言い、ちょこんと頷いた。
「本当に可愛いね」
そうこう話していると扉がノックされ男の人の声が聞こえてくる。
「美咲、話がある。中に入っていいか?」
その声は、どことなくグレイフェズに似ていた。
「うん、大丈夫だよ」
それを聞き声の主は、扉を開け部屋に入ってくる。
(グレイ!? ううん、似ているけど……髪が茶色だし。身長も、グレイの方が高いかも。って……もしかして、この人が勇者……司さん!)
そう思い泪は、司をマジマジとみた。
「……鳥?」
「うん、さっき外でみつけたの。なんか、誰かに飼われてたっぽい。だけど、私に懐いちゃったみたいなんだよね」
「そうか……名前はあるのか?」
そう言いながら司は、ちょこんと泪の頭を触り微笑む。
「首のプレートに、ルイって書いてあったよ」
「ルイ……偶然、なのか」
司はその名前を聞き、つらそうな表情をする。
「司、どうしたの?」
「いや、子供が産まれてたら……ルイってつけるつもりだった」
そう言いながら司は、ポケットから一枚の紙を取り出しテーブルの上に置いた。
その紙には……。
【・男の子……類 ・女の子……泪】
そう書かれている。
その紙をみた泪は目を丸くした。
(えっと……これって偶然だよね。確かに、美咲さんと司さんも……私と同じ世界の……。ううん、違うかも知れないけど。同じような世界から来た人……漢字で書いてるし」
そう思いながら泪は、美咲と司を順にみる。
「そっかぁ、司……ごめん」
それをみた美咲は、申し訳ない気持ちになり泣きそうになる。
「なんで謝るんだ? 美咲が悪い訳じゃない。俺も……もっと、気を使ってあげてれば……」
「ううん、司は十分に色々してくれたよ。そうだ……何か用があったんじゃないの?」
そう言い美咲は、気まずい空気を変えようと別の話をした。
「あ、そうだった。明日、帝都から偉い人がくるって話を聞いたんだが」
「帝都から……何のため?」
「さあな。分からないが……まさか、俺たちのことがバレたか?」
それを聞き美咲は、不安な表情になる。
「だとしたら……この村を早く出ないと、迷惑かけちゃう」
「そうだな。だが、そうとは限らない。それに、この村を出るにしても直ぐには無理だ」
そう言い司は、無作為に一点をみた。
「うん、だけど……」
「美咲、とりあえず……なんとかやり過ごそう。できるかは、分からないけどな」
そう言われ美咲は頷く。
そのあと二人は、そのことも踏まえ話し合う。
そして泪は、その会話を聞いていたのだった。
家と云っても、古ぼけた感じの木でできた建物である。美咲と司は寝室以外、別の部屋で過ごしていた。
そして現在、その建物の美咲の部屋に泪はいる。
美咲は椅子に寄りかかり、テーブルの上に乗っている泪と話をしていた。
「ルイは、逃げないね。飼い主がみつかるまで、ここに居てね。ここに来てから、話をする相手いなくて……」
そう言い美咲は泪に微笑みかける。
「チュ、チュン……(勿論です!)」
泪はそう言い、ちょこんと頷いた。
「本当に可愛いね」
そうこう話していると扉がノックされ男の人の声が聞こえてくる。
「美咲、話がある。中に入っていいか?」
その声は、どことなくグレイフェズに似ていた。
「うん、大丈夫だよ」
それを聞き声の主は、扉を開け部屋に入ってくる。
(グレイ!? ううん、似ているけど……髪が茶色だし。身長も、グレイの方が高いかも。って……もしかして、この人が勇者……司さん!)
そう思い泪は、司をマジマジとみた。
「……鳥?」
「うん、さっき外でみつけたの。なんか、誰かに飼われてたっぽい。だけど、私に懐いちゃったみたいなんだよね」
「そうか……名前はあるのか?」
そう言いながら司は、ちょこんと泪の頭を触り微笑む。
「首のプレートに、ルイって書いてあったよ」
「ルイ……偶然、なのか」
司はその名前を聞き、つらそうな表情をする。
「司、どうしたの?」
「いや、子供が産まれてたら……ルイってつけるつもりだった」
そう言いながら司は、ポケットから一枚の紙を取り出しテーブルの上に置いた。
その紙には……。
【・男の子……類 ・女の子……泪】
そう書かれている。
その紙をみた泪は目を丸くした。
(えっと……これって偶然だよね。確かに、美咲さんと司さんも……私と同じ世界の……。ううん、違うかも知れないけど。同じような世界から来た人……漢字で書いてるし」
そう思いながら泪は、美咲と司を順にみる。
「そっかぁ、司……ごめん」
それをみた美咲は、申し訳ない気持ちになり泣きそうになる。
「なんで謝るんだ? 美咲が悪い訳じゃない。俺も……もっと、気を使ってあげてれば……」
「ううん、司は十分に色々してくれたよ。そうだ……何か用があったんじゃないの?」
そう言い美咲は、気まずい空気を変えようと別の話をした。
「あ、そうだった。明日、帝都から偉い人がくるって話を聞いたんだが」
「帝都から……何のため?」
「さあな。分からないが……まさか、俺たちのことがバレたか?」
それを聞き美咲は、不安な表情になる。
「だとしたら……この村を早く出ないと、迷惑かけちゃう」
「そうだな。だが、そうとは限らない。それに、この村を出るにしても直ぐには無理だ」
そう言い司は、無作為に一点をみた。
「うん、だけど……」
「美咲、とりあえず……なんとかやり過ごそう。できるかは、分からないけどな」
そう言われ美咲は頷く。
そのあと二人は、そのことも踏まえ話し合う。
そして泪は、その会話を聞いていたのだった。