ここはカロムの屋敷の客間。ここにはカロムと灰色のローブの男がいて、互いに向き合い話をしていた。
あれからカロムは屋敷に戻るなり、この客間へ急ぎ足でくる。
そして二人は現在、テーブルの上に無造作に置かれた書類の数枚を持ち話をしていた。
「思っていたよりも、高額で売れたようですね」
「ああ、他の種族も居たからな。それで、今回はどうだ?」
「それが、まだ二人だけです」
そう言いカロムは、難しい顔で灰色のローブの男をみる。
「今のやり方では効率が悪い。以前のようにはできんのか?」
「無理です。他の協力者が居なければなりませんので」
「そうだな……仕方ないか。それで、その二人の書類をみせろ!」
そう言われカロムは持って来た書類を二枚、灰色のローブの男に渡した。
灰色のローブの男は、その二枚の書類を受け取ると隅々までみる。
「どうですか?」
「これだけでは分からんが……どんな容姿だ?」
そう問われカロムは泪とメーメルのイメージを伝えた。
「ほう、そうか。それなら、高額で売れるかもしれんな」
「じゃあ、商談は成立という事でいいのですね」
そう言われて灰色のローブの男は、コクッと頷く。
その後、灰色のローブの男はバッグから書類を取りだしテーブルに置く。そして、その書類に記載する。
「いつも通り、この誓約書にサインをしてくれ」
「ええ、分かりました」
カロムは書類に目を通すとサインをする。
「さて、いつぐらいになる?」
「明日以降になると思います。ですので今日は、この屋敷でゆっくりお休みください」
「そうか……なら、そうさせてもらう」
そう言うと灰色のローブの男は、ニヤリと笑みを浮かべた。
その後カロムはマリリサを呼び、灰色のローブの男を専用の部屋に案内させる。
灰色のローブの男が行ったことを確認すると、カロムは自分の部屋に向かった。
――場所は、泪とメーメルの部屋へと移る――
私はメーメルと話をしていた。
「ルイ、そういえばトラットはどうする?」
「そういえば、そうだね。多分一緒には無理だと思う」
そう思い私は、抱っこしているトラットをみる。
「……そうだな。その時は、グレイ達の元に行く」
小声でトラットは、ボソッとそう呟いた。
「それがいいだろう。そうだな、行くならば状況を伝えて欲しい」
「分かった。その前に、オイラが捕まらないようにしないとな」
「そうだね。トラットは、少し離れた場所に居た方がいいかも」
そう私が言うとトラットは、コクリと頷く。
「それはいいが、グレイ達の居る場所は分かるのか?」
「メーメル、ニオイを辿るつもりだ。それにオイラは、どんな隙間でも通り抜けられるからな」
「心配だけど……それなら大丈夫かなぁ」
そう言いながら私はトラットをみる。
トラットは頷いたあと、また体を丸め私の膝の上で眠りについた。
「あとは……何も気づいていないフリをするだけだな」
「うん、そうだね。演技できるか分からないけど」
「演技する必要はないと思うが……ただ、悟られたら面倒だ」
そうメーメルに言われ私は、急に緊張してくる。
「硬くなるな……いつも通りでいい」
そう言いメーメルは、ニコリと笑った。
それをみた私は、深呼吸をする。
そして私とメーメルはその後、他愛のない話をしていたのだった。
あれからカロムは屋敷に戻るなり、この客間へ急ぎ足でくる。
そして二人は現在、テーブルの上に無造作に置かれた書類の数枚を持ち話をしていた。
「思っていたよりも、高額で売れたようですね」
「ああ、他の種族も居たからな。それで、今回はどうだ?」
「それが、まだ二人だけです」
そう言いカロムは、難しい顔で灰色のローブの男をみる。
「今のやり方では効率が悪い。以前のようにはできんのか?」
「無理です。他の協力者が居なければなりませんので」
「そうだな……仕方ないか。それで、その二人の書類をみせろ!」
そう言われカロムは持って来た書類を二枚、灰色のローブの男に渡した。
灰色のローブの男は、その二枚の書類を受け取ると隅々までみる。
「どうですか?」
「これだけでは分からんが……どんな容姿だ?」
そう問われカロムは泪とメーメルのイメージを伝えた。
「ほう、そうか。それなら、高額で売れるかもしれんな」
「じゃあ、商談は成立という事でいいのですね」
そう言われて灰色のローブの男は、コクッと頷く。
その後、灰色のローブの男はバッグから書類を取りだしテーブルに置く。そして、その書類に記載する。
「いつも通り、この誓約書にサインをしてくれ」
「ええ、分かりました」
カロムは書類に目を通すとサインをする。
「さて、いつぐらいになる?」
「明日以降になると思います。ですので今日は、この屋敷でゆっくりお休みください」
「そうか……なら、そうさせてもらう」
そう言うと灰色のローブの男は、ニヤリと笑みを浮かべた。
その後カロムはマリリサを呼び、灰色のローブの男を専用の部屋に案内させる。
灰色のローブの男が行ったことを確認すると、カロムは自分の部屋に向かった。
――場所は、泪とメーメルの部屋へと移る――
私はメーメルと話をしていた。
「ルイ、そういえばトラットはどうする?」
「そういえば、そうだね。多分一緒には無理だと思う」
そう思い私は、抱っこしているトラットをみる。
「……そうだな。その時は、グレイ達の元に行く」
小声でトラットは、ボソッとそう呟いた。
「それがいいだろう。そうだな、行くならば状況を伝えて欲しい」
「分かった。その前に、オイラが捕まらないようにしないとな」
「そうだね。トラットは、少し離れた場所に居た方がいいかも」
そう私が言うとトラットは、コクリと頷く。
「それはいいが、グレイ達の居る場所は分かるのか?」
「メーメル、ニオイを辿るつもりだ。それにオイラは、どんな隙間でも通り抜けられるからな」
「心配だけど……それなら大丈夫かなぁ」
そう言いながら私はトラットをみる。
トラットは頷いたあと、また体を丸め私の膝の上で眠りについた。
「あとは……何も気づいていないフリをするだけだな」
「うん、そうだね。演技できるか分からないけど」
「演技する必要はないと思うが……ただ、悟られたら面倒だ」
そうメーメルに言われ私は、急に緊張してくる。
「硬くなるな……いつも通りでいい」
そう言いメーメルは、ニコリと笑った。
それをみた私は、深呼吸をする。
そして私とメーメルはその後、他愛のない話をしていたのだった。